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シャイニングスコーピオンを改造してみた。

おはようございます。ほっとです。

みなさんはゲームアプリ『ミニ四駆超速グランプリ』はプレイされましたか?
先日、新たなマシンが実装されて一気に広まったように感じますね。そりゃあ無理もありません。なんと言っても『あのマシン』ですからね!

え? 何かって? そりゃお客さん...

シャイニングスコーピオンですよ!やっぱりかっこいいよね!

という訳で今回のテーマはこちら〜。

シャイニングスコーピオンを現代風に、戦えるマシンに改造してみた。

いえーい!パフパフー!

じゃあまずどんな性能になったのか見ていきましょう。

この写真はとあるお店のタイムアタックのトップ勢と、今回紹介するシャイニングスコーピオンを走らせたタイムを比較したものですね。

はい、ガチ勢暫定2位と同タイムです。ヤバいですね。自分が1番ビックリなんですけどね。

今回はこのマシンをどうやって作ったのか、また何故こんなタイムが出せたのかを書いてみたいと思います。

長くなりそうなので、実際に自分が組み上げた順番に沿って進めていきたいと思います。

流れとしては...


①駆動系から組んで

②バンパーとか付けて

③ギミックのせて

④ブレーキ調整したら完成


とまぁ、こんな感じですね。

それではどうぞー。




①駆動系から組んで

箱絵の時点でもうお分かりかと思いますが、今回は旧キットではなくシャイニングスコーピオンプレミアムの方を選択しました。

選んだ理由は以下のとおり。

・シールがテッカテカでかっこいい
・付属のタイヤがほしかった
・翌日には走らせたかった

ああそうですね。言い忘れていました。

このシャイスコ、1日で組みました(ドヤァ)。

だってすぐに走らせたかったんだもーん。

さっそく駆動系から振り返ってみましょう。

最初に行ったのはシャーシの歪み確認です。
あんまり気にする方じゃないんですけどね。以前とてつもなく歪んだシャーシに当たった事があるので念のためです。
今回のシャイスコは地元のホビーショップで購入しました。歪みもなかったのでそのまま使用しています。

お次はプロペラシャフトの確認です。
キットのものを入れて、シャフトを曲げないよう指でそっと回してみると...

ジャリッ

はい交換。

キット付属のプロペラシャフトはプロペラシャフト受けの部分に引っかかりやすいんですよね。


加工でなんとか出来ないこともないのですが、今回は『翌日には走らせたい』という切羽詰まった状況なので素直にグレードアップパーツ(GUP)に頼ります。

今回使用した中空プロペラシャフトは、ピニオンギヤの根本が細くなっているので引っかかりにくくなっています。GUPの中でもわりと安価なので迷ったら交換してしまいましょう。

で、こちらを入れて再びそっと動かしてみると...

スルスル...ジャリッ

基本的にはスムーズに回りましたが、途中でどこかに引っかかりました。
よく見ると先端がスパーギヤ・クラウンギヤ間の壁に当たっていました。
少し削ってから再び確認してみると...

スルスル

スムーズに動いたのでプロペラシャフトの確認は完了です。

では次にタイヤとシャフト、各種ギヤを組んでいきましょう。
ここはモーターのトルクをなるべく消費せず路面に伝えるための重要な部分です。

なので今回はいじりませんでした。だって立体なら素組のままでも充分なんだもん。
タミヤさんギヤの位置出し上手いよね。

軸受けは620ボールベアリングに交換しました。
買うと高いので初心者さんはキット付属のハトメでも構いませんが、すぐにガバるのと最高速が落ちる事だけはご注意下さい。

ホイールとタイヤはキットそのままです。ブレはありましたが気にしない事にしました。

あ、今更ですがこのマシンはTAREKAレギュレーションで作ろうと考えています。

みんな大好きTAREKAレギュレーション!

