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デュアラ-は、地方で中途半端なのかについて考えたこと

みなさん、こんにちは、「幸せに働ける人や地域づくり」をライフミッションにしていますミノです。今日は「デュアラーは、地方で中途半端なのかについて」考えていたことをつづりたいとおもいます。

現在私は、週4ガイアックス(シェアリングエコノミー協会)、週1フリーランスをしながら、井波(富山県南砺市)という町の”ひとづくり戦略”を立ち上げる機会を頂いています。

ずっと願っていたふるさとでの仕事。

期待もやる気も膨らんでいますが、東京をベースに働いている私が実際に富山に行けるのは1-2ヶ月に1回です。時間を創り出したとしても、交通費がチーム経費を圧迫してしまうので、それ以上の頻度でなかなか帰ることが難しい状態でした。

地域に住んでいないと中途半端な存在になるのか

「地域づくり」に関わりたいと思っても、なかなかチームメンバーと顔を合わせて話せない、そんな日々が続くと、自身の熱量が空回りしているなということに気付くシーンが何度かありました。

(ふるさとなはずなのに)町内の人の話についていけないみんなが大切に準備しているお祭りや行事などの日程があわない町内会費や色々なルールが全くわからない

また、現地に行ったときには町のおばちゃんたちから(純粋に)「関係人口」ではなく「移住者」がほしいという声も聞こえてきます。

そんな経験をするうちに「地域に関わりたい」という熱量はあるけど、

「東京に住みながら、地域の仕事って難しいのかな」「中途半端なヤツみたいに思われたら嫌だな」「関係人口(デュアラ-)という関わり方は、喜ばれないのかも」

と疑心暗鬼になっていく自分がいました。楽しみにしていたふるさとでの仕事、現地でのチームメンバーも本当に素敵な方ばかりにもかかわらず。マジメな私はそんな事をウンウン考えていました。

しかし、デュアルワーク1ヶ月目で、そんな不安を一掃してくれる”ある言葉”に出会いました。


風土論にある、とある言葉

それは、農学者として、元信州大学で教鞭をとっていた玉井袈裟男氏の「風の人、土の人」という考え方です。

玉井 袈裟男(たまい けさお、1925年 - 2009年)は、日本の農学者、社会教育指導者、信州大学名誉教授。農村における実践経験に裏付けられた独自の実践的風土論を軸として、長野県を中心に、各地の農村における地域おこし、社会教育にたずさわり、農産物等、様々な特産品の開発にも関わった。

地域における「人」の存在を、自然環境の言葉に置き換えて、表現しています。そして、その風土論は、彼が立ち上げた「風土舎」の設立宣言に表現されています。

私のふるさとは、富山県南砺市であり、農業が主要産業である町。だから、この土地の方々に私は何者なのかを伝える時に、この言葉がすっと心に入ってきました。


意訳するとこんな感じ。

■風の人地域の外から理想をふくんで風を運んでくる。珍しいもの、情報、人、意識などを運んで来て、外へも発信する。地域内の動かないぴたっと止まった空気を動かすもとになる。

 ■土の人
地域を支え、地に足をつけてコツコツと耕し、生命を生み出して育んでいくような土台的存在。

 ■光の人
地域に埋もれているたからものに光をあてるメディア的な存在。地道に中で研究し、外へと紹介、情報を発信していく。

 ■水の人
ささいなアイデアを面白がり、損得や利益のためではなくイベントや活動などに関わり、動きのきっかけを作る人。

風、土、光、水、どれも地域になくてはならないモノです。この型の中で、「私はこれ!」と当てはまるものがあれば、それはあなた自身を「地域にとってなくてはならない人」として理解しやすくしてくれるのではと思います。

ちなみに、私は「風の人」が当てはまるなと思いました。その土地に根付き、何かを生み出すことはできない。でも、外の情報を運んでくることはできます。この役割を持って、私なりに馴染んでいけばいいのかもしれない。そう思えるようになりました。

■風の人
地域の外から理想をふくんで風を運んでくる。珍しいもの、情報、人、意識などを運んで来て、外へも発信する。地域内の動かないぴたっと止まった空気を動かすもとになる。

地域での役割は、地域の言葉で見つけていければいい

地域の人は一人で何役もこなしていることが多いです。 東京で自分の役割を伝える際には「私は○○企業の者です」とか「私は営業ができます」「PRができます」と伝えることが多いと思います。一方で、地域に役立ちたいと思い、同じような紹介を地域の方に伝えても、すぐに自身の強みが地域での役割に当てはまらないケースがほとんどだと思います。

しかし、風土論の言葉に出会ってからは、私自身が、現地に通いながら、季節の流れとともに、自身にあった関わり方を見つけようという視点に切り替えられることになりました。


地域での役割も自ら作り出せる

私は「自身の働き方はつくれる」という信念を持っています。しかし、初めてふるさとである地域にディープに関わる中で、ここ一ヶ月間は「どんなふうに役に立てるのか分からないな」と思うシーンもありました。

そんな時に出会った風土論。

地域のビジネスや産業は、東京のように3年で結果を出せというものではなく、その土地の自然ともリズムをあわせていかないといけないよ。そんな事を耳元でささやいてくれたような思想でした。

この言葉を何度か見ているうちに、その土地の先人たちが、守ってきた自然や歴史の流に身を任せ、ゆっくりと考えていけばいいのかなと思うようになりました。

私が関わっているのは富山県の農村にある町なので、「風土論」の思想があいましたが、もしかしたら漁業、林業の町ではまた違う思想があるかもしれないですね。

これからデュアルワークを考えている方は、自身の関わりたい町の人に、そんな事を聞いてみるということをおすすめします。 東京にいたときとは違う、自身の役割や、居場所が見つかるかもしれません。

ぜひ、これからデュアルワークされる方は、そんな気付きがあればシェアいただけると嬉しいです。

ではでは、最後まで読んでいただきありがとうございました〜!


最後にご案内:

私が関わっている富山県南砺市に素敵なコンセプトのお宿があります。ぜひ、富山に行ったことがなかったという方は、覗いてみてください(*^^*)

職人に弟子入りできる宿「BED AND CRAFT」(富山県南砺市)木彫刻の町として知られる富山県南砺市井波地域で「宿泊しながら、職人に弟子入りできる宿」をコンセプトに始まった新しいスタイルの宿泊施設


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