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使い切る暮らしのなかで気づいた利点と欠点

最近我が家のボディソープがなくなり、久しぶりに石鹸を使って体を洗う暮らしをしています。
というのも、実家から大量の石鹸が発掘されただけでなく(その数大きいものだけで30~40個!)、旅行に行った時にもらったアメニティの小さい石鹸も我が家にはたくさん存在するからです。アメニティについては、使い切る暮らしを始める前は「次に旅行に行く時用に!」ときれいに保管し、数年後に旅行に行くときにはすっかり存在を忘れているか、そもそもホテルについてるから要らないでしょ、と持っていかず、はたまた使いたい時にはいつの物かわからず使う気が失せている…こんな状態でした。中身が固まっていたため、なくなく捨てたものも数知れず…。なので、液体のアメニティについては、定期的に使う方向とし、現在ストックは各1~2個ほどの状態になっています。ただ、固形の石鹸については普段使わないこともあり、今までなかなか食指が伸びず仕舞い。従前使用していたボディソープの使い切りと液体アメニティの減少により、ようやく日の目を見ることになったのでした。

固形石鹸についてですが、思っていたよりも泡立ちが良いこと、石鹸置きの手入れが簡単なことから、今のところほとんどストレスもなく、使用できています。昨年末に購入し、洗面所の手洗い用に使っていた石鹸置きを浴室用にも兼用しているのですが、そのデザインが好みすぎて、それも石鹸を使いたくなる理由かも。肌にも優しいし、コスパもいい…固形石鹸、意外といい!

前置きが長くなりましたが、今回は使い切る暮らしを日々続ける中で感じた利点と欠点について綴っていこうと思います。

1 使い切る暮らしの利点

① 使い切った時の達成感、スッキリ感
使い切る暮らしの利点は、なんといっても物を最後まで使い切ることで  感じる達成感と余計な出費の減少、これに尽きると思います。どんな物でも使い切るまでに一定期間はかかるため、その間は目にする機会が増え、自ずと愛着のようなものが出てきます。最後まで使い切った時に感じる、物を大切に使ったという充足感、使い切ったというある種の達成感、もうその物はないのだという一抹の寂しさは、一度経験するとやみつきになります。特に大人になってからは明確に何かを達成するという機会は減るので、時たま使い切ることで感じる達成感は思った以上に気持ちいいですし、1つのことをやり遂げた自分が誇らしく感じ、自己肯定感も上がる気がします。ボールペンを1本使い切るだけでもいいので、気になった人はぜひやってみてください!

② 余計な出費が減らせる     
また、何かを消耗した際に、買い物に行く前に一度家にストックがないか見ておくだけでも意外と出費を抑えられますし、家にある物で代用できないかという視点が身につくだけで節約になります。現代は〇〇用と用途が限定された商品が溢れており、非常に便利なのですが、記載された用途に限られることなく使えないか試してみることで幅は広がります。不安ならネットで検索して使えるか検討してみても良いかもしれません。ただ何でもかんでも節約のため兼用するということにすると、ストレスもたまるので自分の性格や使用頻度に合わせて検討してみるといいでしょう。

③ 買い物に自分なりの軸ができる、失敗しにくくなる
さらに、使い切る過程でその物に感じた何らかの使いづらさや不満、あるいは優れている点などを言語化しておくことで、自分がその商品に求めていること、求めていないことがわかります。この商品は安くてもいいから使えればいいのか、最低限こういう機能だけは欲しいのか、少し高くなってもいいからこの機能がないと買ってすぐ買い替えを検討にする羽目になるだろう…等々、自分の中で少しずつ基軸のようなものが出来てくると買い物は失敗しにくくなります。物との対話を通して、自分がどういう人間なのかわかってくることも多いので、単なる出費の節約だけでは得られないメリットがあります。ちなみに、(特定の商品の使い切りではありませんが…)使い切る暮らしを始めてから私は水回りの掃除が非常に苦手なことに気づき、逆に水回りの掃除は毎週末にスプレーをかけて放置するだけ、排水溝の髪の毛は毎回お風呂から出るときに取ることにしたところ、水回りをきれいに保てるようになりました。浴槽をこするタイプよりは少し値が張りますが、数十円の違いでこすらなくて済むのであればそちらの商品を買いますし、逆に自分が重視しない物であれば100均でも構いません。もう少し早く気づけば今よりもっとお金がたまっていたかも…。

④ リバウンドしにくい
最後に、メリットとして「リバウンドしにくい」ことが挙げられます。通常の断捨離だと最初に1度大きく物を減らし、物を収納して終わりのため、物がない状態に欠乏感を感じて、空いたスペースを別のもので埋めようとするなどリバウンドのようなものが生じることがあります。そこまででなくても、状態の大きな変化にはストレスが生じます。使い切る暮らしであれば、最後まで使い切ってから捨てるため、大幅な状態の変化は生じず、気が付くと物が減っているためストレスは生じにくいです。また、使い切る暮らしを続ける中で自ずとそういう生活が習慣になっており、物を吟味せず買うなどリバウンドすることも減るはずです。そういう意味でリバウンドのしにくさはメリットの1つであると考えます。

