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40代を攻略するための自己認知


はじめに

前回の記事では、40代前後の人に立ちはだかる壁『ミッドライフ・クライシス』についてまとめました。

今回の記事では、僕がミッドライフ・クライシスを乗り越えるきっかけとなった『自己認知』が、どういうものなのかを深掘りしていきたいと思います。

僕のセッションに来られる方は20代~70代まで幅広くいらっしゃるのですが、その中でも40代の方が一番多くいらっしゃいます。40代の方からのご相談でよくある内容を、5つのCaseとしてお伝えします。ぜひ『自己認知』を知るきっかけになっていただければと思います。

それでは早速、最初の課題から見ていきましょう。

やりたいことが見つからない

「やりたいことが見つからないんです」
これは本当に頻繁に受けるご相談の一つです。

こういった思いになる原因は様々あります。
・忙しい
・社会的な圧力
・世間の常識
・変化や挑戦への不安
など、思いつくものはいくつかあると思いますが、実は『正直めんどくさい』ということが本質的にある場合がほとんどです。

ただ、これは脳の仕組み上、仕方がないことです。
脳は、長い進化の過程で、生き残るために変わることや新しいことに適応するのに、エネルギーと時間がかかるという仕組みを持っています。そのため、脳は新しい情報や状況に対して注意深くなり、安定した状態を好みます。

では、この課題を越えるためにはどうすれば良いかを、自己認知の観点から見てみましょう。

やりたいことを見つける前に

やりたいことを見つける前に、やりたいことを見つけた後には「どんな人生が待っているか」、「それが出来たとき自分がどんな気持ちになっているか」をイメージすることが重要です。

みなさんの過去において、何かしら充足感を得たタイミングがあると思います。
・運動会で1位をとって褒められた
・友達と一緒に何かを作り上げて達成感を感じた
・仕事のプロジェクトで成功して社会に貢献した
・旅先で新たな文化と出会って衝撃を受けた
どんなものでも良いです。
「自分が充足感を得たときにどんな気持ちになったか」、そこを再認識することが大切になってきます。

願望を実現したときに自分がどんな気持ちになるかがわかることで、『めんどくさい』という想いを打ち消すほどの、前に出る力が出てきます。

やりたいことを見つける

やりたいことを見つけるためには、自分が過去にどんなことに時間とお金を費やしてきたかを見つめ直すと良いです。

仕事でも良いです。アニメやゲームでも良いです。ギャンブルや風俗という人だってもちろん、良いです。重要なのは、「なぜそこに時間やお金をつぎ込んだのか」、ということを知っていくことです。

人のために、家族のために働いたという自己肯定感なのか、アニメやゲームを通して、他の人と一緒に何かを共有できているという共感なのか、ギャンブルで得られる刺激やお金なのか、風俗での興奮や快楽なのか。

自己認知をして、自分の欲求や欲望がどこにあるかを見つけることができれば、やりたいことを見つけることができます。

Case1 やりたいことと自己認知

以前セッションの中で、転職を希望していて仕事を探しているけれど、やりたいことがわからず、仕事自体を続ける気力が湧かないとご相談がありました。周りからは「やる気がない」とか「甘い考えだ」と言われ、仕事を続けられないことで自己評価が下がり、さらには面接に落ち続け、自信を喪失していくという悪循環に陥っていました。

しかし、彼の深層には、大金持ちになりたいわけでも、極端に幸せになりたいわけでもなく、単純に「普通に仕事ができる、普通の人になりたい」という願望があったことが分かりました。その奥にあるのは、「誰かから必要とされる存在でいれば、自己評価が満たされる」という強い信念でした。

この彼は、同じように「やる気が湧かない」と感じる仲間たちが集まるLINEグループに参加していました。しかしながら、何故か彼はアドバイスを求められる立場にあり、他の人の悩みを解決することはあっても、自分の悩みは解決できない状況でした。

