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日本人が守るべきこと。

ブランド名で服を着ている子が
多かった年頃のあの時代に、
リョーコさん(仮名)は本当に
自分に「似合う」服を着ていました。


よく着ていたのは、花柄。
花柄ってね、難しいんです。
意外とデザインで安っぽいか高級か、
すぐに分かってしまいます。


リョーコさんは
見るからに美しい、
手の込んで描かれた
花柄を着ていました。

後で聞いたら私も好きな
ローラアシュレイやリバティ、
ウィリアム・モリスのものも
よくあったので、
単に趣味が同じだったのかも
しれませんが。


リョーコさんは一浪していたので
当時、20歳だったでしょうか。
私が彼女の服を褒めたら
こう言いました。


「みおいちちゃんの服も
 いつもとても素敵!
 初めて会った時に着ていた
 あのジャケット、
 すごく手の込んだ作りで
 本当に大好き!」

そのジャケットは
母の若い頃のものを
譲り受けた品物で、
赤が基調でゴールドのボタンが
ついていました。


母は呉服屋の育ちなので
洋服も良い仕事のものしか
着ない人です。


ああ、リョーコさんは
20歳にして
目が肥えているんだ、と思いました。


リョーコさんとは英語の授業が
同じだったのですが、
初日の授業の自己紹介で
私は度肝を抜かれました。

「先生の本は
 もう何冊も拝読していて
 ずっと憧れていました。

 先生の授業を受けることが
 出来るなんて光栄です」


リョーコさんも、私も
社会福祉学科です。

学科内の教授ならともかく
第一外国語の教授に
精通している、ハタチ。

何て学のある人だろう!


熱心に学ぶ学生が多い
この大学で
私は友達がたくさん出来ましたが、
一番好きだったのは
リョーコさんでした。


「自分」という芯が
ビシッと一本
通っている人でした。


彼女はよく
自分で撮った写真に
マジックで字を書いて
私にくれました。


達筆で、
書き殴ったような感じでも
美しいアートでした。


写真は素人には見えない腕前で、
暖かく優しく
かつ個性の溢れたものでした。

こんな人がいるのか!と感激し、
褒めたらこんなことを
言っていました。


「写真の腕を磨きたくて、
 毎日必ず撮ってるの」

リョーコさんは4年間、
そのことば通り
毎日欠かさず写真を撮り続けました。


卒業後、やがて彼女は
同級生の金子くん(仮名)と結婚して
鳥取の梨農家を継ぐことになりました。


私は、とても心配しました。


リョーコさんは
東京産まれ、東京育ちの
お嬢様です。


買い物も大好きな
便利が当たり前の人です。


大丈夫なんだろうか。


リョーコさんは鳥取移住直後に
梨農家のブログを
始めました。


美しい、リョーコさんならではの
芸術性の高い
心が洗われるような
幸せな写真をいっぱい載せて。


梨や、鳥取の自然や
飼っているヤギ、
産まれた3人のお子さん、
家に作った
イングリッシュガーデンの
色とりどりの花の、写真。


それは、美しくて透明で
心に響く、販促でした。


農家のファンはあっという間に増え
梨も毎年順調に売れていました。


梨を贈る箱も
自分でデザインして。


ああ、リョーコさんの能力は、
高い芸術性は、
全てこのため、
この未来のためにあったんだ。


そう納得しました。


私が特に好きだったのは
あたご梨です。


赤ちゃんの頭ほどの
大きい梨で
みずみずしく、甘いのです。


小さい子にあげると
とても喜ぶので、
私は当時まだ小さかった
7人の甥や姪の家に
せっせと送り続けました。


梨のジャムも美味しかったな。
瓶の蓋にかけられた布が
彼女のお眼鏡に叶った
上品なハギレなのです。



残念ながらリョーコさんの
梨農家の梨は
もうなくなってしまいました。


梨は農薬をたくさん使わないと
出来ないそうです。


それでも毎年減農薬で
頑張って作っていたのですが、
完全無農薬の梨を作ろうと
奮闘した結果、
梨の木がダメになってしまったそうです。


周りからの批判もあったでしょう。
勇気もたくさん必要だったでしょう。


それでも、難しいことに
挑戦してみた旦那様とリョーコさんを、
私は誇りに思います。



今日。


あおきえんさんから
こんなに美しいすももが
届きました。


赤は赤でも
私の好きな、赤の色。
サマーエンジェルというそうです。

あやしもさんの記事を読んで
どうにも食べたくなって
ダンナに色仕掛けで
うふん💕と頼んだところ、
目を合わせずに苦々しく
「買いな」と言うので
遠慮せずに注文したのです。


嫌ね、私の魅力に
照れちゃって、
目も合わせられないだなんて💕


たくさん入ってる‼︎

あまりの誘惑に
チビや旦那が帰って来る前に
内緒でひとつ、パクリ!


あやしもさん家では
麗しく切っていましたが
私は丸のままがぶりつきます。


美味しい‼︎

お世辞じゃないの。
本当に美味しい‼︎

思わず誰もいないのに
「んお〜!」と声が出ました。
たごぴパワーで、美女化しそうです!

※たごぴについては
 あやしもさんの前述の記事をどうぞ。


きっと、たくさん愛情を
かけて育てられたのでしょう。



6歳チビは
帰ってきて一つをおやつに。

夕食後のデザートに
「2つたべる‼︎」と大騒ぎ。
1日で3つも食べました。

すももが入っていたのは
こんな可愛いバッグ。

着物に合いますね。
今度の町内会の
手持ち花火大会に
浴衣で行くので、持って行こう。


チビの相棒を入れてみました。
居心地良さそう。

ちなみにチビは緩衝材を
無心になって
プチ!プチ!とひたすら
やり続けていました。

子どもって
これ、好きですね。



リョーコさん、同じだよ。

愛情が。

こんなに手間ひまかけて
作られているフルーツは
味に愛情が、現れない訳ない。


久しぶりにあの、
段ボールを開けて
中に入った美しい果実を
見たときの感動が、
ひと口食べてみたときの驚きが、
同じだよ。


日本の農家さんを
心から誇りに思います。


たごさん、
こんなに美味しいものを
長い時間かけて
きっと惜しむことなく愛情もかけて
育ててくださって
本当にありがとうございます。


やっぱり被り物をされる方は
心意気が違います🐏


折しも、今日は偶然
one moreさんの
こんな記事を読んだところでした。

日本の農家さんが安心して
お仕事できるように、
私たち日本人が守っていきたいですね。


あおきえんさんの
超絶美女化&イケメン化するかもしれない
激ウマすももは
こちらからどうぞ。


↓こちらは必読です。
ハンカチとティッシュの準備をされてから
お読みください。
未だかつてないほど号泣します。


ありがとうございます!頂いたサポートは美しい日本語啓蒙活動の原動力(くまか薔薇か落雁)に使うかも?しれません。