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Cafe Carpe diem•••eigaとongaku 8.



小さな海辺の町にある、カフェ・カルペディエムへ、ようこそ・・・。



ギドン•クレメール
“Hommage A  Piazzolla”


 アルゼンチン•タンコと言えば、思い出すのが、あのアストル•ピアソラですが、実は、若い頃は、クラッシックを勉強していて、パリにも、作曲を学ぶ為に留学していたようです。


 また、ニューヨークに住んでいた時期があり、ジャズ•シーンでも評価されていたことで、一時は、アルゼンチンタンゴ界から、外されていたこともあります。


 意外ですが、アルゼンチンタンゴでありながら、クラッシックやジャスの要素があり、また、現在でも依然と世界的に人気を博しているのは、独特の旋律に人を感傷へと誘う、哀愁を醸しているところにあるのかも知れません。


 私が、このアルバムに出会った頃は、丁度、ライフ•クライシスの最中で、明日からどうやって生きていったらいいのか、誰を信じて、何をして生きていけばいいのか、途方に暮れていた時でした。


 まるで、その不安定な心を知っている様な、また、一層その傷口を引っ掻く様な、不安定かつ繊細な、ギドン•クレメールのバイオリンの音と、切ないくらいに美しい旋律に、逆に私は、慰められました。


 此れは、学生時代に心理学の先生から聞いた話ですが、悲しい時は、悲しい音楽を聴いた方が、心が楽になるそうなのです。


 半信半疑でしたが、なるほど、どっぷりと悲しみにつかる方が、いっそ潔く、気持ちよく、かえって立ち直りが早いのかも知れません。


 さて、この、アルゼンチンタンゴは、アルゼンチンとヨーロッパの国によっては、あまりに、人々が、この音楽と踊りに熱中するので、一時期、禁止令が出されていた事があった程、世界中がこの音楽に熱狂し、其々の国で物議を醸した時代があった様です。


 感傷に浸りたい秋には、ぴったりの曲ばかりですが、特に、"Mironga en re"ミロンガ・アン・レと、”Obulibion"オブリビオンの、旋律は、心に残ります。 


 知らなかったのですが、此の曲は、「ヘンリー四世」という、マルチェロ・マストロヤンニ主演の映画のテーマとして作曲された曲のようです。
オブリビオンとは、忘却という意味ですが、歌詞もあり、フランスの歌手が歌っています。

 

 私が、寝る前によく聴いているは、"Valsisimo"ヴァルシシモです。
ゆったりとしていて、演奏者のセンスで、自在にテンポが変わるのを楽しんでいるうちに眠くなります。

眠れぬ夜に、幾つかのお勧めしたい曲の中の一つです。


 バイオリニストの、ギドンクレメールは、ラトビア出身のヴァイオリニストで、当時ソビエト連邦だったラトビアから、ドイツに亡命後は、若い演奏家の育成・発掘にも尽力していますが、多彩に活躍しているバイオリニストの一人です。


 実は、このCDが私の手元にあるのは、当時、私が所有していたCDを貸して欲しい、その代わりに、人質(CD質?)として、三枚のCDと交換してくれといった人がいて、そのうち、其の方は忘れられたのか、どうしても私のCDが欲しかったのか、CDは返ってきませんでしたが、他の二枚のCDと共に、このCDが、私の手元に残りました。
 お貸ししたのは、どのCDかは、忘れましたが、おそらく、私にとっては、名盤だったと思います。


 此の頃、預かるから、と言って、販売した人に預けていたマホガニーの家具を返してもらえなかったり、預けていた絵画を返してもらえなかったり、散々な目に遭っていましたので、人は弱っている人を見ると、この人までもか・・・と、思うくらい、人は見た目では判断できない、非道な事をするものだという事を知りました。


 ですが、私のもう一つの記事、”覚醒するは・・・汝にあり!”のテーマの逆で、”復讐するは、我にあり”という旧約聖書の、ローマ人への手紙、にあるように、其のことは、神様に任せましょう。


 次第に秋が深まっていくにつれて、色々な思いが、心に去来すると思いますが、
ひと時を、センチメンタルに、ロマンティックに、あるいはドラマティックな思いに浸りながら、次第に癒されていく心地よさを、此の”ピアソラ・オマージュ”を聴きながら、感じてみましょう。


 本日も、お越し頂き、有難う御座いました。
またのお越しを、お待ち申し上げております。


 それでは、また•••”a bientot!”
                 Mio


                  








 

 






 




 

 




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