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イギリス大学院の授業予習復習

イギリス大学院での授業や課題について紹介します。
日本育ちの私にとって、海外大学院への進学は大きな挑戦でした。そんな方の参考になれば嬉しいです。

授業(モジュール)の決め方

私の大学院では、3つの必修と3つの選択モジュールからなる、6つのモジュールを、2つのセメスターの間に取るというシステムでした。
参考までに私の所属コース必修と選択していたコースはこちら。

【1st semester】
・Climate change and Development
  (気候変動と開発)
・Rural Livelihood and Agrarian Change
  (農村生活と農業変化)
・Research technique and Analysis
 (調査技法と分析)
【2nd semester】
• Rural Policies and Politics
 (村落政策と政治)
• Globalised Agriculture and Food System
 (グローバル農業と食料システム)
• Media and Development in Practice
 (開発メディア学実践)


1年(2つの学期)で6つのモジュールというと、少ないイメージを持たれるかもしれませんが、
ひとつのモジュールにつき、講義・ゼミ・(ワークショップやフィールどワーク) がある為、少なくとも週に2回x2時間くらいの授業を受けることになります。(+その予習・復習があります)
選択モジュールについては、必修と被っている授業は選択が出来ませんが、基本的に自由に取ることができるはずです。選ぶポイントとしては、
・秋学期と春学期で同じようなものを選ぶ
メイン教育開発 x サブでメディアと開発。など、組合せで専門性が高まります。
ex) 私の場合、メインは農村開発なので、サブで環境系のものを考えました。

・課題の提出時期が被らないようにする
エッセイ課題がほとんどなので、同じ日や数日後の提出となると、精神的にも体力的にもきつくなります、コース説明会や担当教授への確認を通して、課題の内容、締め切り、(+エッセイ課題が主なので文字数や書けそうなテーマかどうか)を確認するのをおすすめします。
・講義が同じ曜日や連続した時間帯ものは避ける
集中力が続かず、予習・復習も疎かになります。
朝→図書館で予習(予め提示されたテーマの論文を読んで授業のパワーポイントをさらっと読んでおく)
お昼→学校内でお弁当
午後1時〜3時→授業
夕方→復習、課題

というような一日を過ごしていました!

成績が付くモジュールの選択はとても迷いました...
「取りたいと思ってたのに必修科目と時間割が被ってしまった...」という場合は、気になるテーマだけの聴講も出来るので、そういった方法も検討してみてください!

イギリスの成績評価基準

・匿名での評価
イギリスでは(少なくとも私の留学先では)、
基本的に課題をチェックする先生は生徒の名前を知ることができないようになっており、モジュール担当の教授(通常2-3名)が評価基準に沿って得点をつけていました。
・授業選択の際に、成績が付く課題(エッセイ・テスト・プレゼン)の内容と点数の基準を確認することができます。エッセイは期日までに提出すれば、5時間で完成しても、30時間で完成してもOKですが、テストやプレゼンは、その場で行わなければならないので、語学力に自信が無い人はエッセイの方が気持ちが楽かもしれません。

課題を提出する/テストやプレゼンを行うと、1ヶ月後くらいにフィードバックが返ってきて(どの項目が何点でそれは何故なのか記述されているシートが付いてくる) 、各項目で何が評価を下げたのか、どうやったらもっと良くなるかを丁寧に記述してくれていたり、良いところは、ここは良いと褒めてくれます。

個人的には、日本の大学での経験と比べると、「匿名評価で、フィードバックがきちんとある、褒めてくれる、どうしたら良いのか教えてくれる」がイギリスの好きな所でした!
(日本では、ただ「はい、何点だからGPA(優良可)です。」って言われても、良くわからなかった...)

講義・ゼミ前の予習

私は、大学院では主にipad+ipad pencilを使っていました。
日本で購入して行きましたが、イギリスでも買えます。
たくさんのおすすめアプリ紹介がありますが、
「Good Note」というアプリに、論文・授業のレジュメを入れて、メモ・管理していました。印刷代・ノートが高い、PCだと読みにくい、ペンを使って書きたい、という方にはipadがおすすめです。小さいもの(前の機種)でも十分なのでぜひ。

