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『目的思考』になる5ステップ

■『目的思考』とは何か?
 仕事の成果が出ない、一生懸命やっているのに評価されない、仕事に追われて自由な時間がないということでお困りではありませんか?もしかしたら、あなたには「目的思考」が足りていないのかもしれません。「目的思考」とは、目的を達成して、成果をあげるための考え方や仕事の進め方です。「目的思考」を理解するためには、3つの視点が必要です。3つの視点とは、「目的と手段」、「相手と自分」、「Why、What、How」です。
 「目的と手段」は「目的思考」の中核をなす視点です。「手段」というのは、「目的」を達成するために必要な「やるべきこと」です。「目的思考」が欠けている人というのは、「手段」を中心に仕事を進めてしまいます。どういうことかというと、仕事の指示を出されたときに、仕事の意味(目的)を考えずに、やみくもに作業(手段)を始めてしまうような状態です。例えば、議事録を作成するという指示を受けた場合に、ただ発言内容を書いて長文の議事録を作成するというような状態のことです。このような議事録は読む側からするとポイントが分からず読むのに時間がかかり困ってしまうものです。このように「目的」を考えずに「手段」に取り組んでしまうと、やたら時間をかけて仕事をするのですが、あまり評価されないという状態になりがちです。
 次に「目的思考」を考えるうえで重要な視点が、「相手と自分」ということです。「目的思考」とは、言い換えると「相手」視点で物事を考えるということです。仕事というのは、自分以外の人の期待を満たすことが必要です。自分以外の人とは、顧客や上司の事です。これらの人たちの期待を満たす対価として糧を得ているというのが仕事の実態です。「目的思考」に欠ける人というのは、「相手」視点というものが欠けています。そのため、相手が何を求めているのかを把握しないままで、仕事を進めてします。そうなると、成果や評価を得られないのは当然の結果となってしまいます。
 そして、「目的思考」の3つ目の視点は、「Why、What、How」というものです。Whyとは、なぜこの仕事を依頼されたのか、なぜこの仕事が必要なのかを考えるということです。Whatとは、依頼された理由をふまえて、今何を求められているのかというゴールを考えるということです。Howとは、ゴールを達成するために具体的に何をするべきなのか問うことです。実は「WhatとHow」は「目的と手段」のことを指しています。ですから、「Why、What、How」で新たに意識すべきは、Whyということになります。つまり、なぜ相手(上司や顧客)はこの仕事を依頼したのかということを相手の立場で深く考えるということです。そうすることで、真に求められていること、つまり、真の目的が明確になります。このように、Whyを理解するということは極めて重要です。
 このように、「目的思考」になるためには、「目的と手段」、「自分と相手」、「Why、What、How」という3つの視点を身につけることが重要です。この視点が自然に身について、「目的思考」になるための5つのステップをご紹介したいと思います。

■『目的思考』の5ステップ

①仕事を頼まれた理由を考える(なぜこの仕事が必要なのかを考える)
 目的思考の一つ目のステップは、仕事を頼まれた理由を考えるということです。仕事を依頼されたときに、いきなり作業に移ってしまってはいけません。いきなり作業に移ると目的と手段をはき違えてしまうからです。そして、真の目的を理解するためには、なぜ、その仕事を依頼してきているのかというWhyの部分を深く考えることが必要です。相手が困っていること、相手が期待していることは何かということを理解するということです。

②相手視点でゴールを考える
 相手が仕事を依頼してきている理由を理解したら、次は何をすれば良いのか、どのような状態になっていれば良いのかというゴールを考えます。ゴールを考える時に大切なことというのは、相手視点で考えるということです。そのためには、①の相手がなぜ依頼をしているのかという理由を思い出してください。そうすれば、相手視点の適切なゴールが描けるはずです。ゴールを設定したときに不安がある場合には、仕事の依頼をした相手とゴールにずれが無いか認識合わせをするようにしてください。「目的思考」で最も大切な事は、真の正しい目的(ゴール)を設定することです。ここがずれると、手段が正しいものになる可能性はゼロになってしまいます。

③ゴールに達成するためのステップを考える
 ゴールが明確になれば、そのゴールに達成するためのステップを考えます。ゴールまでの期限とゴールに達成するための労力を踏まえて適切にステップを設定することが必要となります。議事録を作成するのであれば、「会議に出席する」、「議事録のドラフトを作成する」、「レビューを受ける」、「関係者に周知する」というようなステップになるかもしれません。また、ゴールを達成するために関係者の協力が必要な場合には、関係者の協力を得やすいようにステップを設定することが必要です。例えば、議事録のレビューをしてもらうのであれば、ドラフトをなるべく早く作って、レビューしてもらいやすくするなど、「相手」視点の工夫が必要です。

④すぐ実行する
 そして、ステップが明確になったならば、具体的に実行に移します。実行に移すときには、あれやこれやと考えずに、素早く実行することが大切です。グズグズしているとモチベーションの低下にもつながりますので、迅速にやるという姿勢を大切に実行に移すようにしてください。

⑤ステップを見直す
 そして、最初のステップを行ってみて、時間が思ったよりかかりそうであるとか、やり方が分からないというようなことが発生したときには、ステップを見直すようにしてみてください。時間がかかりそうであれば、初回レビューのタイミングを後ろ倒しにすることが必要かもしれません。しかし、タイミングを見直すときには、最終的なゴールの達成に支障がないようにステップを組みなおすことが必要です。また、最初ステップで仕事のやり方に不安を感じるのであれば、上司などに質問をしてみることも必要になるかもしれません。いずれにしても、「目的思考」においては、「目的」を達成するためにあらゆる手を尽くすことが必要です。そのうえで、新たにステップを見直すことが必要です。

以上が目的思考になるための5つのステップです。仕事の成果が上げたいという人はぜひ参考にしてみてください。

(第44回 2022/1/25)

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