#どーゆーなりゆきで建築に

たまごが食べられない設備屋のたまご、mioです。
皆さま、たまごの記事へのご訪問ありがとうございます。

ウロウロと皆さまの記事を拝見していたところ、ナミ構造設計様の企画に辿り着きました。それがこちら。

たまごが参加など大変恐れ多いわけですが、病院勤めが建設業に転職した経緯を残すために企画に参加させていただきたく失礼致します。そして、こんな素敵な企画をありがとうございます。

元々は社会福祉士。

当時の仕事

元々は社会福祉士として急性期病院に勤めていました。
急性期病院とは、〇〇大学付属病院と呼ばれるような、いわゆる”大きな病院”です。

所属部署は一応事務。そう入っても総務や会計、医療事務という一般的にイメージされる”事務”ではありません。仕事内容はこんな感じ。

  • 院内苦情対応

  • 社会福祉制度の説明

  • 治療費支払い相談

  • 入院患者さんの退院支援

全ての入院患者さんが、元気いっぱい今まで通りに回復して退院できるわけではありません。中には杖や車椅子が必要になったり、自宅から入院された方が施設へ退院していかれたり様々です。

私は、今まで通りの生活が難しい方の退院準備を主に担当してきました。主な担当診療科は脳神経外科、整形外科、呼吸器内科でした。

俺、リフォームして車椅子でも家帰るけん。

とある病気で車椅子生活になりそうな方がいらっしゃいました。
“施設......かな”周りのスタッフがそう思っていた時、ご本人から一言。

「俺、リフォームして車椅子でも家帰るけん。」

その後リハビリ専門の病院に転院して、たっぷりリハビリをしている間にご自宅をリフォーム。車椅子が必要な生活になったものの、念願の自宅退院を果たしました。

車椅子が必要になると施設を希望される方が多く、車椅子→施設という考え方になりがちになっていた私は、目が覚めました。恥ずかしさより、新鮮さが勝っていたような気がします。フクロウのようにほおほお言っておりました。

病院勤め、コロナでギブアップ。

コロナ前に病院に入職して、2021年に退職。
コロナ禍の病院で様々な経験をしました。院内クラスター、コロナ患者の入退院調整、院内クラスター時の近隣地域や関係機関からの苦情対応や誹謗中傷。

通勤車両につけていた病院の職員証(義務のシール)から車に傷をつけられたことがきっかけで病院を退職。再就職先は医療福祉業界以外にしようと決めました。

何をしよう。そう思った時に思い出したのが「俺、リフォームして車椅子でも家帰るけん」という言葉。あの言葉に導かれるようにして建設業の門を叩きました。

建築設備設計×脳血管疾患

建設業界初仕事

建築、デザイン系の学歴や経験がない20代後半の人間を拾ってくれたのがリノベーションや賃貸物件の管理を行う会社でした。当然ではありますが、いろんな会社で門前払いを喰らい、この会社に出会った時には病院退職から1年が経過していました。

雇用形態は、フルタイムのパート。入社した会社では施工物件のInstagram配信、営業さんの資料や請求書作成などをやりました。でも気付いてしまいました。

“大変だ・・・意匠設計は向いていないかもしれない・・・ !!”

大変なことに気付いてしまいました。私が思っていたよりデザイン要素が強く、会話も抽象的で話についていけないのです。

「もっと優しい色を使って」と言われてパステルカラーを使ってみたら、「優しい色って言われたらパステルカラー使っておけば良いって思ってるでしょ!」と言われる始末。シャープ何番って言ってもらえたら早いんですけどね、なんて冗談でも言えませんでした。

血管がダメになれば人は死ぬ。

参ったなあと頭を悩ませていた時、とある資料の叩き台の作成を依頼されました。建築の3分野について、つまり、意匠設計、構造設計、設備設計についてを説明する資料を作るということです。

その頃、こんなことを言う職人さんに出会いました。

「人に例えたら、意匠は見た目、構造は骨、設備は血管。」

構造設計と設備設計の資料作らないといけないと言う私に、その職人さんは、「見た目が良くても骨が丈夫でも血管がダメになれば人は死ぬやろ?」と言うのです。

頭の血管が詰まれば脳梗塞、破れたら脳出血。病院時代に脳血管疾患の患者さんを担当していた私は、血管の病気で亡くなる方をたくさん見てきました。そこがリンクして、ちょっとゾクっとしたわけです。設備設計って面白そうやと。不謹慎な表現ですみません。

やっと見つけた設備設計事務所に猛攻

当時在籍していた会社では設備設計はやらないので、やりたいのであれば他の会社を探す必要がありました。でも無いのです。見つからない。意匠設計の会社と同じくらいの数があるつもりで求人を探すも全く出てこない。

やっとの思いで見つけた会社で面接をして頂いたところ、地元の業界事情が見えてきました。個人でやっている方が多く、会社としてやっているのは市内で数件とのこと。簡単に見つかるわけがありません。まして求人なら会社が少ないのだから尚更です。

「経験もない、建築系の学歴もない。でも死ぬ気で勉強できる自信だけはあります。会社が少ないからチャンスが少ない、どうしても設備をやりたいから何とか入れてください。」

何の自己PRにもなっておりませんが、見えた扉をガンガン叩きまくり何とか採用していただきました。よく採用してもらえたと思います。リノベーションの会社を退職して、2023年4月、設備設計事務所に入社しました。設計部配属です。機械設備専門。

意匠設計ほどのセンスは求められません。床下配管の色を「もっと優しい色で」と言ってくる方はいません。入社から半年が経過しましたが、建物は好き、でも美的センスは皆無。そんな私に合っている気がします。


先輩方がどーゆーなりゆきで意匠・構造・設備を選ばれたのか気になるこの頃でございます。もし、もし、よろしければぜひ教えてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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