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スカートの裾がほつれた「あぁもうだめだ」とぼやいた

スカートの裾がほつれた「あぁ もうだめだ」とぼやいた

GO!GO!7188のドタン場でキャンセルという曲の歌詞。
好きな歌詞はたくさん浮かぶけれど、この歌詞はその中でも特別に好きでよく口ずさんでしまう。

どうして私はこの歌詞が好きなんだろう。
曲全体が暗い印象で決して前向きになれるような曲ではなく、特に思い入れが強い曲でもないのに。
それでもなんだか好きになってしまうのは、どことなく自分のことを歌っているような気がするからかもしれない。

この「ドタン場でキャンセル」という曲は全体を通して特に感情的な表現はなく、ぼんやりとした情景が歌われている。
具体的な感情表現がなされず淡々とした表現だからこそ共感しやすく、きっと自分に置き換えた解釈で深く記憶に残ってしまう。

スカートの裾がほつれたから「あぁ もうだめだ」と落ち込んでいるんじゃない。
スカートの裾がほつれたくらいで「あぁ もうだめだ」と崩れ落ちてしまうくらいに弱ってしまっていたんだ。
この曲の中で歌われる「あたし」は部屋に迷い込んだ揚羽蝶を見ている。
自分を重ねるように揚羽蝶を見ている「あたし」に私は私を重ねて聴いている。

どうしようもないくらい全てに、悲しくてイラつく自分を歌ってくれているようで、勝手に共感できるから私はこの歌詞が好きなんだろう。

この"スカートの裾がほつれた「あぁ もうだめだ」とぼやいた"という1フレーズだけで、現実に疲弊して弱った心をここまで表現してしまうなんて歌詞を書いたアッコは天才だと思った。
あくまでも解釈は私なりのものでしかないけれど。

ピンポイントで感情を歌う曲とはまた違った、程良い距離感で寄り添ってくれるような「ドタン場でキャンセル」はこれからも聴き続ける1曲だろう。

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