～想定外～

ケンが北海道に戻って３週間が過ぎたある日・・・

突然、ケンが沖縄に戻ってくると言ってきた

「どうしたの？」

「前にYOUTUBEで見た歳の差カップルのカウンセラーに会ってみたい」

「エッ?　何を言っているの？」

以前、YOUTUBEで見た３４歳逆年の差カップルのカウンセラーが

沖縄に住んでいる事をケンに伝えていたことを思い出した。

「本当に？　あってどうするの？」

「同じライフスタイルのカップルに、

どんなコミュニケーションをとているか

会って話を聞いてみたいんだよ」

「・・・・・」

私は友人のアドバイスが脳裏をよぎった

”　もう２０代じゃないんだからね　ラストチャンスだよ”

「ケン、一時的な寂しさだけで戻るなんて言わないで」

「違うよ、やっぱりミライを失いたくないんたよ」

私は想定外のケンの言葉に心が揺れ動いていたが

感情に踊らされないよう
慎重に言葉を選んだ

「ケン、もう一度、伝えるけれども・・・

私は普通の５０代のバツイチ　

リッチでもないし

キャリアもない

あなたより間違いなく老いていく

そして親や世間体はどうするの？

紹介できない人間関係なんて辛すぎる」

いつものケンなら、強く反論してくるのだか

その時はとても冷静で穏やかな口調だった

「こういう、状況になってしまったのは

すべて、俺が悪いと思っている。

ただ、ミライと離れてみて

どれだけ俺の事を大切に思い

将来の夢を応援してくれていたか実感したんだよ。

叶えたい夢は、愛する人がいてくれるから頑張れるんだよ。

だからあきらめたくない。

もう一度、俺と向き合ってもらいたい」


私は、その言葉を聞いて泣き崩れてしまった

「ケン・・・なんで私なの？

今だったら・・・

北海道に戻れば誰にも知られず
何も無かったかのよに・・・

新しい生活もスタートできるのに・・・

苦労を・・・選ぶ必要は無いよ・・・」

私は、心とは裏腹な事を

ケンにダメ押しをした…