桜花賞2024 回顧(スウィープフィート目線多め)

出資馬スウィープフィートがクラシックに挑戦ということで、例年以上に熱の入ったレースでした。
今年はリバティアイランドのように抜けた馬こそ居ないものの、全体的なレベルが高いと感じていました。

2歳女王アスコリピチェーノ、阪神JFを惜敗したステレンボッシュの二頭がやや抜けているか。
大器と名高いチェルヴィニア、川田将雅のクイーンズウォーク、京王杯レコードのコラソンビートが続き、チューリップ賞の覇者スウィープフィートとエルフィンSでスウィープフィートを退けたライトバックが6、7番人気。

順当にいけばこの辺りまでが圏内と感じていました。一方で馬場について、今年は過去数年と違いコース替わり二週目。内が傷み始めておりやや外有利。これは差し馬にとっては追い風で、スウィープフィートにとっては良い傾向。

レースはショウナンマヌエラの逃げから始まり、エトヴプレ、キャットファイト、コラソンビート、セキトバイーストらが続く展開。
アスコリピチェーノとステレンボッシュは中段の良い位置にいて、ペースは平均くらいの1000m58.1秒。若干の後傾ラップ、外有利の馬場なので一番絶好の位置にいたのは真ん中からいつでも外に出せる位置のアスコリピチェーノで、鞍上北村宏司は上手く直線まで持って来れたと言えるでしょう。

しかし直線に入るところでモレイラ騎乗のステレンボッシュがアスコリピチェーノと接触、外にヨレたアスコリピチェーノは体勢を立て直すハメになったために一呼吸踏み遅れてしまう。これが明暗を分けてしまった。

ただステレンボッシュの末脚を見ていて、マンハッタンカフェを思い出してしまうくらいケレン味のない息の長い末脚でしたから、踏み遅れてなくても…ややステレンボッシュ有利だったかもなとは感じました。
とはいえこの二頭は実力伯仲で、10回走れば同じくらい勝敗を分けるでしょう。

一瞬のスキを突いたモレイラの腕が光りましたが、北村宏司も殆ど完璧に近いレース運びをしていてG1に相応しい騎乗、レースぶりだったと思います。

最後方ではステレンボッシュとアスコリピチェーノに似た事が起きていました。
スウィープフィートが外に進路を求めてライトバックと接触、しかし蓋をする意識の強かった坂井ライトバックは進路を譲らず。武豊スウィープフィートはビクトリーロードに乗る事ができなくなってしまった。
もっと強引な騎手であればライトバックを弾き飛ばしてでも…というところでしたが、ソフトさが持ち味の武豊ですからね。
内を捌くしか無くなったスウィープフィートは何度も切り返しながら残り150m付近でやっと進路を確保。前を行くライトバックを目の覚めるような末脚で急追しますが半馬身及ばず4着。

外有利の馬場だっただけにいつもの大外一気に持ち込めなかったのは痛恨でしたが、外を常時のびのび走れたわけでもない中でのこの差ですから、スウィープフィートの末脚は間違いなくG1級だったと言えるでしょう。
特に鞭を入れてからの反応の鋭さは秀逸で、過敏なくらいに感じました。
次走のオークス、府中の広さは(不利を受けづらいため)間違いなくプラスに働きますが、ここまで反応良く鋭く伸びると逆に府中の直線の長さは意外とプラスにならないかもなとも感じました。
キレ過ぎて府中では仕掛けどころが難しいかもしれませんね、まあそこは鞍上が名人ですから上手く乗ると思いますが。
スウィープに乗って帰ってくるなり「オークスに行きましょう」と言ってくれたらしく、ブログでも「ご期待下さい」と書いていましたから、かなりの手ごたえはあったのだろうと思います。期待しています。

逆にずっと良いところを走れたライトバックが、せめてアスコリピチェーノを交わしてくれていたら多少なりとも溜飲の下がる思いになったのかもしれませんが、クビ差交わせず3着。
スウィープフィート目線だと、一番モヤモヤする結果になりましたね…。
ライトバックの末脚はいかにも府中向きで、距離をこなせれば楽しみはありそうです。ただ末脚の質的にも血統的にも一番オークス向いてそうなのステレンボッシュなんだよなぁ…😇

コラソンビートは究極仕上げと感じて期待したんですが、仕上げ過ぎて気性面が爆発してしまった感あり。それでなくとも1400ギリギリとの横山武史の評価でしたからキツかったか。

チェルヴィニアは久々、ルメール乗れず、大外の三重苦を跳ね返せるほどの素質ではなかったと見ますがそれでも大器には違いなく、オークスに出てくるなら主役級の一頭になるでしょうね。
ストライドが大きいので府中の2400は合いそうな印象で、今回の惨敗で人気を大きく落とすことがあれば狙い甲斐のある馬だと思います。
まあ次もルメール乗れないんでアレですけど…。

クイーンズウォークは一番評価に困る馬で、後ろから行ってダメだったらオークスも自分の中で気持ちよく切れたんですが、半端に位置を取りに行って内で立ち回るという競馬に終始したので、今回は度外視しないといけません。なんだかなぁ…

エトヴプレは皆が言うように強い競馬をしていて、これはナムラクレアであると。
1400ベストのスプリンターとして今後のスプリント路線の新興勢力になりそう。
荒れ馬場もこなせそうなのは良いですね、高松宮なんていつも荒れてるし…
あとこの馬はドバイミレニアムの直系なんですよね、それだけでもう応援し甲斐がありますわ。

今回の桜花賞は後ろに有利だったという見解を多く見たし間違ってはいないと思いますが、一番大事なのは「中段から後ろの馬に強い馬が多かった」
これが単純で一番の理由だと思いますけどね、そもそも平均ペースだし。
良馬場なのにセキトバイーストがそこそこ粘れてますからねぇ。


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