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新解釈:四十九日…初七日

祖父のお通夜が終わったタイミングで、たまたま素敵な記事に出会った。

こう見ると、初盆も悪くないなと思う。
私も頭の中で小説ができた。

新解釈:四十九日

あれ?ここはどこ?
私は見慣れない場所にいた。
スマホを探す。
見たこともない大きなリュックの中に入っていた。

ラインを開ける。ん?未読数99以上ある。
家族ラインを見つける。
「もう着いた??」母のラインだ。
そうだ、母と待ち合わせしていたんだった。
今どこにいるかわからないの、と返信したいのになぜかできない。送信ボタンが見つからない。

仕方なく、他のトークも開いてみた。
なぜ、大学のゼミのグループラインがこんなに盛り上がっているんだ。
「ねぇ、知ってる?」
「さーちゃんのこと?教授から聞いたよ」
「くも膜下出血だって。わからないものだね。」
「駅で待ち合わせしない?お葬式会場一人で行くの自信ないわ。」

え?さーちゃん、くも膜下出血?
さーちゃんって私よ?

どうやら私は死んだらしい。
だからライン返信できないんだ……。
ラインの未読通知がいつまでも消えない。
あれ?何でスマホ使えるんだ?
気になるが、これからどうしたらいいかわからなくなったらググろう。

スマホに入っていたリュックの中身を見てみる。
あぁ六文銭と小さい刀入ってるわ。
他は……うわ、大量のお菓子に果物、お花もある!
私の好きなチョコが多めだ。1つ食べよう。
やはりおいしい。

どこに向かえばいいんだ?と周囲を見渡すと、
初七日会場はこちら
という看板が見えた。

リュックを背負って1本道を歩いていく。
遠いなぁ、ちょっとググってみよう。
マップが出てきた。すげっ。
道は間違いない。どんどん進んでいった。

1本道だけど体感3日ぐらい歩いた気がする。
“初七日”だから仕方ないか。
確か昔お坊さんが「初七日、ニ七日と、7日ごとに裁判が行われます。五七日には閻魔大王さんに会えるそうです。」って言ってたな。

毎週裁判かぁ……。
弁護士さんとかいないのにうまくできるかな。
扉を開けると受付があった。

『はい、初七日ですね。こちら会場です。』
「あの、このリュックは?」
『そのまま持って中に入れますよ。すごい量ですね、いっぱいお棺にお菓子入れてもらったんですね、どうぞ〜』
扉を開けると、テレビで見た裁判所みたいだった。
何となくリュックを置いて証言台に立ってみる。

裁判長が座る席にお坊さんみたいな人が座った。
『それでは初七日始めさせていただきます〜。』
喋り方までお坊さんみたいだ。
『ではお名前とご職業を教えていただけますか?』
「はっ、はい!田中さや!職業は会社員。店長してました!」
これでいいのかな?
『はい、夢は?』
………!?夢?
『やり残したこととか追いかけてた夢でいいですよ。参考に聞いてるだけだから。』
「あー、えっと、ライターになるために勉強してました。」
『いいですねぇ。では決まりました。』
もう判決なの?緊張が走った。

急に電話をするお坊さんみたいな裁判官らしい人。
『ではですね、さやさん。あなたの弁護人を“ゆみさん”に決めました。』
どういう意味だろう……?
『これから毎週あなたが生きている間にいいことをしたかどうか裁判があります。でもいいことって忘れていたり、照れくさくて言えなかったりしますよね。緊張すると思いますし。そんな時に一緒に思い出す手伝いをしたり、言いにくいことがあったら代わりに答える“弁護人”が四十九日まで付いてくれます。』

「それって、この世?生きてた時の日本にあった “国選弁護人”みたいな制度ですか?」
『そんな風に捉えてもらっていいですよ。初七日は基本的なことを聞いて弁護人を決めるだけで難しい裁判はありません。』
初七日は弁護人がいないからほとんどの人が合格するのかな?

『最後に1つだけ手続きがあります。スマホ持ってますね?』
「カバンに入っていました。」
『スマホは生きてきた時に戻りたくなる可能性が出るので、こちらで回収します。スマホなくても便利に、変なことも考えずに過ごせます。』
そうだよね……。写真とか残しておきたかったな。
『大丈夫。あなたが初七日会場にたどり着くまでに見返した写真やメッセージはアルバムにしておきました。裁判の資料にも使えます。“こっち”では何でもお見通しですよ。』
アルバムを開くと、写真が挟まっていたり、ラインのメッセージは手紙という形で残っている。
手厚いサービスだ。もしかしてこう考えていることもお見通しなのか?
「あの、ありがとうございます…!」
私はスマホを証言台に置き、アルバムをギュッと握りしめた。

続く

何か長くなりそうなので、長くしてみようかなと思いました。続けれるかな…。

【初七日】
最初の7日目は故人が三途の川にたどり着く頃です。この川を渡るといよいよこちら側の世界には帰ってこれません。
初七日では秦広王(不動明王)によって、生前にどんな殺生をしてきたかについて調べられます。また、この裁きの結果によって、三途の川の渡り方を、激流の中を歩むのか、緩流の中を歩むのか、橋の上を渡れるかが決まります。

また、故人の両肩には倶生神(ぐしょうじん)という神様が宿り、一神は善行を、もう一神は悪行をずっと監視しています。秦広王は倶生神の報告を聞いて、帳面に故人の生前の行いを書き入れ、後の裁判で登場する王に引き継がれます。これが俗にいう「閻魔帳」です。

参考資料


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