時計台聖夜の針を重ねけり
聖歌隊が「ハレルヤ」と歌いおさめると、やがて手に手にペンライトを持ってキャロリングに出発する。
星空高く聖夜を刻む天文台の大時計を仰ぐと、とても満たされた気分になり、手足の悴むのも忘れる。終末の到来かと思われたあの阪神淡路大震災で子午線の大時計は動かなくなった。
もちろん時間が止まることはなかったが、修復が終わって再び時を刻むようになったとき、胸が熱くなるような感動と復活の喜びを実感した。
きよしこの夜、大時計は何事もなかったかのように、歴史の針を重ねようとしている。
時は流れ人の世は移るけれど、神の愛はいつまでも変わることがない。
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