035.詩|愛(というコトバ)なき世界
片想いが叶って両想いになることがよきことだと信じられるくらい、世界が単純だった頃にはもう戻れない。正直いって、初めてキスした人と結婚するんだって思っていたのだからあの頃の自分ときたら。自分の純粋さは一生損なわれることはなく、美しい世界で生きるのだと無邪気に信じていたあの頃。
今となってはなにが正しいとか間違っているとかもはやわからないというか、人の数だけ存在しているということがわかってきて、冷めたような目つきでいつでもデジタルの画面だけを見ている。
外に出たら信じられない