よゆう
たまにはガールズトークでもしましょうか。
先月、大学時代の友人(相棒)とライブに行った。
久々だから話したいし、旅行のお土産も渡したかったので、開場1時間前に近くのクレープ屋さんで待ち合わせ。
会ってすぐに近況報告(という名の恋愛話)が聞きたいと言われた。
普段は全く恋バナしないけど「澪ちゃんの恋愛事情おもしろすぎて毎回会うの楽しみ」と嬉しいこと言ってくれるので、相棒にだけ話しちゃう。余裕のある聞き上手な大人との談笑は心地良い。
相棒には大学時代から付き合ってる彼氏がいる。私も近況報告(という名の惚気)を聞くのが大好き。
でも今回は違った。
「私、負けず嫌いなんだよね。」
余裕のある聞き上手なはずの彼女は呟いた。
「彼とボードゲームして遊んでたんだけど、4連敗してムキになっちゃって『もうやりたくない!やらない!』って拗ねちゃったの。」
なんだ、かわいいじゃん。
「彼くん、ひょっとしたらカッコいいところ見せたかったんじゃない?頭脳派なデキる男アピール。4試合も付き合ってあげた相棒ちゃんえらいよ。」
楽しく遊んでたのに、彼女がいきなり爆発したら彼くんも驚いちゃうよね。3戦目あたりで「飽きてきちゃったから別のゲームもしよ(ニコッ)」って伝えるのが最適解だったと思う。
...なんて、彼氏すらいない私が言えるはずもなく。
「んーーそうかなぁ?余裕のある大人になりたいね。」
相棒はあっという間にクレープを食べ終え、包み紙を折りたたみながら言った。
私が考える余裕は、ゲームにわざと負ける大人。例えば、子どもとババ抜きしててカードがわざとらしく一枚出ていたら、それをあえて引いてあげるような。そして「あー引いちゃった。」という表情を浮かべてクスッと微笑む。でも、相手が大人だったら真剣に勝負しないと逆に失礼な気もするし。難しいな。
とりあえず私たちは東京ドームに向かった。
先月、余裕がなかった。スケジュール帳を開くと、まるで旅行から帰ってきたときのスーツケースのようにパンパンに予定が詰め込まれていた。
知らず知らずのうちにせかせかしたオーラが出てたんだと思う。「最近忙しい?」ってよく聞かれた。忙しいのは好きだけど「忙しい」と口に出すのは好きじゃない。この言葉には「今は話しかけないで」と結界を張る力があるから。代わりに「やりたいことがたくさんあるの〜」と言うようにした。
暇を悪だと思ってしまうのは現代人の悪い癖だよね。哲学者のバートランド・ラッセルいわく、暇を有意義に潰すためにはある程度の教養が必要なんだそう。スポーツをするにしても、楽器を演奏するにしても、基礎的なことを知らないと楽しめない。
暇人=有能な人 だと断言はできないけど、多忙に見られるのは避けたい。でも、収納ボックスにゆとりがあったら物を詰めたくなるように、予定もつい入れたくなっちゃう。難しいな。
とりあえず来月のスケジュールは白紙なので有言実行ですね。
私は滅多に雑誌を読まない。なぜなら、エディトリアルデザインが気になって内容が入ってこないから。「ここの余白の空け方ちょっと変だな」とか「写真と文字のバランスが悪くて窮屈だな」とか。職業病だね。
でも、美容院でカラーやパーマしてる間は暇すぎるので読む。ファッションとメイクのページをすっ飛ばして、写真がない恋愛コラムと占いのページを開く。偏見かもしれないけど、たいてい「隙のある、ちょっと抜けてる女性が良い」みたいなことが書かれてる。
「LINE送るときは漢字よりひらがなのほうがやわらかい印象になる」って、そうなの?タイポグラフィの授業ちゃんと受けてたけど初耳だよ。漢字は画数が多くて詰まってるから堅くて真面目な人に見られるのかな。そんな小手先のテクニック私の性には合わないわ〜とか思いつつ、今回のタイトルお気づきでしょうか?
隙のある、ちょっと抜けてる女性とは??
「私は泣いたことがない〜」とあれだけ頑なに言っていたのに、本当の恋をしたらガードが緩んでほろっと涙をこぼしてしまう。そういう女性を指すのかしら。同性の私まで惚れちゃうよ、明菜ちゃん...!
抜けてる人=余裕のある人 だとは思わないけど、隙がある人ってどうしてこんなにも魅力的なんだろう。普段から誤字脱字の多い人がひらがな乱用しても意味がないのはわかってる。難しいな。
とりあえずメッセージも投稿文もきちんと読み返そうと思った。
結局、余裕とは何かわからないままです。
真の余裕のある大人というのは「暇を楽しもう」とか「完璧を目指さない」とか意識せずともできてるんでしょうね。「余裕のある大人になるぞ〜」と意気込んでる時点で、たぶん余裕ない。自然体が一番なのかも。
男性はこういう結論がないダラダラした雑談が苦手とか例のコラムに書いてあったけど、これはガールズトークだから。許してほしい。
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