ここで気づいている方もいると思いますが、彼は「人に必要とされたい」という強い信念と願望を持ちつつ、グループの中で他の人の問題を解決する役割、つまり、「人に必要とされている」ことを果たしていたことに気づいていませんでした。

そんな彼は、現在では、様々な人の悩みを解決する副業を始め、自己評価を高めながら、本業での仕事も両立させています。対話を続けていく中で、彼が彼自身の現状に気がつくこと。自己認知をすることが、彼のやりたいことを見つけ、彼に今まで続かなかった仕事を安定して続ける力を与えてくれました。

仕事の人間関係がうまくいかない

「職場の人間関係が良くないのをなんとかしたい」
こういったご相談も多くいただきます。
このご相談をされる方は、本当にさまざまなタイプの人がいます。

・周囲の人に真面目と呼ばれるタイプ
・周囲にグチや陰口をいうタイプ
・対人関係が苦手なタイプ
・完璧主義タイプ
・お局タイプ

そして、多くの人が自分がどういったタイプなのかを知らない、もしくは気づいていない場合が多いです。

それもそのはず、自分のことを知らない人は、

人間関係がうまくいかない

他者と接点がもてない

自分のことを客観的に見れない

勘違いの言動が増える

関係がさらに悪化する

というループに嵌まってしまっているのです。

ここで重要なのが、自己認知の中における『主観的自己認知』と『客観的自己認知』です。

主観的自己認知とは

主観的自己認知とは、個人が自分自身について考え、感じ、認識するプロセスのことです。このプロセスは非常に個人的で、各人が自分自身をどう感じ、どのように評価するかは人それぞれ異なります。

具体的な要素として、『自己意識』、『自己評価』、『自己認識』があります。

  1. 自己意識: 自己意識とは、自分について考えることを指します。これは、外部からの影響や他者の評価に敏感に反応することも含みます。自己意識が高い人は、他者と比較しやすい傾向があります。

  2. 自己評価: 自己評価は、自分の能力や魅力についてどう評価するかを示します。自己評価が高ければ、自信を持ちやすく、逆に低ければ自己肯定感が低くなり、自分に自信を持ちにくくなります。

  3. 自己認識: 自己認識は、自分が誰であるか、自己アイデンティティや価値観についての認識です。これは個人のアイデンティティ形成に関連し、自己認識が変わることで人生の方向性や目標が変わることがあります。

要するに、『主観的自己認知』は、自分自身を理解し、感じることに関する非常に個人的なプロセスであり、人それぞれの独自の視点が存在します。

客観的自己認知とは

客観的自己認知とは、個人が自分自身を客観的に捉えるプロセスです。この場合、客観的な評価や外部の視点が重要な役割を果たします。主観的自己認知とは異なり、客観的自己認知では他者の意見や客観的なデータをもとに、自分自身を評価しようとすることが特徴です。

  1. 外部評価: 外部評価は、他者からの意見やフィードバック、評価に基づいて自己認知を形成する要素です。他者の視点やフィードバックを受け入れ、自分自身を客観的に評価することが含まれます。

  2. 客観的データ: 客観的データは、事実や証拠に基づいて自己認知を構築する要素です。たとえば、試験の成績、実績、スキルのレベルなどの客観的なデータを通じて、自分自身の能力や実績を評価します。

  3. 複数視点: 客観的自己認知では、複数の視点や観点を考慮に入れることが重要です。自分自身を客観的に評価する際、他者の意見やデータ、自己評価といった複数の情報源を総合的に考えることが求められます。

要するに、『客観的自己認知』は、他者の視点や客観的な情報を取り入れて、自分自身を客観的に評価しようとするプロセスであり、『主観的自己認知』と併せて自己理解を深める重要な要素です。

Case2 仕事の人間関係と自己認知

以前セッションで、部下を管理する立場にある女性部長からのご相談がありました。彼女の職場での人間関係が悪く、特にAさん・Bさん・Cさんという3人の関係がチーム全体に悪い影響を及ぼしているという問題でした。

