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「ちょっと場所を持ってて困ってるんです」という人が、ふらりと相談にー 地域に人の流れをつくりたい「株式会社NINI」西濱萌根さんインタビュー

京都には古き良き建物やスペースが数多くあります。けれども、うまく活用されず長年空き家になっていたり、「気が付いたら駐車場になっていた」なんていう場所を見かけることも多くなっているのではないでしょうか?

そこで今回は、古いビルをリノベーションしたホステルの運営や、人の集まりにくいエリアの活性化に取り組んでいる「株式会社NINI」の共同代表で、神宮丸太町のHOSTEL「NINIROOM」を経営する西濱 萌根さんにお話を伺いました。

長らく空いていた元印刷会社兼倉庫のビルをリノベーション

はじまりは4年ほど前、京都で大学教員もしている建築家のお父さんにきた空きビル利活用の相談でした。

オーナーさんはオフィスビルへの改築を考えていたようですが、お父さんは「立地もよいのでホテルにしたらどうでしょう?」と提案し、インテリアデザイナーのお姉さんも参画。当時は東京の大手家電メーカーで宣伝広報の部署にいた萌根さんも一緒になって、夜な夜ないろんなアイデアを出し合ううちに「だんだん楽しくなっちゃって」姉妹で脱サラを決意。

2017年6月、二人の名前:Nishihama Aino & Nishihama Moneにちなんで「株式会社NINI」を立ち上げます。

「離島の友達に会いに行って、地元のお祭りでおじいちゃんたちと飲むみたいな、そういう旅こそ楽しかったよね」「友達の部屋に気軽に遊びにいけるような感じで」旅が大好きな姉妹は、自分たちが理想とする旅を思い描きながらコンセプトを練り上げていきました。

<建築×インテリアデザイン×PR>家族の強みを活かしたプロデュースとSNSで仲間づくり

建築家のお父さんが設計を、インテリアデザイナーのお姉さんが内装を手掛ける一方、萌根さんは自分のキャリアを活かして、宣伝・広報活動もはじめていきます。

1か月半かけて行ったクラウドファンディングもそのひとつ。「資金調達というよりも”共犯者”、というか、『この場所づくりに自分もかかわったよ』と思ってくれるような仲間をつくりたくて」と萌根さん。

リターンには、ホステルの宿泊券の他、旅行カバンにつけられるオリジナルのタグや、NINI姉妹のお気に入りを箱に詰めた「京都セレクション」を用意。

またSNSでは、自分たちで壁を塗っているところなどの改装の様子を動画や写真でほぼ毎日配信。「元印刷会社の古ビル」が「友達の部屋」に生まれ変わっていくプロセスをリアルタイムで共有できるようにしました。

開業前から”場を一緒につくる仲間”の輪を広げることで、「姉妹2人のNINIではなくて、大きな”チームNINI”をつくっていきたかったんです」

2017年12月、ついにHOSTEL「NINIROOM」がオープンしました。オープニングパーティには、クラウドファンディングのサポーターたちが、はじめてのゲストとして宿泊。「みんなでつくったホステルという一体感が生まれていて、感慨深かったです」と萌根さんは振り返ります。

宿泊客だけでなく地元の人も訪れる「友達の部屋」

「ホステル」は”交流型”とも呼ばれ、ラウンジやカフェで宿泊客同士が交流できるようになっているという特徴があります。NINIROOMの入り口も広々としたカフェになっていて、宿泊者以外でも日替わりシェフのランチやお茶が楽しめるようになっています。「昔ここの印刷所で働いていました」という方がふらり来てくれたりするのも嬉しい出会いの一つ。

現在のゲストの半数は外国人ですが、「ホステルは初めて」という一人旅の女性も多く、最近では「京都に友達が来たから一緒に泊まります」「息子夫婦が帰ってくるけど、布団がないから」という地元のお客様も泊りにきてくれるようになりました。

屋上の芝生では朝ヨガや、夜の京都を走る“夜RUN”をしたりと、まさに「友達の部屋」に遊びに来た感覚で、旅行客も地元の人も一緒になって楽しめる仕掛けがちりばめられています。


地域に適した人の流れをつくっていきたい~NINI×地域のコラボレーション

「ずっとラウンジをオープンしていると、人もアイデアも必然的に集まってきて。“場所を持つ“ってすごいなあって」。そんな萌根さんのところには、最近、「ちょっと場所を持ってて困ってるんです」という相談も寄せられるように。

昨年の4月には、西陣織が衰退して人が減っているのに危機感を感じてた帯製造会社の社長さんより「人が集まる仕掛けをしたい」という相談があり、織物工場に併設されたスペースで、映画上映とワークショップなどを組み合わせた「西陣シネマ」の運営をはじめました。

「実は、昔の西陣には、職人の娯楽として映画館や小劇場もあって賑わっていたと聞きました。歴史的な文脈からその町を紹介していけるようになれば」という意気込みも。

はじけるような笑顔で「なにか一緒にやりたい方がいたら会いに行きます!自分達だけでは難しいけれど、コラボができたら。カフェにもぜひきてください!」という萌根さん。

その地域に適した人の流れをつくるような活動を広げていければ。それはハードだけでもソフトだけでもうまくいかないと思うんです。その両方をできるのが私たちの強みなのかな」

西濱姉妹の抜群のセンスとアイデアは、地域のなかで止まってしまった時間や人の流れに新しい風を送り込んでくれるようです。世界中を魅了する古都の町並みを次世代に繋いでいくためのヒントを見つけに、ぜひNINIROOMを訪れてみてはいかがでしょう?

【NINIROOM:https://niniroom.jp/】

【Facebook:https://www.facebook.com/niniroom/

(文・写真/熊倉聖子)

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