東北のとあるレーサーさん達によって『上級者と初心者が垣根なく遊べるように』と考案されたものです。
簡単に言うと、タイヤ無加工とプラボディ使用が義務付けられた縛りレギュレーションですね。
今のミニ四駆ではタイヤを薄く加工してバウンドしづらくさせたり、ボディ自体を軽いポリカ製に交換して制震ギミックと一体化させる改造が主流となっています。
確かにそれらの改造は効果的です。が、ミニ四駆の基本は別のところにあると考えています。まぁ続きは後ほど。

話を戻して、お次はモーターです。
今回はスプリントダッシュを選択。いわゆるモーター慣らしは行っていません。
たまに使っていたら勝手に32000超えていました。たぶんいい感じに慣らされたのでしょう。
これがチューン系だったら新品モーターを本番当日に慣らして使用します。
慣らす際には使わないシャーシにスイッチとターミナルだけを付けたものを使用して単3電池で慣らします。
いわゆるケミカルや慣らし器等については好みじゃないので使いません。以上。

カウンターギヤ周りはカバーをワンロックに交換しただけ。
これは抑える力とかではなく単純にメンテ用ですね。ダッシュ系モーターを使用しているとギヤの歯が欠けやすいので頻繁に確認が必要です。
しっかりと駆動を出せばその心配も減りますが、なにせ翌日には走らせたかったので妥協しちゃいました。

最後にキット付属のモーター抑えを入れてみたらガバガバだったのでアルミモーターサポートに交換しています。
モーターがグラついていたら折角のトルクも駄々漏れですからね。なるべく固定したかったのです。でも翌日(ry

はい、という訳でシャーシ本体の完成です。

よく見るとフロントバンパーのビス穴が1つ足りませんね?
次はそれについて説明しましょう。



②バンパーとか付けて

バンパーはめっちゃ大事です。むしろ今回のタイムはフロントバンパーのおかげと言っても過言ではありません。

今回使用したのは...まずは画像で確認して頂きましょう。

めっちゃシンプル!

このギミック特盛りの時代に、敢えてプレート1枚で済ます侠気!これぞ男のロマン!

使ったパーツはこんな感じです。

ごく普通に2段アルミを付けて、先端に使用済みピンククラウンギヤからテキトーに削り出したスタビを装着。
内側には後で説明するフロント提灯ギミック用のポールをセットして終了。

マジでこれだけ。でもこのシンプルさこそが、今回の好タイムを出せた最大の要因なのです。

ちなみに皆さんは素組みのマシンを走らせた事はありますか?

ノーマルモーターの非力な速度に跳ねるタイヤ。キットそのままの状態では現代の立体コースには不向きかと思われます。

じゃあ平面速度は?

仮にギミック盛り盛りのMSフレキと素組みのマシンに、それぞれプラローラーと開けポンのノーマルモーターを搭載してフラットコースで勝負したらどうなるでしょう?

なんかヤバそうですよね。正解です。素組みのアストラルスターとか平面ヤバいんですマジで。

スムーズに回るガタの少ない駆動系で、速度に合った固さのバンパーを持つ軽いマシン。素組みマシンにはミニ四駆の基本が詰まっています。

ミニ四駆の基本は平面の速さにあります。
そして今回目指した改造は、その基本を大切にしたマシン作りなのです。

もちろんそのままコースに放り込んでもコースアウトするだけなので、あの手この手でコースに収めないといけないんですけどね。それがしんどい。

今までも数多くのレーサー達が創意工夫を凝らしてきた訳ですが、そのひとつがこのアンダープレートです。

汚ねぇ!

