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有機質資材について ~堆肥・肥料~(農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今回は「有機質資材」についてお話します。有機質資材といっても様々なものがあり、それぞれに特徴がありますのでそのあたりについてお話したいと思います。

有機質資材は多種多様のものがありその特徴を理解して利用することが必要です。一般に有機質資材といわれるものとしては①稲わら等粗大有機物、②堆肥、③大豆油粕など有機質肥料、④ソルゴー、レンゲなど緑肥作物があります。緑肥作物は一般に栽培した後に圃場に鋤き込む利用されます。

有機質資材の中で特に多く利用されるものとしては有機質資材を腐熟させた堆肥があります。堆肥の種類は多く、以前は稲わら、落ち葉などを原料とした利用したものが多く利用されていましたが、最近では牛ふんなど畜産廃棄物を原料としたものや樹皮を原料としたもの、コーヒー粕や茶殻など食品残渣を利用したものなど様々なものが多く利用されています。また堆肥とともに広く利用されている有機質肥料についても油かす、魚かす、骨粉など多くの種類があり、種類によって肥料としての含まれる成分内容や量が異なります。有機質資材はその施用効果として一般に①土壌の物理性改善効果、②土壌の化学性改善効果、③土壌中の生物性改善効果がありますが、資材の種類によってそれぞれ特徴があり効果は異なります。堆肥の中でも鶏ふん堆肥は肥料効果が高く、バーク堆肥は土壌の物理性改善効果が高いという特徴があります。したがって有機質資材の種類とその特徴を理解して利用していくことが重要です。有機質資材の肥料効果を評価するための指標としては C/N比(炭素率)がある C/N比は有機質資材に含まれる有機態の窒素が無機態窒素になる速さを評価する指標として用いられています。C/N比が小さいと有機態窒素が早く無機態窒素となり、 C/N比が大きいと有機態窒素がゆっくりと無機態窒素となります。
すなわち作物は無機態窒素を吸収して生育するので、無機態窒素が早く作られる有機質資材を使用すると作物は早く生育します。C/N比はだいたい「20」を境にして、それより小さいと微生物による分解で窒素が放出されてくるので肥料効果が高くなります。一方、C/N比 20以上の資材は土の中の窒素が微生物の増殖の際に取り込まれ土壌中の窒素が少なくなります。

稲わらなど C/N比の高い有機質資材を定植前に多量に使用すると作物の生育が抑制されることがあります。また有機質資材が土壌に使用されると分解初期には微生物が急激に増殖するため、土壌中の無機態窒素が微生物に取り込まれて作物が利用できる窒素が一時的に不足することがあります。この現象は「窒素飢餓」といいます。生育障害を回避するためには腐熟の進んだものを使用するようにするか、また窒素肥料も同時に使用するようにします。一方 C/N比の高い有機質資材は有機物の分解が遅いため 土壌腐植含量の増加に効果があり、土壌の物理性改良効果が高いといえます。C/N比と有機物資材の種類との関係についてはC/N比10以下のものは大豆油粕など有機質肥料が該当し C/N比が10~20については牛ふん堆肥など、C/N比が20以上のものは稲わらなど粗大有機物が該当します。

有機質資材を購入する際にはC/N比を確認し目的に応じたものを購入・使用するようにしましょう。

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