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足元から考えよう


海は漁師さんだけのものじゃない

海洋ごみの大半が漁具だということ知ってましたか?

海に漂う海洋ごみ

今、地球上の海洋では、大変な事態が起こっています。それは分解されることのないプラスチックごみです。
海は広いから、「少しぐらいごみを捨てたって、どうってことない」と思っていたら大間違い。最近の研究で明らかになってきたのが、このままプラスチックを使用していたら2050年には、海洋に生息する魚類の総重量よりも海洋ごみであるプラスチックごみの総重量の方が上回るという研究結果が報告された。
2050年まで誰も生きてないだろうから関係ないというわけにはいきません。あとその時まで26年しかないのです。だからこそ、今できることからなんでもいいから行動に移すべきではないでしょうか。


海岸に打ち上げられたプラスチックごみ


その海洋に漂流ないしは、海底に堆積しているプラスチックごみは形を変えながら永久にその組成を変えることなく、そこに存在し続けるのです。そしてその多くが、漁業で使われている漁具だといわれています。
漁師さんに言わせれば、自分たちはこの海でお金を稼いでいるんだから、あんたらにとやかく言われる筋合いはないと思っているかもしれません。しかしその時、その得たお金と引き換えに海洋の生態系を壊してもいいという理屈はありません。漁具が海洋生態系に大きな影響を与えているという現実に目を背けるわけにはいきません。

養殖用の漁具が今

波打ち際の清掃活動を行っていて、目につくのがカキ養殖で使われている「マメカン」です。それはカキの違いを一定間隔で固定するために使われています。しかしその多くは回収されることなく、海洋に投棄されています。それが、波に揉まれながら海岸に打ち上げられています。海岸の清掃活動を行っていてその現状を知ることができます。そのほかには発砲スチロール製のブイがあります。昔はガラス玉だったものが近年はその姿を見ることはなくなり、プラスチック製ないしは発砲スチロール製のものに置き換わりました。それはまず軽いこと、安いことです。

ごみの中の漁具が目立つ

海はゴミ捨て場じゃない

できることから一つずつ

マメカンを海洋生分解プラスチックの挑戦

私たちは、カキ養殖で使われている「マメカン」の実態を実際の漁師の方からヒヤリングしたところ、そのうちの一人から話を聞くことができた。
「そのままで、海にすててるよ」
日本全国で広くカキ養殖で使用されているマメカンの多くが、海に投棄されている実態を知ることができた。
そしてその多くが、海岸に打ち上げられていた。それも夥しい数のマメカンが。
そこで、私たちが始めたのがその石油由来のプラスチック製の漁具を海洋生分解プラスチックに置き換えるための海洋環境における耐久性能試験である。少なくとも実用的にそれを使うためには、700日の耐久性が求められる。そうしなければ、養殖期間中に素材が劣化してもろくなれば、カキの脱落におよび、理念以上に大きな損害を及ぼすことが懸念されるからである。

海洋生分解プラスチックの海洋耐久性能試験


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