キャッシュレスへの鍵(其の一):ポイント連携とワンストップ化

中国でAli PayやWeChat Payの実店舗決済が展開された当初、「xx元支払いでyy元値引き」の様な大々的な還元キャンペーンで、消費者を引きつけていたことを思い出す。つまり、記事の様にキャッシュレスが大幅なコスト削減につながるのであれば、その削減分をポイントの様な形で消費者に還元することで、キャッシュレスの習慣を形成するのは自然なロジックではないだろうか。たとえ初期はポイント還元コストが先行しても、AlibabaやTencentの様に「投資だと割り切る」思い切りの良さが重要と思われる。

また、ポイントカードと決済アプリなどを一まとめにすること自体が、利便性の向上となる。決済時に一つのものを提示すれば良く、財布も大分スリムになる。また実体験として、Apple Payをファミマやビックカメラなどで利用するとき、ポイントAPPを一旦開いてからPayを立ち上げなければならないなど、現状はモバイル決済でも依然利便性に不満を感じるため、ワンストップでできる様になれば、私個人としてはより使いたいと思う。

付け加えて一点申し上げると、キャッシュレスは中国の様に、いきなりスマホアプリを通したものである必要はないと思われる。例えば、タッチで支払えるIDデビットカードやオートチャージ機能つきのSuicaに、前述の様な多店舗のポイントカードを保存できる機能がつけば、サイフの半分はすっきりするのではないだろうか。こちらの方がガラケー層含め、より幅広い消費者がとっつき易いのではないか。無論、長期的には生体認証機能が整ったスマホに移行するのが理想だろう。

この観点からすると、キャッシュレスの尖兵を果たすべき企業が見える。Tポイントジャパン、リクルート、楽天である。三者それぞれTポイント、Ponta、楽天ポイントという有力共通ポイントサービスを有している。その上で、楽天はクレジットカード・Edyとの整合が期待され、リクルートは普及台数が増加中のAirRegiやじゃらん・ホットペッパーなど有力サービスをうまく活かして利用場所を増やすことが優位性になると思われる。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25669740U8A110C1NN1000/

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