話を詳しく聴いてみると、彼女はAさん・Bさん・Cさん3の人を含むチームメンバー全員に、3人についてのヒアリングを行ったとのことです。しかし、その後からチーム内の雰囲気が悪化したとのことでした。

彼女は「正しいことをしている」と思っていましたが、周囲からは「何かあると呼び出されて尋問される」と思われたのです。その結果、彼女に不信感を持ったチーム全体の雰囲気が悪くなってしまったのです。

対話を続けていく中で、彼女は、自分のやったことが悪口や陰口になっていることに気づき、アプローチ方法が逆効果を生んでしまったと理解しました。

そこで、AさんがいないところでAさんを褒め、BさんがいないところでBさんを褒め、CさんがいないところでCさんを褒めるというアプローチを提案しました。

これを実行した結果、彼女が「陰で褒めてくれる人」としての評判を得ただけでなく、チームメンバーもお互いに褒め合うようになったとのことです。これにより、チーム全体の雰囲気が改善され、コミュニケーションが円滑になり、問題解決にかかる時間も短縮されました。

このように『主観的自己』と『客観的自己』のギャップを修正することで、仕事における人間関係が改善されるケースがあるのです。

家族やパートナーとの信頼関係が作れない

「家族やパートナーとの関係性がうまくいかない」
というご相談もよくいただきます。
喧嘩が多い、会話がない、何を考えているか分からない。こういった課題が身近な1対1の関係で起きるのも、いくつかの原因があります。

・過去のトラウマ
・閉じこもりや孤立
・コミュニケーションの不足
・過度な疑念や猜疑心
・自己中心的な態度

これは、自分自身だけでなく、ほとんどの場合、相手にも課題があり、しかも複数の要素が絡み合っていたりするので、とてもややこしいのです。
ただ、多くの場合このややこしい原因は、その人の過去にあります。

自分の過去の環境から自己認知をすることは多くのメリットがあり、その方法もあります。ここでは、そのメリットと方法をご紹介します。

自分の過去の環境から自己認知をするメリット

  1. ルーツの理解: 過去の環境から自己認知を得ることは、自分の言動や思考のルーツについて理解を深めるのに役立ちます。家族、文化、社会的背景がどのように自分の価値観や信念に影響を与えたかを知ることができます。

  2. パーソナリティの形成: 過去の環境は、自分のパーソナリティや性格に大きな影響を与えます。過去の経験から、なぜ自分が特定の特性や傾向を持っているのかを理解し、自己認知を向上させることができます。

  3. 感情と関係の理解: 過去の環境は、感情や対人関係にも影響を与えます。家庭や学校、友人との関わり方が、現在の感情や人間関係に影響を与えている可能性があります。これを理解することで、関係を改善するための洞察を得ることができます。

自分の過去の環境から自己認知をする方法

  1. 回顧と反省: 過去の出来事や環境を振り返り、それらが自分にどのような影響を与えたかを考えましょう。家族、学校、友人、仕事など、異なる環境での経験を含めて考えることが大切です。

  2. 家族との対話: 家族との対話を通じて、自分の家庭環境や家族の歴史について詳しく学びます。両親や祖父母からの話を聞くことで、家族の価値観や伝統を理解しましょう。

  3. 自己評価の評価: 自分の性格や特性を客観的に評価し、過去の環境がそれらにどのように影響を与えたかを考えましょう。自己評価の過程で、自己認知を向上させる手助けとなります。

  4. 心理療法やカウンセリング: 心理療法やカウンセリングを受けることで、過去のトラウマや困難な環境に関する経緯を知ることができます。専門家の指導のもとで、過去の経験を処理し、自己認知を向上させましょう。

自分の過去の環境から自己認知を得ることは、個人の成長と幸福に寄与する重要なプロセスです。過去を理解し、その影響を認識することで、より心身ともに健康的で充実した人生を築く手助けとなります。

