VIVANTと、このドラマを大絶賛するM-1準決勝審査員の放送作家について
この、VIVANTというドラマは、放映当時僕のオカンが大ハマりして、自分も勧められたので観てみたけど、あまりに脚本が雑過ぎてけっきょく一話目で視聴を断念した。
現在はU-NEXTで全話視聴出来るので、興味のある方は是非。
VIVANT
実際に観て頂けるとシナリオの荒さが分かると思うけど、一番酷かったのは、主人公たちがモンゴル国内の日本大使館まで装甲車で突っ込もうとする時に(大使館内は治外法権が適用される)、現地の警察がそれを止めようと一斉にライフルで主人公達が乗っている装甲車を狙い撃ちしまくる場面がアクションシーンの見せ場として出てくるが、誰も全くタイヤを狙わない。
普通は走っている車を銃撃によって止めようと思ったら、まずタイヤを狙うでしょ。
その最大の構造上の弱点を狙わないのは流石に有り得なさ過ぎて醒めた。
まともな大人なら、この場面で子供騙しの雰囲気演出だけのドラマと判断すると思う。
リアリティラインがデタラメなので演出にも緊迫感がなくなって、シリアスなサスペンスドラマとしては致命的。よって一話目を視聴しただけで続きを観るのは辞めた。
とはいえ、このドラマは世間的には好評らしく、その様子は視聴率からもSNSの投稿による反応からも伺える。
自分自身も第一話しか視聴していないので偉そうなことは言えないのだけれど、しかし、ドラマの一話目というのはツカミとして一番重要で、そこの視聴率が低ければ後で巻き返すのはほぼ無理、というのは長年言われている常識でもあるので、初回に最も力を入れているはずなのに、そこで掴めないというのはやはり致命的に思う。
細かなダメ出しについては上の引用元の記事を読んで頂きたいけど、まあ僕も概ね同感。
こんなドラマを面白いと言っている大人は、人生経験も薄っぺらくて、感受性もかなり鈍いと言わざるを得ないと思う。
しかし、である。
なんと僕のオカンと同じく、このドラマを大絶賛している放送作家が、M-1の一回戦から準決勝までの審査員として出場者を選別する立場にいるのだ。
上のポストを見た時に、彼に選抜されてM-1決勝進出して売れても、その芸人が後にまともな長編の脚本なんて書ける訳無いよな、とか思った。
と同時に、
「よくM-1に参加している若手芸人さん達は、こんなのに審査される屈辱に耐えられるよなあ…。」
と思わずにはいられなかった。けっきょく、自分はそれが耐えられなかったので早々に離脱した。
人によっては、「プライドが高い」と批判するかもだけど、
「M-1準決勝の審査員でこの程度のレベルなら、今後もポンコツだらけの裏方達に頭を下げ続ける人生というのがお笑い芸人の宿命なのか?」
とか真剣に悩んで自分なりに決断した結果、足を洗っただけの話だ。
で、その時の判断は、未だに正しかったと思っている。
その後に色んな人から話を聞いた上でも、「やっぱり早々に辞めといて良かった!」としか思えないんだよな。
まあ、衰退していくのが確定的な業界というのは得てしてそんなもんなのかもだけど。
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