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【日本ネット経済新聞 記事】 製造小売企業が、リアル店舗、通販、デジタルコマースを活用して成長するポイント 


リアル店舗や通販、ECといった多様な販売チャネルが当たり前となる中で、製造小売業はどのような事業戦略を選択すべきなのか。鍵は「データ」と「顧客体験」にあるが、それを効果的につなげ、具現化するには、システムを整える必要がある。製造小売業がオムニチャネル時代で成長するためのポイントについて、コンサルタントで富士ロジテックホールディングスの顧問を務める吉村典也氏と、東計電算 ecソリューション部 部長 菅沼康洋氏に聞いた。



  • 製造業や小売業における課題の一つとして、顧客ニーズを把握し、サプライチェーン全体を顧客中心でデザインすることが挙げられます。例えば、顧客の要望や嗜好をデジタル技術を活用してリアルタイムに把握し、それに基づいて商品の製造や販売手法を最適化することで、個別化されたサービスを提供することができます。

  • 顧客のロイヤルティを向上させるために、購入後の体験に注力する取り組みがあります。例えば、配送情報を活用した購入後のエンゲージメントを高めることが考えられます。配送状況を顧客に提供するだけでなく、発送完了後もパーソナライズされたCRMを展開し、さらなる顧客エンゲージメントを図ることで、顧客のロイヤルティを向上させることができます。

  • マーケティングとカスタマーサービスの連携により、顧客とのコミュニケーションを強化する取り組みがあります。SNSでの顧客ポストを監視し、不満があれば対応し、評価があればそれを活用することで、顧客との関係をより深めることができます。マーケティングとカスタマーサービスチームが連携し、顧客の驚きや喜びを特定し、それに基づいて適切な行動を取ることが重要です。

  • リアル店舗のビジネスを見直し、強化することも重要な取り組みです。顧客が店舗での買い物体験を楽しむために、商品陳列や店内環境の改善、接客スタッフのトレーニングなどに注力することで、顧客満足度を向上させることができます。

  • 製造業や小売業の成長を支えるためには、継続的なイノベーションが必要です。新しい技術やトレンドに敏感に反応し、顧客のニーズをいち早く把握し、それに合わせた新製品やサービスを提供することが重要です。また、自社の強みを活かした独自の付加価値を提供することも、競争力を高めるポイントとなります。

――製造業や小売業の事業環境について、どのような課題があるのか。また、それを解決して成長している企業はどのような取り組みをしているのか、お伺いできればと思っています。

吉村:

製造・卸:流通・小売販売の「縦軸としての融合」や「中抜き」も進みつつあります。それは、アパレルでも食品でもあらゆるカテゴリーで進んでいるトレンドです。
しかし、デジタルなどの非対面のコマースチャネルだけは、成長の限界があることも認識されつつあります。
あるべき姿としては、店頭でくみ取った顧客のニーズをもとに、小売から、原材料・製造メーカー、物流:配達方法、そして販売チャネルとサブスクモデルなどのサービス提供方法までを顧客中心でデザインすることのはずでした。
これまでの、格好のいい響きであったサプライチェーンは、実は大変そうで誰も手をつけなかった領域でもあります。 勘と経験で、売上目標という希望で、モノを作って配送し、売る場所-チャネルを迷走して探していました。 小売業だけではなく、製造業もプロセスを融合して、「お客さまが、これを欲しがっているから、作って、最適価格でお届けする」と考えていたのが、小売で、デジタルコマースではD2Cであったはずです。
デジタルにより、製造業が小売を通さず、自社の商品を直接お客さまにお届けすることが簡単になりました。必ず売れるわけではないですが、製造業も小売へ進出しているのが現状だと思います。
このような環境のなかで、コマース事業の展開はより競争が激しくなっていることや、それを支えるための、人材の問題はより複雑化していますし、関与する組織の数も増えていきます、そしてシステムの数は増えつつづけいるというのが現状ではないでしょうか。

ーー実際の企業トレンドについてお伺いさせてください。

吉村:製造小売が販売チャネルを拡大するステップとしては、

1:リアル店舗のビジネスを見直し、強化する
2:ダイレクトマーケティングを、強化する
3:デジタルコマースへ、地域で認められたブランドとして展開する

があります。

まず、はじめにリアル店舗のビジネスについてですが、製造業であれば、イベントや工場直売、直売店舗などの資産、小売であれば店舗を活用して再成長するポイントは3つです。

1:顧客データを活用する
2:顧客データ=顧客の声から商品を開発する
3:顧客と商品を開発するのは、顧客に一番近いスタッフなので育てる

ことです。

顧客データを集めて、預かって、共有=コミュニケーションする方法はこの時代ですので、リアル店舗での接客から、SNSやLINEも含めて様々な方法があります。

これは、スタッフが顧客と接して顧客視点でのニーズを汲み取っていくことで、伝統だけではない新しい視点=訴求を持った商品を開発したり、リブランディングしたりできます。
先ずは、基本の地場(地域の商圏)での力=顧客からの支持が得られていないと、デジタルへ進出してもUSPや社会的証明がないので成功するためにはとても費用と努力がいります。

――D2CのSNSでのコミュニティマーケティングと同様に先ずは顧客とつながって知るということですね。その次のステップはいかがですか?