Case3 パートナーシップと自己認知

パートナーとの関係にお悩みの女性とのセッションで、このようなご相談をいただきました。

彼女が真剣な話をしようとしても、パートナーである彼は、いつも話をあまり聞いてくれず、ときには大声で反論することがあり、それが二人の関係に大きく影響を与えてしまいました。

彼女が彼に何かを伝えようとすると、彼は全て『攻撃されている』と受け取ってしまうそうです。彼女は非常に悩み、別れを覚悟しているほどでした。

こうなる原因は、彼の過去にありました。

彼女が彼と対話する中で、この問題の原因は彼の両親にある可能性があることに気づきました。彼の両親は、他者の意見や感情に共感することが難しく、話を聞くことに慣れていなかったことがわかったのです。また、彼の両親も同様の環境で育ったことも知りました。

これらの気づきを通じて、彼女は問題の原因を単に両親の責任としてみなすのではなく、彼の親も、その親(祖父母)から受け継いだものであることを理解しました。そして、その受け継がれてきた歴史を「克服するかどうか」だけが彼自身の課題であることに気づきました。

自己認知を通じて、彼女と彼は一緒に過去の環境からの影響に立ち向かうための努力を始めました。二人はお互いを理解し、共感し合い、コミュニケーションの課題に向き合いました。

このように、過去の環境から自己認知を高めることで、自分の本質的な課題を理解し、向き合うことができるのです。

学業やスポーツで結果が出ない

「子どもの成績が伸びないんです」
これは、年末にかけて増えてくるご相談です。
成績が伸びない理由は、一般的にはこういったものが多いです。

・環境の不適切さ
・意欲の不足
・習得方法が不適切
・サポートの不足
・ストレスや不安

では、実際こういった理由に対する対応策はどんなものがあるでしょうか。
・親御さんが成績アップの方法を学ぶ
・環境を作り上げる
・ストレスを軽減するためにお子さんに尽くす
これらも本当に大切なことです。

ただ、その前にお子さんが「どんなお子さんなのか」を知ってあげて欲しいのです。ここでは、脳のタイプの種類と、タイプ別のモチベーションの高め方についてまとめました。

『脳の4タイプ』と表現していますが、人を4つのタイプに分けられるということではありません。その時に置かれている状況や役割、成長の過程などで、脳のどの部分をより使っているかが変わります。

以下では、イメージしやすいように、脳の4タイプを『プロデューサータイプ』・『研究者タイプ』・『インフルエンサータイプ』・『カウンセラータイプ』としています。

プロデューサータイプの特徴とポイント

特徴:プロデューサータイプの人は、合理的でありながら情報が広い範囲にわたる特徴を持っています。このタイプは問題解決能力が高く、新しいアイディアやプロジェクトを立ち上げるのに優れています。多くの異なる情報源から情報を収集し、それを統合して効果的な意思決定を行います。

ポイント:このタイプのお子さんは、成長した先の未来を理論や数字で見せながら、合理的にイメージさせることで、モチベーションが高まります。また、大きな目標を達成した時に褒めるなど、区切りごとに認めてあげると高いモチベーションを継続することができます。

研究者タイプの特徴とポイント

特徴:研究者タイプの人は合理的であり、情報が集中している傾向があります。このタイプは特定のテーマや分野に深く没頭し、その分野で専門的な知識を持っています。科学者、学者、エキスパートなどとしてのキャリアに向いており、その専門知識を活かして問題を解決する役割を果たします。

ポイント:このタイプのお子さんは、過去の苦難を乗り越えてきた経験から、仮説を立ててクリアした後をイメージさせることが、モチベーションを高めるポイントになります。ひとつひとつの課題をクリアした時に褒めるなど、細かく認めてあげると高いモチベーションを維持できます。

インフルエンサータイプの特徴とポイント

特徴:インフルエンサータイプの人は感覚的であり、情報が広い範囲にわたります。このタイプは情報を繋げてストーリーを作り出し、他の人々に影響を与える能力に優れています。コミュニケーション能力が高く、エンターテイメント業界やマーケティング、ソーシャルメディアなどで成功することが多いでしょう。

