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小さな鈍器本

 ついに『音楽のように言葉を流す』のペーパーバックが販売されました。

 B6サイズ。ページ数519ページ。厚さ3㎝。
 税込2,300円也。

 厚さ3センチ、というのは実際、Amazonのkindle本ではなかなかチャレンジングな感じになっております。

分厚っ!!

 かつて『独学大全』は鈍器本と呼ばれましたが、私の今回の本も、どうやら「小さな鈍器本」と呼んで差支えなさそうです。

 ちなみに『独学大全』は厚さ5㎝、重さ1㎏。ソフトカバーで2,900円(上にリンクしたダイヤモンドオンラインには厚みのわかる写真が含まれています)。あの鈍器本と600円しか違わないなんてだれが想像したでしょう。そして、独学大全には人生の役に立つことが山のように詰まっていましたが、私の本には果たして何が詰まっているのでしょう。

 いやぁ、これ――
 お値段もそうですが、あまりの「存在感」に笑えて来ます。

 本来は、ここで自信をもって「お値段以上ですよ、損はさせません!」と言い切るべきなのでしょうね。正直に申し上げますが、お値段相応か、それ以上かどうかは、皆さまのお心しだいです。何とも言えません。それ以下ではない、というのだけは信じています。
 少なくとも本棚に置いて強い自己主張を放つ本であることは間違いありません。

 サトちゃんは「クラウドファンディング」だと思ってくれる人がいるから多少値段が高くても大丈夫だよ!紙が好きな人はいるから、電子だけじゃなくて紙本を作りなよ!と背中を押してくれましたが、実はAmazon出版って、Amazonの熱帯雨林の神に貢ぐようにできているので、私個人へのクラファンにはならないのです。ごめんね、サトちゃん。今回のロイヤリティは11円。0円でもいいかなと思ったのですが、購入に際しキリのいい金額にしました。

 私個人へのクラファンを求めていくなら、noteでメンバーシップや有料マガジンなどにするのが正しい道。しかし私はわけあってこれまでそれを避けてきました。自分の性格上「誰かにはお金を払い誰かにはお金を払わない」という決断ができないし「自分にお金を払ってもらって他の誰かに払わない、または選んだ人にだけ払う」という割り切りができる自信がなかったのです。

 これは決して、お金のやりとりをけなしているとか、メンバーシップがダメだと思っているとか、そういうことではありません。念のため。自分自身がうまくやれる自信がなかっただけなのです。きっとグダグダ悩むから、それならば最初から何もやらないほうがいい、と決め、方針を決めたことによってこれまで迷いなくやってこれたのも確かです。

 Amazonのペーパーバックの出版というのは(特に値段設定には)少なからず納得できないところがあります。最初は、今回のエッセイ本は電子書籍だけにしよう、と決めていました。でもあえて踏み切ったのは、やはり私に「本と言う形」にこだわる「紙こそ神信仰」があるからなのだと思います。さらに「お金を払っていただくなら電子でも紙でも”出版物”に」という願いというかこだわりもありました。

 しかし、やはり自費出版にはいろんな意味で限界があることを、今回のペーパーバック化を通じて学んだように思います。noteの有料記事やメンバーシップなどについても、いろいろ、考え方が変わりました。

 ともあれ「小さな鈍器本」。
 皆さんに選んでいただいたというまずはその企画段階から楽しかったです。受賞作やnoteから紹介された記事なども含まれておりますが、編集してみたらメディアパルさんの企画ものに対して書いた記事がとても多かったのが特徴的でした。

 おそらく、メディアパルさんの企画記事がなければ、この本は出来上がっていなかったと思われます。
 改めて、記事を選んでくださったクリエーターの皆さんと、メディアパルさんに感謝をしつつ、ペーパーバック出版のご挨拶にしたいと思います。

 ありがとうございます!














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