事業収入から寄付型へ。資金調達で大切なこと【第2回定例会:「PLAS」門田さん(前編)】

NPO未来ラボ」の第2回定例会は、ケニアとウガンダでエイズ孤児の支援に取り組む国際NGO「PLAS」の門田瑠衣子さんを招いて行われました。活動を継続・発展させていくため、資金調達において重要な寄付者・ファンの獲得について、またツイッターやVoicyなどSNSでの発信について、お話を聞きました。前編、中編、後編に分けて、お届けします。

写真 東京からNPO未来ラボメンバーに動画配信しながら実施。

今井:PLASがNPO法人格をとったのは、5年前ですよね。

門田:もともと任意団体でもいいかなと思っていたんですけど、NPO法人になるともう少し企業と連携しやすくなる。特定非営利活動法人等の法人格がないと支援できないという企業も出てきたので。例えば、SalesforceとかGoogleとかもそう。

今井:僕も、法人化したのは6年前で同じくらいの時期。うちは高校中退とか不登校の子が多く通っている通信制・定時制高校の生徒を年間で1000人くらい支援しているんですけど、学校と提携する場合、任意団体って結構ハードルが高いんですね。それでちゃんと法人化してやっていこうと。

あと、やっていくうちにわかったのが公立高校の方がしんどい子が多いんですよね。生活環境が苦しかったり、親からアルバイトしてもお金をとられたりすることもあったりする。高校中退とか不登校の経験に加えてかなり大変な経験をしている子たちが公立の定時制高校には多いけれど、そこからお金をもらえなかったので、寄付型に変えてきました。

事業収入から寄付型へ 資金調達で重要なのは

今井:門田さんは、最初にNPO法人化した一年目はどれくらいの予算を組んでやっていましたか?どうやって、資金調達をしたんですか?

門田:1000万くらいなのかな。ちょっと記憶が…。最初の2005年の設立は、100万、200万くらい。2005年の設立当時、実績がない中で寄付を集めるのは、すごく難しかった。今はクラウドファンディングとかもあって、応援されやすい環境があると思う。当時、寄付は頭になくて、最初は事業収入。アフリカでやる事業を手伝ってくれる人を募って参加費をいただいて、学校の建設費や事業費にあてていた。最初の数年間で、ウガンダとケニアに170人くらい送りました。

今井:結構な数。だいぶやばいっすね。最初はそういう風にお金を回していったんですね。何で限界が来たんですか?

門田:ボランティアを派遣する必要がなくなったというフェーズがあった。最初は学校そのものが足りないから、学校を建てなくちゃいけないというフェーズで、学校建設というと結構面白そうと学生さんが集まってきた。

学校がまあまあ足りてきたから、もう少し別の支援が必要となった段階で、ボランティアに来てもらうというニーズが自分たちの団体になくなってしまったんですね。それに対して、お金が必要だからって無理やりボランティアワークを作って、ボランティアに来てもらうというのは違うんじゃないかみたいな議論が団体の中であった。金銭的に厳しくなったとしても、このプロジェクトは辞めようという決断をしたんですね。そこから寄付を集めるしかないねって。

今井:PLASで寄付集めを始めたのはいつくらい?実際やってみてどういう困難がありました?

門田:始めたのは、2010年くらいから。一番最初に、ぶつかった困難は、どういうターゲットに寄付をお願いするかを考えた時に、どういう人たちが自分たちを応援しているのかを分析しようと思ったんですけど、データが散逸していたことですね。

そこで出会ったのがSalesforce というオンライン上で管理できる顧客のデータベース。寄付者やイベントの来場者のデータを一元管理するようになったことで、ああこういう人たちが、こういう流れで支援してくれているんだなということがわかった。じゃあ、そういう人たちに向けてどうお願いをしていくかという話にちょっとずつなっていきました。

今は、少しずつ寄付が集まるようになってきたけど、自分たちが集めたいと思っている額にはいつも足りていない。達成率70、80%くらいで、もやもや感はありますね。

今井:寄付集めって、重要だなと思う。ただし、「ただ寄付を集める」のをしていくのは絶対にダメで、大前提として変えたいことがあってビジョンがある。うちでいうと一人一人の若者が自分の未来に希望を持てる社会を作っていく、ということ。そのための事業で、なかなか行政とか企業がやらないことがあって誰も見向きもされていないから事業を起こして、自分たちが寄付を集めてやっていく。

寄付って日本の場合はノウハウの公開がされていなくて、どういう実態で集めているのか全然わからない。個人寄付推計総額は寄付白書2017から抜粋しますが、東日本大震災のときは極端に上がっていますが、緩やかに上がっていると思っています。最近、個人的な実感値としては20代、30代に対しては「寄付してください」とお願いしたら集まるようになってきていると思います。門田さんはお願いする上で、何が重要なポイントだと思いますか?

門田:最初は、いい活動しているし、お金が必要ということを何となく広く言ったら集まるんじゃないかなと思っていたんです。でも、そうではなくて本当にしっかりお願いする。「いつまでにいくら必要だから、いま寄付してください」というお願いの仕方をしないと集まらないですね。

今井:それ、めっちゃわかる。間違いないですね。

(中編「寄付型NPOだからこそできること」につづく)

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