ポイント:このタイプのお子さんは、人に教えることでモチベーションが上がる特性があります。そのため、お子さんが学んだことを親御さんが教えてもらい、感動している様子を見せると良いでしょう。お子さんから学びを得るたびに、細かく認めてあげて飽きさせないようにすることがモチベーションの継続に繋がります。

カウンセラータイプの特徴とポイント

特徴:カウンセラータイプの人は感情的であり、情報が集中しています。このタイプは他者の感情やニーズを理解し、サポートするのが得意です。カウンセラータイプは心理学者、カウンセラー、セラピストなどの分野で輝くことが多く、人々の精神的な健康を支える役割を果たします。

ポイント:このタイプのお子さんは、将来自分のおかげで他者が救われたイメージをつけられるかが、モチベーションを左右します。多くの人がいる前で褒め、人から好かれていると思い続けることができれば、高いモチベーションを維持することができます。

これらの4つのタイプは、脳の働き方に基づいて、異なる能力や傾向を持っています。それぞれのタイプは、適している職業や役割が異なります。しかし、人は普段、これらのタイプの特性を組み合わせたり、さまざまな状況に応じて異なるタイプの特徴を発揮したりします。

Case4 結果に繋がるモチベーションと自己認知

中学生の息子さんを持つお母さまとのセッションで、このようなご相談をいただきました。
野球をする息子さんがスランプで、監督からは叱られ、お父さまからは「つまらないならもう辞めろ」と言われていたそうです。ただ、当の本人は「続けたい」と言っていて、どうすればよいか、という内容でした。

お母さまは、息子さんが一つのことに集中するタイプだと思っていたので、うまくなるためには本を読んだり、動画を見せたりして、何とかスランプを抜けてもらいたいと考えていました。

セッションを重ねていく中で、お母さまが息子さんの様子を注意深く観察したり、彼のチームメイトの話を聞いているうちに、息子さんは結果を出したときに、チームメイトから褒められることに喜びを感じるタイプだと気づいたのです。

お母さまが『研究者タイプ』だと思っていた息子さんは、実は『カウンセラータイプ』だったという、認知のズレが起きていたのです。

そこに気づいたお母さまは、個人的な技術を高める方法ではなく、ピンチをチャンスに変える方法や、落ち込んだチームを鼓舞する声掛けの方法などを息子さんと一緒に学んでいくうちに、彼のモチベーションが高まっていくのを感じたそうです。

すると、必然的にプレッシャーのかかるときでも肩の力を抜いたスイングができるようになり、ヒットの本数が2倍になるという結果に繋がりました。

脳の使い方の特性に沿ったアプローチをすることが、その人のポテンシャルを最大限に引き出すためにとても重要です。

営業で売れない

「営業で売上が上がらない」
これは、生活に関わる大きな問題として、たびたびご相談される内容です。

この理由には、一般的には以下のことが言われています。

・顧客のニーズを正確に理解していない
・営業プロセスが過度に複雑で時間がかかりすぎる
・営業チームのスキルやトレーニングが不足している
・適切な顧客セグメンテーションが行われていない
・競合他社との差別化が不十分で、提供する価値が明確でない
・リードの質が低く、コンバージョン率が低い
・マーケティングとの連携が不足で、適切なリードが供給されていない
・顧客獲得のための戦略が不十分で、ランダムなアプローチを取っている
・営業プロセスの効率化が行われておらず、重要なチャンスを逃している
・成果を適切に計測・分析していないため、改善点を特定できていない

このようなことがよくアドバイスされると思いますが、根本的な理由はそこではありません。

ここからは、アドバイスが効かない人のための自己認知についてお話したいと思います。

対人距離と自己認知

みなさんは、ご自身の対人距離というものをご存じでしょうか?
対人距離というのは、以下の4つから測ることができます。

交流慎重度

交流慎重度は、自分が社会的に安全かどうかをどのように感じているか、ということです。なんとなく社会になじめていない、生きづらさを感じている、こういったことがどの程度起きているかを知ることから、対人距離を測ることができます。