何年も前にARシャーシFRPフロントワイドステーから削り出したものです。
これをフロントバンパーの底面に設置し、ブレーキを貼り付ける土台にしています。
脇の耳は万が一フェンスに乗り上げた時に復帰できるよう若干のテーパー処理が施されています。で、コース等を過度に傷つけないよう加工面には瞬着が染み込ませてあります。

そしてザグリを入れたビス穴に皿ビスを通して装着した状態がこちらです。

で、この時にフロントバンパーの外側の穴が残っているとこのプレートじゃ隠せないんですよ。
だから切っちゃったの。そんだけ。

でもねー、たった1枚のプレートなのにコレがなかなか役に立つんですよ。何度助けられたか分かりません。

もっといい形状とか各自のこだわり等もあるでしょうから、あくまで個人の感想ってことで。

リヤ側は古き良き時代から使用されている形状ですね。
カーボンリヤマルチステーの耳を切り落とした土台に、直FRPをそれぞれ引っ掛かり防止ステーとブレーキステーに加工したものをマウントしただけです。

スペーサーはこんな感じ。ここら辺はボディの高さや重心と相談しながら組むと思いますのであくまでも一例として。

構造がシンプルなだけに短時間で組めるのがいいですね。



③ギミックのせて

はい、お待たせしました!

今回のミソ、シャイスコファンの皆様が最も気にしたであろう部分!
フロント提灯とフロントフェンダーの一体化です!

シャイニングスコーピオンの改造で最も難しいのは、この独特のフォルムをいかに維持しつつ改造していくのか。これに尽きると思います。

ちょっと試しにフロント部分を外してみましょう。

誰やお前!?

そうなんですよね。このフロントフェンダーを外してしまうと全体のシルエットがガラリと変わっちゃうんです。

なので意地でも残したい。あわよくば機能性を持たせたい。

よろしい。ならばギミックだ。

実は最初のタイム、あれを出す1時間前にはギミック自体が未完成でした。

現地に手持ちのFRP類をガラガラと持ち込み、パズルのように組み合わせながら急造したのが写真のこちらだったのです。

で、ちょうどこの接続部位のビスがフロントフェンダーを固定するのに良さそうだったので突き刺した、という訳です。

テキトーだなおい。

そんなもんです。ノリも大切。

でもそのおかげで運良く叩きやすそうな位置も発見できたので結果オーライ。

で、後はフロントフェンダーを加工してビスに刺さればオッケーです。

フロントフェンダーですが、手元にある無加工のものと比較してみましょうか。

シールどうした?

ま、まぁ形は一緒だから良しとしようか。
穴の位置は段差のところにしました。ビスが通るように余裕を持たせて穴を開けてあります。

後ろから見ると分かりやすいかな...。

真ん中の橋を切って厚みを減らしています。が、これもノリで削ったので途中で厚みに差が出来ちゃってますね。テキトーさがよく分かります。

ギミックらしい部分はここだけです。でもフロント提灯は素晴らしいアイデアですね。

ユニット自体に慣性がつくから飛び姿勢を作りやすいですし、サイドマスダンより制震性が高いので速度も出せちゃう。

今回いいタイムが出せたのも、このフロント提灯がしっかりと制震してくれたおかげでした。

なんていうか、みんなよく考えるよなぁ...。



④ブレーキ調整したら完成

最後はブレーキですね。

ここまで見て下さった方は、このマシン自体には大した復帰力がない事がすぐにお分かりでしょう。

なので完走させる為にはそれ相応の姿勢制御が求められます。ですが、その為には非常に困ったパーツがくっついていますね?

そう、プラボディです。

こんな重量物を抱えてどうやって姿勢を制御していくのか。それが問題です。

まぁ結果的には出来ちゃったんだけどね。

具体的に何をしたかというと、マシンの重心を意識してブレーキを貼っただけです。

じゃあ早速重心を意識してみましょうか。

私はミニ四駆を始める前は武道オタクだったので、重心という言葉には特に敏感でした。

それでよく聞くたびにモヤっとしていたのが『プラボディだと重心が上がりやすい』という言葉です。

ちなみに、このシャイスコの重心ってどこにあると思いますか?

