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ドラクエは人生の縮図

私は何度でも言うが、古参のゲーマーである。

もう世代はバレているので遠慮なく書くが、中学生の時にファミコンが発売されて、それ以来、ゲームは趣味を飛び越えて、ライフワーク……いや、ライフラインである。何かしらゲームをプレイしていないと息が出来なくなり死にます。今、私の息の根を止めたかったら、スマホやPS4、switchを没収すれば良いので簡単です(オイ)

そんな私が唯一ナンバリングを全てプレイしてるゲームは、もはや国民で知らない人がいないと思われる(うちの母ですら名前を知っている)「ドラゴンクエスト」だ。ⅠからⅪまでプレイ済みで、オンラインのⅩもプレイした。ナンバリングに関しては、取りこぼしはない(モンスターズやその他派生は網羅出来ていない)

今朝、youtubeのおススメに上がってきた動画に、俳優の大和田伸也さんのチャンネルがあった。

大和田伸也さんといえば、渋い低音ボイスが素敵な大御所俳優だ。私はあまりドラマを観ない人なので、たまにクイズ番組に出演されているのを観ているくらいだ。

そんな大和田さんの動画が、何故、私のおススメに上がってくるのか? サムネを観て納得した。

大御所俳優が、ドラクエの実況しとるがな……。

大和田さんは76才である。私の母が77才なのでほぼ同級生みたいなものだ。その大和田さんがドラクエを攻略する。そういえば、同じく大御所で更に年上の加山雄三さんも大のゲーマーであり、彼のバイオ攻略を見た時にぶっ飛んだ記憶がある。

今回「ドラクエⅠ」を挑戦するキッカケになったのが、大先輩俳優である今は亡き淡路恵子さんが、大のドラクエ好きで、舞台の合間などに熱心にドラクエをプレイしていたのが印象的だったからとの事。

淡路恵子さんがドラクエ好きというのは、私も聞いた事がある。病室にもドラクエグッズを持ち込んだり、「男は裏切るけれど、ドラクエは裏切らない」という名言を残したり……。この名言にはいいねを100くらい押したい。

ドラクエⅠは、私は元祖であるファミコン版と、スーファミ版、そしてWii版「ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III」でプレイした。

「ドラクエ」シリーズの良い所は、アクションやシューティングなどと違って敵が待ってくれる事。以前、別の記事でも書いたが、どんくさい私は「ドラクエ」に出会っていなかったら、ゲームは「スーパーマリオ」の時点で辞めていたかもしれない。

一応、大和田さんにとって私はドラクエの先輩となる。この動画は、クライマックスのラストの竜王攻略である。先輩として試しに観てみようとなった(偉そう)

思い返してみると、ドラクエⅠは単調だが非常にシビアなシステムだ。まず、仲間がいない。自分で剣や呪文で戦い、HPが減って来たら頃合いを見計らって、自分でホイミもしくはベホイミを、更にはやくそうを使う。

Ⅱからは、サポートしてくれる仲間がいてくれるが、Ⅰの勇者は最初から最後まで孤高の冒険なのだ。その代わり敵も必ず1体のみ。タイマンである。

ドラクエも攻略の仕方には性格が出る。私はちまちま安全な敵で極限までレベル上げをして、ボス攻略の推奨レベルを最低でもプラス5レベル高くないと挑まない。究極のヘタレである。

さて、大和田さん、もとい勇者しんやはどんなドラクエの冒険をするのだろう?と動画を観ていたら、何度も何度も雑魚にやられては、ラダトームの王様の元へ送還される。私は前記した通り安全な敵でレベル上げを沢山するタイプなので、あまり王様のお世話になった事がない。「大和田さーん、もう少し我慢してレベル上げよう、ね?」と画面に向かって諭していた。

しかし、ドラクエのモンスターはそれぞれ特徴がある。例えばラリホーが効きやすいモンスターや逆に全く呪文が効かないモンスターやら。何度も何度も戦いでやられながら試していく内に、段々モンスターの特徴が分かってくる。だから、私のようにやみくもに安全な雑魚とだけ戦ってレベルを上げる戦い方は、弱点を覚えてそこを突いて倒す醍醐味は分からないままだ。大和田さんが、何度も何度もやられながら、その度に学習して奮闘している姿を観て、私は自分がいかにドラクエでつまらない戦い方をしていたかという事に気付いた。

大和田さんは、その魅惑の低音ボイスを生かして、王様のセリフやナレーションを当てていた。セルフアテレコが無駄に上手でめっちゃウケた。そういえば、「キングダムハーツⅡ」でムファサの役をやったり、「クライシス コア ファイナルファンタジーVII」でもホランダー役をしていた。

そんな勇者しんやの冒険を観ているうちに、私は夢中になって応援していた。果敢に毒沼に入っていくのを見れば「ダメ、そこはトラマナしなきゃ! おっと、まだⅠにはトラマナないか」と過去のドラクエ経験が無駄に豊富な故のズレが発生したり、その毒沼で何歩か歩いてホイミする姿に、「つよさでHPを確認しながら進んだ方がいいのに……」とハラハラしたり、「HP」をヘルス(確かに健康状態だから、微妙に間違いとも言い切れない)と読んでいるお茶目さにクスっときたり。せっかくロトのよろいを所持しているのに、まほうのよろいを装備したままなのを見た時に、周りのスタッフさんが教えてあげればいいのにとやっぱりハラハラしたり。

この感覚なんだろうと思ったら、思い当たるのが一個あった。「はじめてのおつかい」だ。

人は「はじめて」の事をする時、みな未熟で、でもひたむきだ。誰でも、最初から上手ではない。

直ぐにやられてしまう→どうすれば倒せるかを考える(回復する、弱点を突く攻撃をする)→それらを実行して一度やられた敵に勝利する

これらは、学生の勉強や社会に出て仕事する時に経験する事だ。壁にぶち当たり、失敗を繰り返しながら、克服する術を学習して成長していく。

動画が進んで、勇者しんやが竜王の罠にハマりながら、三度目の正直で無事に竜王、更には真の竜王を倒してエンディングを迎える事が出来た。

エンディングで何度も話していたのが「達成感が凄い」と。そうだ、大和田さんはあれだけ何度も失敗して、疲労困憊して、挫折しかけて、それでも諦めずにやっと勝ち取ったエンディング。

それを観て、私はある事に気が付いてしまった。

私が足りなかったのは、これだったんだ。

これはゲームに限らず、人生もコテンパンにやられる事に恐れ過ぎて、挑戦する事から逃げ続けてなるべく楽な道を歩んできた。だから、大きな挫折をしない代わりに、成長もしないし達成感も知らない。その結果が今……。

ドラクエの生みの親、堀井雄二さんは「勇者とは諦めない人のこと」と言っていた。スラムダンクの安西先生も「あきらめたらそこで試合終了ですよ」と言っている。つまり、諦める人に真の勝利はもたらされない。「達成感」とは挫折を恐れずに諦めなかった人だけに与えられる栄誉の印なのだ。

ゲームの実況動画を観ていたつもりが、人生の教訓をもらってしまった。この教訓を少しでもこれからの人生に活かさないと……。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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