見出し画像

VIVANTと、このドラマを大絶賛するM-1準決勝審査員の放送作家について

この、VIVANTというドラマは、放映当時僕のオカンが大ハマりして、自分も勧められたので観てみたけど、あまりに脚本が雑過ぎてけっきょく一話目で視聴を断念した。⁡⁡


現在はU-NEXTで全話視聴出来るので、興味のある方は是非。
VIVANT

⁡⁡
⁡実際に観て頂けるとシナリオの荒さが分かると思うけど、一番酷かったのは、主人公たちがモンゴル国内の日本大使館まで装甲車で突っ込もうとする時に(大使館内は治外法権が適用される)、現地の警察がそれを止めようと一斉にライフルで主人公達が乗っている装甲車を狙い撃ちしまくる場面がアクションシーンの見せ場として出てくるが、誰も全くタイヤを狙わない。
普通は走っている車を銃撃によって止めようと思ったら、まずタイヤを狙うでしょ。
その最大の構造上の弱点を狙わないのは流石に有り得なさ過ぎて醒めた。⁡⁡

⁡まともな大人なら、この場面で子供騙しの雰囲気演出だけのドラマと判断すると思う。
リアリティラインがデタラメなので演出にも緊迫感がなくなって、シリアスなサスペンスドラマとしては致命的。よって一話目を視聴しただけで続きを観るのは辞めた。


とはいえ、このドラマは世間的には好評らしく、その様子は視聴率からもSNSの投稿による反応からも伺える。

TBS『日曜劇場 VIVANT』は今年最大のヒットドラマになった。全10話の平均視聴率は個人全体が9.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。ほかのドラマの約3倍から5倍以上あった。なお、3年前からテレビ界もスポンサーも使っていない世帯視聴率の全話平均値も参考として記すと、14.2%だった。

 9月17日の最終回で記録された個人全体は12.5%(世帯19.6%)。慶応高が107年ぶりに優勝した8月24日の「全国高校野球選手権決勝」(NHK)の個人全体の10.7%(世帯19.3%)を超えた

『VIVANT』10回中6回も拡大放送、それでもスポンサーが殺到した理由



自分自身も第一話しか視聴していないので偉そうなことは言えないのだけれど、しかし、ドラマの一話目というのはツカミとして一番重要で、そこの視聴率が低ければ後で巻き返すのはほぼ無理、というのは長年言われている常識でもあるので、初回に最も力を入れているはずなのに、そこで掴めないというのはやはり致命的に思う。

モンゴルでしか感じられないような、リアルな現地の空気感、というのもほとんどない。

現地の俳優や、役者陣は存在感があり、味があって悪くない。

スラム街のホームレスのおじさんなんか、非常に味のある良い顔をしている。

遊牧民の父と娘も自然で、味があり良かった。

日本人は、せめてあの父くらいの演技をデフォルトでして欲しい。

音楽は、相変わらずのどこかで聞いたようなありきたりでちゃっちい音楽が所々流れる。

これなら、無音で良い。

外国のドラマや映画の真似をしてるんだろうが、真似するならもっとちゃんと音楽を作ればいいのに。

千住明が担当なのか?誰がやってるにしろ考えた方が良い。

気持ちが入ってない、耳に残らない音楽ばかり。

カメラワークは、ダメな意味で置きに行った緊迫感を感じさせない撮り方ばかり。

緊迫感がある所で無駄にワンショットのラリーが多かったりして間延びさせたりする。

演技はもちろん、ストーリーも突飛で中身がなく、つまらない。

どの点においても全部、ほぼ全部中途半端。

ドラマ「VIVANT(第一話)」が“つまらない☆1”理由と考察、その感想


細かなダメ出しについては上の引用元の記事を読んで頂きたいけど、まあ僕も概ね同感。
こんなドラマを面白いと言っている大人は、人生経験も薄っぺらくて、感受性もかなり鈍いと言わざるを得ないと思う。


しかし、である。

なんと僕のオカンと同じく、このドラマを大絶賛している放送作家が、M-1の一回戦から準決勝までの審査員として出場者を選別する立場にいるのだ。

M-1一回戦から準決勝までの審査員である放送作家の前田政二。吉本の養成所であるNSCの講師業も長年務めており、若手芸人にとっては避けられない存在。


上のポストを見た時に、彼に選抜されてM-1決勝進出して売れても、その芸人が後にまともな長編の脚本なんて書ける訳無いよな、とか思った。

と同時に、
「よくM-1に参加している若手芸人さん達は、こんなのに審査される屈辱に耐えられるよなあ…。」
と思わずにはいられなかった。けっきょく、自分はそれが耐えられなかったので早々に離脱した。

人によっては、「プライドが高い」と批判するかもだけど、
「M-1準決勝の審査員でこの程度のレベルなら、今後もポンコツだらけの裏方達に頭を下げ続ける人生というのがお笑い芸人の宿命なのか?」
とか真剣に悩んで自分なりに決断した結果、足を洗っただけの話だ。

で、その時の判断は、未だに正しかったと思っている。
その後に色んな人から話を聞いた上でも、「やっぱり早々に辞めといて良かった!」としか思えないんだよな。

まあ、衰退していくのが確定的な業界というのは得てしてそんなもんなのかもだけど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?