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鎌倉ほのぼの散歩 はじまり

 鎌倉三十三観音様参り。

 その壮大な計画を立てたのは、息子の受験を控えていた春でした。お弁当を作り、ファイルを整理し、叱咤激励し…でも肝心の勉強だけは親がなんとかできるものではありません。

 それでも何かしたいな、と思いながら、何も思いつかないまま月日が経ち、塾が終わると迎えに行く毎日。いよいよ塾が忙しくなってきた頃、追い詰められた私は藁をもすがる思いで「神頼み」を思い立ちました。

 ひとりで、とも考えましたが、せっかく鎌倉に行くんです。友達と一緒に巡ると楽しいだろう、と思いました。そして美味しいものでも食べたら、なお楽しいだろう、とも思いました。深刻だったはずが、次第に目的がずれていくのを感じつつ、正直、ワクワクする心を止められなくなっていました。

 そうは言っても、一度きりの観光ではなく、三十三か所の観音様をお参りする、となると、それなりに興味関心がないと誘われたほうもきっと困ってしまうでしょう。

 お誘いするなら空ちゃん(仮名)、と決めていました。空ちゃんは某関西のふたり組の大ファンで、京都奈良あたりにも出かけることが多く、その時に神社仏閣に行った話を聞かせてくれることがありました。そのときの御朱印帳も見せてもらったことがあります。もともと信心深い彼女ですが、そうした折に神社仏閣に詣でることで、御朱印の魅力に目覚めたとか。

 とはいえ、流行の「御朱印ガール」というわけではありません。次々に御朱印を目指していく、というよりは、たまたま、行った先にあった神社を詣でたときに、という感じだと言っていました。

 早速、空ちゃんに連絡すると、「いいね、いいね!」と二つ返事でOKしてくれました。じゃあまずは相談だ、ということで、ファミレスに集合です。

 ファミレスで顔を合わせると、空ちゃんは「まずは御朱印帳だね!」と言いました。うん、さすが。話が早い。スマホで検索して、あれこれと御朱印帳を探します。これもいいね、あれもいいねと言うのもまた、楽しいものです。

 御朱印の先輩である空ちゃんは、御朱印帳がパタパタと折りこむ蛇腹形式であることや、御朱印をいただくときに300円かかることなど、初歩の心得を教えてくれました。そして「せっかく始めるんだから、最後まで頑張れるようにモチベーションは大事にしないとね」と言ってくれました。冷やかしではなく真剣に巡りたい、といった私の気持ちを、真摯に受け止めてくれたんだなと感じてムネアツでした。

 悩みながら、互いに気に入った御朱印帳を見つけて、その場でAmazonで注文。空ちゃんは桜の花、私は飛躍の願いを込めてウサギの御朱印帳にしました。

 もう、この時点でかなりやる気満々で、すぐにも出かけたいような気持になっていましたが、まずは日程調整。ガイドブックを観ながら相談です。事前に、このガイドブックを購入していました。

 一番札所は「杉本寺」。観音様参りを始めるにあたっては、まずは一番札所からのスタートがルールのようです。

 まずは一番札所に向かいながら、その後の計画を立てよう、と約束してその日は解散しました。

 この日のまとめ。

 ★御朱印帳の値段は1000~3000円前後。各神社仏閣でもオリジナルの御朱印帳を売っています。

 ★御朱印帳は善意で書いてくださるもの。お仕事の邪魔をしないように気をつけましょう。書いていただくときは基本300円をお納めします。

 ★鎌倉三十三観音様は、最初のスタートは一番札所と決まっています。後はどのように回ってもOK。

2019年の鎌倉三十三観音参りのことを、思い出しながら書いていきます。鎌倉めぐりがすっかり楽しくなってしまい、2020年以降もお参りする予定でしたが、感染症の流行のため控えているうちに2021年も押し詰まってきました。記録だけは残しておこうと『鎌倉ほのぼの散歩』を思い立ちました。お楽しみいただけましたら嬉しいです。

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