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農場を再生する。コンサルティング&農家コミュニティ「Climate Farmers」

リジェネラティブ農業(環境再生型農業)として耳にするようになった農法。農地の土壌をただ健康的に保つのではなく、土壌を修復・改善しながら自然環境の回復に繋げることを目指す農業を指している(参考)。

土壌の健全性を回復させることで、土壌や植物バイオマスに含まれる炭素の量を増やし、二酸化炭素を固定することができる。また、土壌が健全であれば、気候変動の影響に強くなり、収量も増加するため、経済的な安定にもつながるとされている(参照)。

しかしながら、再生型農業への転換には初期コストや時間がかかることに加え、再生型農業に関する知識不足などが課題となり導入が進んでいない現状がある(参照)。

「Climate Farmers」は再生型農業への転換を検討する農家さんに対して、情報共有のできる「コミュニテイ」、「農地のモニタリング」、「そして再生型農業への転換に必要な資金の調達」をサポートしている。


Climate FarmersのHP画像
Climate Farmers HPより引用

コミュニティ:再生農業に関するあらゆる情報を、オープンなコミュニティを通じて収集できるシステム。同社の専門家が情報を精査し、最善策を共有していることに加えて、コミュニティ内での情報交換やアドバイスを受けられるシステムである。SNS(WhatsApp)上のコミュニティでは、同じ志を持つ農家が集まり、ヨーロッパ中の農家を繋げている。

農地のモニタリング:再生型農業の成果を測定し活用できる仕組みを提供。同社のモニタリングにより、農家や第三者が、土壌、生態系、気候に対するポジティブな影響を評価できる仕組みだ。

資金調達のサポート:再生型農業へ転換するための資金調達のツールとして炭素クレジット*の導入をサポートしている。再生型農業への転換には費用と時間がかかるが、安定するまでの10年間に農家が移行に必要となる費用の調達をサポートしている。具体的には、農家から提供されたデータと計画を元に、「Climate Farmers」が必要書類を作成し、プロジェクト期間中の炭素貯留量を試算する。プロジェクト実施後、実際に固定した炭素量を計算し、一般公開された登録システムで証明書として発行してクレジットを販売している。

*炭素クレジット:CO2の排出量見通し(ベースライン)に対し、実際の排出量が下回った場合、 その差分をクレジットとして認証したものである。クレジットは一般的に、モニタリング・レポート・検証を経て、温室効果ガス排出削減量「t-CO2」単位で認証され、排出量取引市場で取引される。

https://ideasforgood.jp/glossary/carbon-credit/

ウェブサイトには、6年後の収益が最大60%増加(炭素クレジット販売収益が含まれているかは不明)、異常気象時における収量が最大30%増加と、ポジティブな影響が記載されている。

導入に時間がかかる再生型農業ですが、コミュニティの先輩からアドバイスを受け、計画的に収量が安定することを銀行に説明することがで、スムーズに移行をサポートしているようです!

Top画像:UnsplashIlliya Vjesticaが撮影した写真

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