2 使い切る暮らしの欠点

ここまで使い切る暮らしの利点を挙げていきましたが、もちろん欠点も存在します。

① スピードが遅い、効果を実感するまで時間がかかる
使い切る暮らしは、主に消耗品についていま家にあるもので満足し、使い切るまでは新たなものを買わないことが基本となります。使い切る物によって消費するペースは様々ではあるものの、基本的にそんなにすぐに使い切ることができるケースは多くはなく、1つの使い切りに一定期間はかかります。消耗品は小さいものが多い傾向にあり、1つ使い切ったからといって目に見える変化がすぐに生じるわけではありません。そのため、効果を実感する前にやめてしまう可能性があるのが欠点といえると思います。

② 明確に消費期限のあるものには適さない
 食料品のように目に見える消費期限があるものだけでなく、化粧品や薬など肌につける物・体内に入れる物についてはもったいないからといって無理に使用するとトラブルのもとになる可能性があります。期限が切れたらすぐに捨てろとまでは言いませんが、期限から一定期間が過ぎても使い切れなかった物についてはありがとう、という気持ちをもって処分するのが良いかと思います。その際は使い切れなかった理由を考え、次の買い物に活かすのが物を大切にすることにもつながります(例:頻度の割には薬の内容量が多かった→1個当たりの値段が多少割高になっても内容量の少ないものを買う)。

③ 買い物に当たって吟味しすぎてしまう
 使い切る暮らしが継続してくると、買い物の際にその物をきちんと使い切れるか吟味するあまり、新しいものを買う際に時間がかかってしまったり、慎重になりすぎてしまう人もいるかもしれません。自分が求めることを完璧に満たす商品は世の中に存在することは稀です。あまり神経質になりすぎず、自分が最低限、その物に求める機能、価格、デザイン等を満たしているか、最後まで使い切ることができるといえるかで判断すればよいかと思います。そのバランスは言葉では説明しにくいので、個々人で判断して頂ければと思いますが、目安としては片付けの際にこのスペースには何を置くというのをきちんと決めておいて、そのスペースからはみ出る場合はいまある物か新しく購入しようとしている物どちらかを諦めなければならないといった場合にどちらを優先させたいかで考えるべきだと思います。または、消耗品についてはストックは何個までとあらかじめ決めておくのもよいでしょう。

3 おわりに

結局、物事はバランスです。家にある全ての物について使い切るまで次を買わないとやっていては、空間自体も停滞してしまいます。趣味嗜好もその時々の年齢やライフスタイルによって変わってくるでしょう。それまで自分のお気に入りの空間が作れないとなると結局いつまで経っても自分の満足する生活はできません。

私の考える使い切る暮らしの目的は、物を大切にしながらも自分の心地よい空間を作ることにあります。そのためには、片付けの段階で今の自分が確実にこれからも使うことはないと考えたものは処分してしまうのがよいでしょう。処分の方法は色々ありますが、どんな処分をするにせよ「なぜこれは今の自分に必要がないのか」「なぜ今まで処分できなかったのか」を真摯に考える時間を持つことは重要です。おそらく自分が満足するまで使い切ることができた物であれば心置きなく処分することが出来ていると思われるので、思い出品は除き、今まで取っておいた物で使わなかった物は自分が満足に使ってあげられなかった後悔があるのだと思います。次の買い物の際にはそのような後悔をできる限り減らすため、上記のようなことを一度心に問うてみて、その経験をこれからに生かす。その物が自分の下に来てくれた意味を与えるという意味で、それはそれで立派な使い切りになるのかなあと思っています。

他方で、消耗品のようにまだ使えるし、捨てるのには忍びないといった物に関しては文字通り活用し、最後まで使うことが一番の使い切りになるのかなと考えています。なかなか変わらない現状に飽きてくるときもあるかと思いますが、そういう時はいまある別の物と交互に使うなどして気分を変えてみるといいと思います(例:シャンプー)。ひとつ使い切るとその気持ちよさから、きっと、次も…という気持ちになると思います。

使い切る暮らしは、人によって合う合わないはあるかと思います。ただ、少なくとも私にとっては物を大切にしようと思いながらも出来ていなかった自分に対して感じていたある種の失望のようなものが減ったこと、ひとつひとつの物に向き合うことで自分を知る機会が出来たこと、毎日の生活がほんの少し素敵なものになったこと等々、いろいろなメリットがありました。

この記事を読んで、少しでも興味を持った人が居れば、まずひとつこれと決めて使い切ってみてください。そこから今よりちょっと素敵な毎日が始まるかもしれません。


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