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4%のあなたに

先日の記事で作品が届く距離について書きました。
今回は、才能の種類について書こうと思います。

人はそれぞれの才能があり、その中には一見すると役に立たなさそうな変な才能もたくさんあります。
無職の才能とか、サボる才能とか、バズらない才能とか。
こういうものも必要とされる時があるというお話を書こうと思います。

なかなか自分の才能については客観視できないものですよね。
私が自分のことをかなり正確に客観視できるようになったのは、ある出来事がきっかけでした。


とあるビジネスアイディアコンテストに応募した時のことです。
問題提起というか、概念というか、アートをビジネスに置き換えたというか……多少難解なビジネスアイディアを応募したのですが、なぜか4次審査を経てファイナルまで残ったのです。

そこで、ラフォーレ原宿のホールで、300人くらい?を前に発表をすることになりました。
ファイナリストは7名だったと思います。

その中に、とても素晴らしいアイディアを出した方がいました。
タイトルも素晴らしい。中身も素晴らしい。
さらにプレゼンもとても面白い!
これはもう叶わないなあと思って、ただただ感嘆してプレゼンを拝見しました。

そして、彼のアイディアは予想通り、観客投票で圧倒的な支持を得て、観客賞を取りました。
納得の結果です。

私はと言えば、審査員である有名な起業家たちみんなに「わからない」「難しくて理解できなかった」と言われる始末。
観客投票は下から2番目だっかな?
確か10%以下しか票が入りませんでした。


イベントが終わり、ロビーを通って楽屋に向かう途中。
私の周りに数名のお客さんが駆け寄ってきました。
「すごく良かったです!」
「こんなにいいのに、なんで優勝しなかったかわかりません」
そんなふうに褒めてくれたみなさんは、みんな私のプレゼンに投票してくれた人たちでした。

箸にも棒にもかからなかった私に、こうやって声をかけてくれる人がいるなんて、とても嬉しい。
そして、しばらくお話をしてお礼を言って離れようとすると、また次の人が声をかけてくれる。他の出場者がロビーから消えた後も、人に囲まれてなかなか楽屋に戻れませんでした。

ああ。わたし、間違ってた。

なんで今まで、みんなに好かれようと思ってたんだろう。
私の作るものを支持する人はとても少ない。だけど深く刺さるんだ。
そんな大事な人たちのことを見ないで、たくさんの人に向けて声を発していたなんて、なんて私は間抜けだったんだろう。

そのときから私は、全ての人に好かれようとすることをやめました。
数少ないであろう、だけど必ずこれを待っている人がいる。そういう人に向けて作品を作り、本を書き、歌を歌い、言葉を紡ぐようになりました。

考えてみたら、子供の時から好きな漫画は打ち切りになるし、クラスの誰も知らない本を読んでいたし、私が好きな歌手はマイナーだったし、好きな映画はヒットしませんでした。
でもそれらの作品が私を助けてくれた。

「ひとりでは歩けなかった日」

もちろん、時代の流れを読んで売れる作品を作る才能は素晴らしい。
だけどわずかな人を癒す作品がなくなったら、世界は均一でつまらないものになってしまう。
そして、評価をもらえなくても続けられる才能だって、大事です。

多分このnoteもほんの少しの人にだけ響くと思うし、それでいい。
私にとって、その人たちは心で繋がれる大切な人たちです。

最近、noteにアクセス解析があることを知ったのですが、だいたいアクセスした人の4%の人がスキ❤️してくれていました。
だからその人のために、私はこれからも作り続けると思います。

心にピンナップしてくれてありがとう。

サポート頂けましたら、際限なく降りかかってくる紙代と画材代に充てたいと思います。