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2018年に見たアニメ映画2

君はコーラリアンを知っているか。

凄くいいものが出来てしまう。
そんな現象がある。
様々なアーティストが最高のファーストアルバムを作って中々超えられない。
よくある話しだ。

君はコーラリアンを知っているか。

よくよく考えてみるとシンプルなボーイミーツガールなストーリー。ちょっと変わった音楽とカルチャーが彩っていただけ。
でも、それはサイコーにクールだった。

もともと想定されていたところを超えて、話が延長された。2回目の劇場版の第1話。評判のあまり芳しくなかった第1話が、もともとの物語の終わるはずだったポイントから語り始めたのは偶然だろうか。
少年の再生の物語。

次に描かれたのは少女の再生の物語。
少女はTV版では予期せぬ延長後のエピソードによって大人気を得たキャラクターであり、更にもう一人はヒロイン。この第2話は、その二人の再生のお話だった。とはいえ、前評判はけして良くなく、続編やこれまでの劇場版の出来から期待値は低かった。

そもそもエウレカセブンという作品は時代を得た作品だったに違いない。アニメがある程度市民権を得て、ただそこまでメインカルチャーに出てきていないサブカルチャーだったころ。
テクノミュージックを劇伴に、サーフボードのようなものを乗りこなすロボット、思春期の子供のような大人たちにちょっと斜に構えた演出、全てがハマった。
それだけに続編への期待値と裏腹に同じことをやっても仕方ないという気持ちが作る側にはあったんではないだろうか。

苦しみつつ、続編や劇場版を経てついにたどり着いたのが今作「ANEMONE」だ。

ややエキセントリックでヒステリックで、でも寂しがりやで。実験としてエウレカのサブとして苦しみぬいたTVのアネモネ。
今作では石井・風花・アネモネとして主役となった。舞台は日本。

父一人娘一人で育ってきたが、突如として襲ったエウレカセブンという天災に立ち向かって父親は行方不明となる。
父親と同じくエウレカセブンへ立ち向かう中で、魔女エウレカと出会う。

エウレカは「お父さんを生き返らせてあげるから邪魔をしないで」と問いかける。「自分はただ愛する人にもう一度会いたいだけ」だと。
それまで流されるように生きている感じを受けるアネモネはすごく悩む。新たな出会いを経てどんな答えを出すのか、そこから先は是非映画館やDVDで見てもらいたい。

キャラクターの違和感は、正直言ってある。
普段のアネモネは、普通の女の子だけどエウレカセブンに入ったときはかつてのエキセントリックな少女に急に立ち戻る。あれ、そんな子だった!?みたいな。
ドミニクもテレビのころのちょっと抜けたやつではなくなってて、「悪いが、僕は大人用なんだ!」みたいなかっこいいことを言ってくる。

1番違和感がなかったのデューイノヴァクさん。テレビのころから預言者っぽい感じで思わせぶりな話し方、今回はその格好も相まってすごくマッチしていた。

そして、これまでになかった1面を見せてくれたエウレカ。テレビではあまり一人称で話に登場した記憶がなく、レントンサイドからの描写が多かっただけに新鮮だった。エウレカとの会話で、1作目のことを思い出したりした。見てても、あれの続きの作品ってことを忘れてたよ。

ファザコンっぽくて心配になるアネモネやガールミーツボーイからガールミーツガールへの連続、人によっては受け入れられなそうないわゆる大爆発の今作での表現、シンゴジラふうなアレ、やたらださいニルヴァーシュなど気になることはいっぱいある。
でも、遂に次が気になる、人に見たほうが良いよ!といてるエウレカセブンが見れた。もうそれだけでよかった。個人的には期待どおりとも言えるガンダムナラティブよりオススメです。

君はコーラリアンを知っているか。

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