草

異な草と抜きて吾妹に叱らるる

夕べのはげしい雨が嘘のように晴れた。朝、目を覚ますと妻は庭の草引きに余念がない。

「手伝って!」

と促されて渋々庭へ出る。蒔かず肥料もやらないのにどうして草はこんなに元気がいいのだろう・・・などと余計なことを考えていると突然悲鳴が上がった。どうやら抜いてはいけないものまで引いてしまったらしい。

「ごめ・ん・・・」 

悪戯をして母親に叱られた腕白少年のように意気消沈。妻はしばらくご機嫌斜めだった。

わたしの落胆ぶりが母性をくすぐったのか、ややあって「ご苦労様!」と好物のお饅頭がでた。二人でお茶をすすりながら園芸図鑑でお勉強。

「ふむふむ・・」 

 

 

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