交流慎重度が高い人は、相手の言動を勘ぐり、裏を読む傾向があります。
交流慎重度が低い人は、相手の言動を前向きにとらえて、警戒しない傾向があります。

好意理解度

好意理解度は、他者からの好意や思いやりをどれだけ正確に感じ取ることができるか、という指標です。他者からの好意や思いやりを受けられるということは、社会における居心地の良さを察知できるかどうかに繋がるため、対人距離を測るための大切な要素です。

好意理解度が高い人は、他者からの好意に敏感に反応し、人間関係のストレスに強い傾向があります。
好意理解度が低い人は、他者からの好意にあまり反応せず、人間関係のストレスに弱い傾向があります。

空気理解度

空気理解度は文字通り、空気をどれくらい読むことができるか、ということです。これは、ただ周囲の空気を読むということではなく、相手の気持ちを汲むなどによって、周囲にあふれる他者の感情にどの程度影響されるかを測ることができます。

空気理解度が高い人は、相手の心情を汲み取りやすく、自分の意見を変える傾向があります。
空気理解度が低い人は、相手の心情をあまり汲み取れないため、自分の考えを貫く傾向があります。

自力行動度

自力行動度は、周囲の人にどれくらい期待をするか、ということを測るものです。周囲に期待をするということは、信頼して色々なことを任せることができるかどうか、ということに関わる重要な要素となります。

自力行動度が高い人は、何事も自分でやろうとして、他者に期待しない傾向があります。
自力行動度が低い人は、人を信頼することができ、気兼ねなく協力を頼むことができます。

この4つの要素を知らずにアドバイスをすることは、相手に理解してもらえず、情報の押し付けになりかねません。自己認知を通じて対人距離度を測るということは、仕事をスムーズに運ぶためにとても重要なことなのです。

Case5 営業力と自己認知

女性とのセッションで、自営業の彼が営業できないことについてご相談いただきました。

彼女と話を整理していく中で、彼の周囲には彼の商品を必要としている人がいるのに、商品が売れないということが分かってきたのです。

彼は、相手の言葉を鵜呑みにしてしまい、相手は商品を必要としていないと信じてしまう傾向があったこと。そして、『商品を売る』ことばかりに意識が向いてしまっていること。さらに、自分の商品が相手に喜ばれることが理解できていないことがわかったのです。

彼女との対話を通じて、彼は自分の対人距離に気づくことができました。

その結果、彼は相手が解決したいことを引き出すことができるようになり、商品を売ることではなく、相手の悩みを解決することこそが営業の本質だと気づいたのです。
彼は、自分の商品が相手の悩みを解決できると理解し、相手からの感謝を素直に受け取れるようになり、モチベーションも上がりました。

自己認知を通じて、自らの対人距離を知ることで、売り上げが伸びるだけでなく、仕事にやりがいを感じる日々を過ごしているそうです。

最後に

いかがでしょうか?今回は、自己認知のもたらす変化について、5つのCaseをご紹介いたしました。

自分を知るということは、自分がどんな性能なのかに気づくということです。人は、気づくことで行動をします。行動をすることで変化します。そして、変化すると次のステージへと進まります。

僕のクライアントさんには、どんなに資格を取得しても、セミナージプシーをしても、自信がないと悩んでいる方もたくさんいらっしゃいます。

自己認知をした後、多くのクライアントさんは単に自信を取り戻すだけでなく、今まで自分が取得してきた資格やセミナーで学んだことを活かすことで、新たな道筋を切り拓いています。無駄な努力と思っていたものを有益な資産に変えるためにも、自己認知をして、ご自身の性能に気づいてもらえればと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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僕も、日々変化する自己の認知を深め、さらなる願望を実現するために歩んでいる最中です。みなさんもやりたいことに向かって、僕と一緒に学んでいきましょう。


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