直感的に『このあたり!』と感じる部分があるかと思います。恐らくそれは正解です。
ではシャイスコのボディを外すとどうなるでしょう。
ぐっと重心が下がるイメージがしませんか?それも正解かと思います。

でももう一つ正解があるんです。

それは、パーツ毎に重心があるという考え方です。

いや、まぁこんな大文字にする程のことじゃないんですけどね。当たり前の事ですし。
何が言いたいのかというと『パーツ毎に重心があるんだから慣性も個別に発生するぞい』って事です。

例えば体重の約20%程の鉄塊を頭に乗せたとします。
どうでしょう、重心はぐぐっと上に移動しましたでしょうか?

.......しませんよね。鉄塊は鉄塊、自分は自分です。

じゃあそのままで反復横飛びする自分をイメージしてみて下さい。

確実に首を痛めます。

そうですね、自分の体は足を踏ん張って制御できても、鉄塊の持つ慣性は制御しづらい事がイメージしやすいかと思います。

それがそのままプラボディを載せたシャーシの状態なのですよ。

では今回のシャイスコでイメージしてみましょうか。

重たいプラボディを載せて走るマシンがコーナーに差し掛かったとします。
バンパーは固めなので3点のローラーがフェンスにガツンと当たる事となります。
で、この直後に10g以上もあるプラボディの慣性が更にマシンを壁際に押し付けようとしてきます。

という事は、ほんの僅かですが、車体全体がフェンス側に傾く事になります。最悪、傾いたままジャンプ姿勢に入る可能性もありますね。

ノンブレーキでも真っ直ぐ飛ばないのはそこら辺にも原因があるのかな〜、と個人的には思っています。

では、もしもこの時フロントブレーキが横方向に長く貼ってあったらどうなるでしょう?

まず間違いなく片一方だけが効きすぎて姿勢が崩れますよね。そして最悪そのまま空中で1回転するかも知れません。

だったらこれしかないよね?

どうせ傾くのなら真ん中だけ貼っておけ!

自分がTAREKAマシンを走らせる時はだいたいこれです。だって傾くんだもん。

あとはリヤのブレーキを同じように貼って何回か走行し、コースに合った姿勢が見つかれば何とかなります。

やってる事は単純ですね。


まとめ

さっき読み返してみたけど、ずいぶんふざけた記事ですねこれ。

まぁいいや無料の記事だし。サクッとまとめて終わりにしましょう。

今回のシャイスコ改造のポイントは!

・駆動系はスルスル回れば良しとする
・ミニ四駆の基本はフラット
・制振はフロント提灯オススメ
・重心はひとつじゃない

こんな感じですね。

要はダッシュフラットにプラボディ乗せてフロント提灯とブレーキで無理矢理ねじ込むマシンでした。

たぶんこれ他のボディでも出来ると思うので、皆さんもぜひ作ってみてください。

ん〜。なんか喋り足りないな...。

じゃあ最後になりますが一言。

私は一度、レースに勝つ事だけしか考えられなくなった事があります。勝てるシャーシ、勝てる改造を求め、勝てれば何でもいいとすら考えました。

しかしその時は、その間違いに気付かせてくれた人がいたため踏み留まる事が出来ました。

レースに勝つ事自体は真っ当な動機なのですが、私の場合は『子供の頃にコースがなくて走らせられなかったマシンを走らせたい、仲間に速いと認めてもらいたい』という根本がありました。

それを見失って暴走していたので、見兼ねて声をかけてくれたのでしょう。今思い返しても恥ずかしい限りです。

こちらは同じコースを走らせた時の愛車のタイムです。

25年も前のボディですが今でも現役です。仲間にタイムがヤバイと言ってもらえたのは嬉しかったですね。

やっぱりさ、好きなスタイルで勝ちたいじゃん?あの時流されなくて本当に良かったぜぃ。

てな訳で、皆さんも好きなスタイルでミニ四駆を楽しんで下さいね。
速くできたらそれが自分だけのテンプレだ!

それじゃまたね!

ほぼ毎夜10時頃~YouTubeにてゲームorミニ四駆の生配信を行っています!お気軽に遊びに来てください!https://www.youtube.com/channel/UC38sxZzD1yC-rTQzTaS7h5A