散歩が好き！だと思っていた。それで、最近は1時間以内で行ける場所であれば、なるべく歩いていくようにしていた。

そんなある日、打ち合わせに向かって歩いている最中に、愛用していたワイヤレスイヤホンが壊れた。右側だけ聴こえなくなってしまったのだ。

左耳だけで聴いているのもなんだかいずい（仙台弁）ので、その日は音楽を諦めて残りの30分ほどの道のりを"裸"の耳で通り過ぎた。

そして一つ、気づいたことがある。僕は「歩くこと」が好きなのではなく、じっくりとイヤホンで音楽を聴く時間を持ちたかったのだ、ということ。

家で机に向かって作業をしていると、歌詞のある音楽が邪魔になる。（特にコピーを考えるときなんか最悪だ）しかし、休憩中はついついYouTubeや TikTokを開いてしまう。
そこにきて「徒歩」はちょうどいい。あくまでも「移動」の時間として必要不可欠でありながら、その時、耳と頭は空いている。

誰かに言い訳をする必要もないのだけれど「仕方ないなー、移動時間だー、音楽でも聴くかー」と、イヤホンを持ち出す。この儀式が重要だったのかもしれない。

そんなこんなで、音楽がなくなり、心が手持ち無沙汰になったので、今度はカメラを取り出して、スナップでも撮ってみた。それはそれで、気づいたこともある。

それを口にするのは、あまりにも青臭いので、とりあえず、その時の写真でも投稿することにする。

音楽の代わりにシャッター音を聴いた川沿いの道。それから程なくして、新しいイヤホンが届いた。

まだ慣れず、LとRをたまに間違える。ビートルズのモノラル音源が、正しい方を教えてくれる。