アナログでのUIはデジタルでも生きる

ーー具体的にはどのように変化しているのですか?

菅沼:

通販はアナログチャネルとして、店頭での注文申込書、郵便でのカタログ発送、電話や郵便での申込がよく知られている方法です。
従来であれば、一斉発送、注文受付が一般的ですので、繁忙期であればアウトソーサーのコールセンターなどを活用するためのシステムの仕様が必要でした。
今では、顧客をセグメントして、レスポンスをシミュレーション計算して、タイミングを調整してコミュニケーションすることで、顧客のエンゲージメントを高めていくとともに、業務の平準化とマーケティングコストの効率化などとのバランスを取っている事業者が多くなりました。
そのためには、従来の通販業務システムに備わっているRF分析レベルでは不十分であることや、デジタルコマースでも活用することが重要になってきますので、マーケティングオートメーションシステムのコラボ連携が出来ることが必須になってきていることが大きな変化です。
1つめのポイントとしては、注文処理をするためのアナログデータをシステムにエントリー
するための正確性や効率化のために、UIと機能としては、たとえば、入力フィールドにお
いて、ユーザーが以前に入力した情報(例: 名前、住所、電話番号)を、オートフルフィル
機能として、顧客の情報(IDとなるKeyデータ)や以前の注文履歴から、注文フォームを自動
的に補完する機能を導入することで、注文処理の効率を向上させることができます。
また、過去の対応履歴とアラート機能で、お客様固有の対応を漏らさない事が大切です。
ここでは、類似データ候補や、重複排除、グレー・ブラック情報など顧客情報の気付かない管理ポイント機能の有無や、そして、顧客別の有効なキャンペーン情報や、レコメンド情報が提示できるかは隠れたポイントです。
システムの基本機能としては、住所データの正規化や、電話番号の「- ハイフン」のあるなしでも登録検索ができるとかは、顧客やスタッフのUI視点だけで語られていますが、不正検知などにも有効な基本機能でもあります。

顧客データを預かるためのタッチポイント

ーーリアル店舗でよくある顧客データの取得方法はLINEなどといわれています。実際にはフォローやDLされて登録されることがないのではないでしょうか。良い施策事例などはあるのですか?

デジタルコマース・マーケットプレイスへ拡大

ーーデジタルコマースはやはり最大の関心であり、購入チャネルやマーケティングとしても成功するポイントについては関心が高いのですが、製造小売企業はどのように成長、成功されているのでしょうか?

オムニチャネルで成功するためには

ーーマルチチャネルでもデータを活用することができるということですね。チャネルを増やしていくとともに、オムニチャネルを実現することが大切だと言われていますが、事業者さんはどうされていくべきですか?

ーー現在の市場では、顧客獲得コストが上昇しているため、ソーシャル広告、PPC、その他のデジタル チャネルを通じてターゲット ユーザーにマーケティングを行うには、より多くの資金が必要になります。一度顧客を獲得したら、その顧客を長期的に維持することがさらに優先されます。ここで注目すべき施策の事例はありますか。

全文はこちら

https://netkeizai.com/articles/detail/10544/1/1/1

【プロフィール】

株式会社東計電算 ecソリューション部 部長 菅沼 康洋

2001年に東計電算に入社し、お客様とシステムを結びつけるエンジニアとしてのキャリアをスタート。大手配送会社向けのクラウド型送り状発行システムを開発し、500社以上に導入。その後、クライアントのニーズに添って業務範囲を広げ、通販事業者向けのバックオフィスシステムを開発して大手で実施した業務改善ノウハウを中堅・中小向けに構築して提供。近年はオムニチャネル化を進めている製造小売企業の課題を解決するために、バックオフィス機能を活用できる、ECサイトとマーケティングにも力を入れている。2020年に部長に就任。日本一の通販システムを構築し、通販事業者の業務効率改善と売上げ拡大を実現する為、日々奔走している。

<東計電算の事業概要>

株式会社富士ロジテックホールディングス 顧問 吉村 典也

 

単品・総合通販ビジネス、テレビ通販会社、Eコマース系事業会社、百数十社へのCX業務を設計、運用サービスのパートナーとして、バックオフィスやフルフィルメントセンターの立ち上げ支援、通販基幹システム、コマースシステムの選定サポートなどを行ってきた。最近では、大手健康食品会社の子会社が自社開発した、「通販基幹システム」のセールス・マーケティングサポートを通じて、従来の100億円超え、100億円を目指す、通販企業さんとの数多くの出会いがある。そして、これらの企業が、これからの顧客に対応できる、ビジネスモデルの変化や、それを支えるデジタルトランスフォーメーションに乗り遅れていることに気付かされたという。新しい日本型の通販・コマースシステム、CRMやCXなどを広めたいと考えて、情報発信や、オムニチャネルシステム:CXシステムの設計から導入、運用支援をしている。


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