講義やゼミの前にすることは、
・モジュールのシラバスでトピックを確認する
・指定された事前に読む論文をダウンロードしてipadへ入れる(youtubeでipad勉強活用法がたくさん紹介されています)
・論文を、まとめ(summary)→結論だけをまず読み、必要があれば他の章も確認して、不明な単語、疑問点、キーポイントをチェックし、この論文に対する自分のコメントをメモしておく(全部読んでたら終わりません!笑)
・事前に共有されているレジュメ・pptをダウンロードしてipadに入れる(ポータルサイトからダウンロードする形でした)
・レジュメを一通り確認する
をしていました。
特に自分の意見を出しておくのは、授業中・ゼミ中に発言を求められた時の準備にもなるので良かったです。
例えば、「xxページのここに〜と書いてあるが、他の論文ではこういっていた」「著者はこういっているが、私が過去にみたものはこう違った」「日本では〜〜〜である」など、簡単なことでもブレストしておきます。
発言できることで、吸収も増えます。
そして友人たちも私のことを覚えてくれて、「面白い視点だね!」と意見を引用してくれたり、「この点で何か意見ない?」と話を振ってくれたりしました!

講義・ゼミ後の復習

授業後は、ipadのレジュメにメモした内容をgoogle docs (word)に簡単にまとめていました。教授の小ネタなどは飛ばして、キーポイントだけを書きました。2時間の授業をまとめるとなると、割と時間がかかります。
特に、セメスターの最後に筆記テストがある授業・このテーマでエッセイを書きたいと思っている回の講義・必修科目で春学期の後に総まとめテスト(私は3時間で3つのエッセイを書くテストでした)がある授業は必ずやる、など全部を吸収しようとしなくて大丈夫です。
キーとなる論文や著者・主張などをまとめておくことで、その後思い出しやすくなります。

テスト前の準備

テスト前は、これまでまとめたノートや講義のレジュメを見返しました。
また過去問を解いたり(教授たちがテスト説明会を開いて、過去問をくれました)、友人たちと問題を出し合うなどしました。
ここでも、評価基準は何か、どうしたら点が増えるか/引かれないかを確認することをおすすめします。

課題について

課題は主に、
・エッセイ
・プレゼンテーション
・テスト
に分けられます。私の大学院では、秋学期は基礎が多く、エッセイや暗記系のテストでの成績評価が多く、春学期は自身で調べ意見を持って発表するプレゼンテーションとエッセイの組み合わせが多いイメージでした。

エッセイはいくつかトピックが与えられ、描きたいテーマを選択して2,500-4,000字程度で書きます。

プレゼンテーションは、コースメイトとグループをつくって2ー4人でテーマに沿って調べるなどして、15ー30分程度の発表をして、評価がつきました。誰とペアになるかがとても重要だと思います。決して、ネイティブと一緒だからいい成績が貰えるという訳ではなかったです。エッセイも然り。

テストは1時間程で記述式が多いようでした。割と日本の暗記系に近いけれど、単語ではなく、意味や背景を理解した上で、文章にして答えるイメージです。文法やスペルミスを気にしすぎず、分かっていることは全て書け、こっちも頑張って解読する、と言われました。笑
事前に友人達と勉強会を開くことをおすすめします。お互い問題を出し合ったり、答えを見せ解説し合ったりしたことで、理解力が深まりました!

サポートを使おう

・大学内のstudent support centre
・友人にエッセイを読んでコメントをもらう
など、サポーターを増やしていくこともとても 重要です。
student support centre は、課題だけでなく、メンタル面でのサポートなどもあり、予約を取ると無料で1時間ほど1対1で面談をしてくれます。
さまざまな学部の生徒をみているので専攻の教授のような専門性はありませんが、
・エッセイの書き方(構成など)のチェック、アドバイス
・教授との連絡やコースについての相談 など、
とても丁寧で手厚いサポート制度がありました。大学院の課題が決まったら、一度早めに行ってみることをお勧めします。公平性を保つために週1以上は予約できない、とのことでしたが、普段の課題から修士論文まで、たくさんお世話になりました。

また、友人の客観的なアドバイス、ネイティブの友人によるチェックも言語面だけでなく、イギリスでの成績の取り方にとても役立ちました。
(たくさんの時間を私に使ってくれた友人たちには感謝感謝です....)

おまけ

・専攻の概論や必読論文は日本語で 事前に読んでおくのもおすすめです。
日本語での概論を数冊読んでいたのですが、
イギリスと異なった論点だったのは、開発学・社会科学の面白い点だと思いました。開発学の場合、ロバートチェンバースなどは、日本語の本を持って行ったり、pdfやkindle版などを駆使することで、理解が深まります。

・大学院での生活だけでなく課題についても、たくさんリサーチ(検索)をして参考にさせて頂きました。
slide shareはいい情報たくさんのってますので有効活用してください。https://www.slideshare.net/iTooooooooooooT/itolab-how-to-survey-2017

長くなりましたが、これから大学院の方に参考になれば嬉しいです!

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