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試されているのはイスラエル、そして米国

イランによるイスラエルへの報復攻撃が起きました。それは、4月1日のシリアのイラン大使館をイランが攻撃したことに対する報復です。

ここで問題なのは、どちらが国際法違反か?という点です。イスラエルによるイラン大使館の攻撃は明らかに国際法違反と思われます。

そして、イランの報復はどうでしょうか。これはテヘランタイムスというイランのメディアの報道を見ると、イランは国際法を意識しているという事が分かります。

イランの国連常任代表部は、今回の報復攻撃は、国連憲章第51条に基づいており、国際法違反ではないとしています。

国連憲章第51条は次の通りです。

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。 この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。

今回のイランの報復は事前に米国は掴んでおり、さらに、撃墜されることは分かった上で行っています。つまり、国際法に則って、できる範囲の攻撃を行っているという事です。

当然、西側諸国はイランを非難しています。しかし、一方で米国およびG7各国は、イスラエルにも自制を求め、中東全域の紛争に発展させないようにと求めています。

そうなると、イスラエルの戦時内閣は、報復を自制することになるか、それとも、西側に見放されない程度の報復を行うか、それとも制止を振り切って、イランへの直接報復攻撃を行うか。

絡まりあう問題の一つにネタニヤフ首相の進退があります。ネタニヤフは、汚職で訴訟されています。しかし、首相の座に留まっている間は逮捕はありません。そこで、戦時内閣の維持こそが、ネタニヤフが逮捕されない要因となります。ネタニヤフが政権維持のため、極右政党と連立を組み、その支持を受けていることが、戦争が継続されている大きな原因とも言われています。

イランはBRICSに加盟しました。BRICSは政治的な組織ではありませんが、それでもイランにとっては国際社会との繋がりにおいて大変重要な存在です。BRICSにはロシアもいます。実はロシアも常に国際法を意識して行動しています。

逆にいつも国際法を無視するのが米国です。

BRICSは拡大して10カ国になりました。この国々の人口は世界人口の40%を超えます。今、世界で起きていることを、日本人は米国、G7の側からしか見ていません。

しかし、G7の世界人口に対する割合は10%を切っています。私たちは、わずか世界人口10%弱の人々の意見を世の中のすべてと思わされています。実際は違います。G7は既に世界のマイノリティーです。

ロシア、イランが国際法を守ろうとしている姿勢を世界は見ています。見ようとしていないのは米国を含むG7です。イスラエルがどういう行動をとるか。それは、米国がイスラエルをコントロールできるかどうかであり、国際法を守ろうとするのか、全く無視するのか。

イスラエルがとる次なる行動は何か。今、世界から試されているのはイランではなく、イスラエルであり、米国であり、G7なのです。私たちは、人口的にはマイノリティであるG7の一員であることを自覚して世界を見る必要があるのではないでしょうか。

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