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「超逆歳の差カップルのリセットライフ」ストーリーマガジン〜帰国 セカンドライフスタートの日〜


2021年4月

成田空港への着陸が、僅か10分後に迫っていた。

私は21年間の海外生活に終止符を打ち 母国へ帰国できる事への安堵感に包まれていた。

窓の外に広がる懐かしい日本の風景を見ながら、私が11歳の時に
亡き父親から伝えられた、言葉を心に深く刻んでいた。

「お前の母親は36歳で、突然、この世を去った。人間の命は儚い。だから精一杯、生きろ。」

幼い私は、突然の母との別れのショックで、父親の言葉を素直に受け入れることはできなかった。しかし50代になった今、その言葉の重みと意味が心に響き渡っている。

この瞬間から、私のセカンドライフが幕を開け、自分自身を見つめ直し、後悔のない人生を歩む決意をした。 

なぜなら、明日の自分の人生はどうなっているか・・わからないから・・

忘れもしない、ゴールデンウィークに入る前日の朝・・
私の母は、いつもと変わらず、優しい笑顔で私に言った。

「ミライ、明日からの連休は海に行って遊ぼうね!」
「うん、ママ、楽しみ!」

翌早朝・・・電話が鳴り、祖母が何かを話していたが
次の瞬間・・・泣き崩れている祖母を見て
子供ながらに、母に何かがあったと感じた。

でも・・・まさか・・・11年しか一緒に過ごしてない
最愛の母と、もうさよならなんて・・・想像もしていなかった

1週間後に
私が4歳の時に離婚した父が、急遽、海外から帰国し、外国人のパートナーと一緒に母のお葬式に参列した。

その時の父の第一声は、まだ幼かった私には理解しがたかった・・
「この人はいったい何を言っているの? 
あなたがママを大切にしなかったから・・
ママはずっと、働いていて病気だったのかもしれない・・・」

私は絶望を抱きながら、自分に誓った
私は母のような、寒い夜道のコンクリートの上で
誰にも看取られずに、この世を去りたくない・・

必ず・・・愛している人に抱きしめられながら
「よく頑張ったね・・愛しているよ・・」っと言われながら
この世から去りたいと・・・

そして今・・・
やっと・・私の人生の最後のパートナーになってくれる人と
出逢ったと感じている

年の差29歳・・・論破と言われようが
そう信じたい・・




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