～複雑な再会～

　2023年9月　

台風直撃の那覇空港


その日は台風が一度、九州地域に移動しまた戻ってくると言われていた。


私はすっかり欠航だと思ていると朝、ケンから電話があった。

「ミライ、今、千歳だけれどもどうやら、この一便だけ飛ぶらしい。着陸できなければ戻るみたいだ」

「えっ？すごい揺れると思うよ・・無理して乗らない方がいいんじゃない？」

私は心配になってきた。

「でも、これで乗らないと
また明日からはキャンセルだよ。だから行くよ」

「・・・・・・・・」

1４時過ぎ　那覇空港の到着ロビー到着予定を過ぎても
まだ着陸していなかった。


そして30分後・・・
リターンかな？と思っていると
顔面蒼白のケンがヨタヨタしながら現れた。

「ケン、だ…大丈夫だった？」

「すごかったよ。生きた心地はしなかった。本当に当分、飛行機は乗らないぞ」

一瞬、私は不安な気持ちを忘れてしまい思わす笑ってしまうとケンも何とか笑顔になった。

そして・・・ふと思った。


何回も何回も北海道→沖縄を
行ったり来たりしている
私達はいったい・・・
何をしているのだろう？？

ほとんど、誰もいないロビーで
ケンは私を抱きしめ、つぶやいた。

「ここまでしても、ミライの元へ帰ってきたかったんだよ」

「ケンありがとう・・・」

もう遠い昔のように感じていたケンの温かいぬくもりが
刹那ぐらい心地よかった。

だが、その反面
やはり素直にケンを許し
何もなかったかのように

これからも一緒に過ごそうとまでは思えなかった。

帰宅後に二人でケンがカウンセリングを受けたいと
言っていたカップルのYouTubeをみなおした。


そんな時に、すごいタイミングで私達に”現実重視しなさい”とばかりの
DaiGoの動画がアップされてきた。

お題は「超歳の差結婚の難しさ」

”結婚が成立する確率は低く離婚率も高い”

なぜなら
“結婚の決め手は超年上側の大きな包容力と豊かな経済力が高くなければいけない”

少なくとも
”年上側の年収が相手側の
１０倍以上は無いと結婚しても長続きは難しい”　😱

私達はポカンと見入ってしまった。沈黙・・・・


やはり現実は不可能？
私は全然無理と痛いほど再確信してしまった。

そんな私の表情に心配したのか

「俺はミライに経済的サポートの期待は思ってもいないよ。俺たちは、もともと
そんな目的で出逢ったわけじゃないだろ。

それに、大切な子供は日本に居なくてミライは一人ぼっちじゃないか。だから、俺が支えてあげたいんだよ」


ケンは自分のせいで、私が多くの問題に　葛藤している事を痛切に感じていた。


だから二人の関係修復の為に
なんとか、もう一度楽しい時間を過ごそうと努力してくれた。

だが、ケンが期待するような言葉はかけられなかった。

正直、私はどうしたいかわからなかった。なんで別れる決断がゆらいでるの？　

ケンを信じでこのままの状態で過ごしていきたいの？　

カウンセリングを受けて
二人の将来の為に本当に意味があるの？

お互いが再び寄り添うことで
幸せになれる未来がくるの？

自問自答が多すぎ
皮肉にも・・・

二人で向き合う時間が
長く長く感じてしまい疲れてしまった。