耳栓の効用
天気痛と言って、そのときの気象の変化等がそのひとがもともと持っていた症状を悪化させることがあるらしい。気象要素の中でも、特に気圧の変化が大きな引き金になっていることが分かってきたという。気圧を感知するのは内耳のセンサーだが、それが過剰反応して自律神経のバランスを乱しさまざまな不調を引き起こすらしい。
わたしの場合は眠気やめまい、気分の落ち込みなど…まぁこれらはどうってことないのだが、一番困った症状は偏頭痛。時に吐き気を伴い市販の鎮痛剤は飲めず(飲んでも吐いてしまうから無駄なので)できるだけ静かで暗いところでじっとやり過ごすしかない。
最近、気圧の変化を感じにくくするという気圧調整機能つきの耳栓があると知りさっそく取り寄せてみた。
さて、昨日までの好天とうってかわって今日は朝から曇り空。気圧も下がりそうなのでさっそく例の耳栓を装着してみる。
図書館で借りた本の期限が今日までなので返しに行かなくちゃと思っていたのだが、なんだかんだとぐずぐずしてたら本格的に雨が降り出した。ウインドブレーカーに長靴という格好で傘をさして出かける。耳栓したままだが、まぁいいか。音が全く聞こえないというわけではないし。
図書館までは川沿いのサイクリングロードだ。階段を降りて河川敷の道を歩くことも出来る。ソメイヨシノはいつのまにかもうすっかり葉桜になっていて、八重桜も終わりに近い。ほんのりとクマリンの香り。どこか近くにオオシマザクラの木も混じってるのかな。
耳栓を付けていると周りの音がほとんど聞こえない代わりに、自分の鼓動が聞こえる。
ドクン ドクン ドクン。
原初のリズム。ビートの原点。
生身の感触というか、生きているという、単純で力強く、同時に微妙で複雑で繊細な、音。
面白い。
なんだか元気になるな。今日は偏頭痛は大丈夫そうだ。
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