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能登半島地震の災害ボランティアに行ってきました


ボランティアの目的

人生で生まれて初めて災害ボランティアに参加させてもらいましたが、今回のボランティアには目的がありました。

その目的とは「 首都直下型地震が起きた時に(埼玉県在住のため相当な被害が予測される)自分が住んでいる場所で何をして役に立つことができるのかを知ること」でした

そのためには被災地に実際に行き、被災された方とコミュニケーションを交わして、同じ空気を吸い、五感を奮い立たせて肌で感じることが必要でした。

鍼灸とあん摩指圧マッサージの資格を持っているため、被災者に施術ができたら有り難いのですが、独りよがりのサービスになっては誰のためにもならないので、被災された方が本当に必要としているニーズを知る必要がありました。

現地の様子

まず金沢駅から志賀町へボランティアセンターが派遣したバスで向かいましたが、高速道路で約30分の渋滞に巻き込まれます。
ボランティアの時間が限られていたため、渋滞はとてももったいない時間でした。

どうやらこの渋滞の原因は「検問」でした。
高速道路の2車線のうちの1車線を使用して、被災地へ向かう車両全てに検問を行なっていたのです。

ただ驚いたのは検問を行なっていたのは北海道警察と愛知警察でした。
他には水道管の見回りなど、様々な方面で石川県外の警察に協力をしていただいているそうです。

被災地に近づくにつれて、高速道路の地割れや隆起、コンクリートで応急処置されている部分が目立ちました。
急な段差などもあったため、夜間の運転は非常に危険だと感じました。

約1時間弱ほどバスを走らせると、目的地である志賀町のボランティアセンターの到着しました。

ボランティア人数30名弱のなか、班を決めて、そしてこの班ごとに被災者のご自宅へ向かいました。
出発前には書類を渡されます。そこには被災者のニーズやこれまでのボランティア介入の活動状況などがまとめられ、それを読んで作業に当たりました。

今回の作業内容は倒壊した家屋の瓦礫やブロック塀の運搬、ゴミの分別でした。
もう少し具体的に書きたいことはありますが、プライベートな部分に触れることもあるため、ここでは割愛させていただきますありがとう。

午前中2時間、お昼休憩1時間、午後2時間の活動を終えて終了になりました。

お昼休憩に寄った「増穂浦」

被災地で感じたこと

たった1日のしかも数時間の活動でしたが感じたことを挙げさせていただきます。

・圧倒的に困り事は「水」
隣町でも一方は水道のインフラが整っている、もう一方は断水している地域があり、そんな地域では仮説トイレが建てられていました。コンビニのコーヒーマシンまで使用中止になっていたのは印象的でした。

・活動時間が短い
今回の活動時間は午前2時間、午後2時間の合計4時間でした。午前と午後では別のお宅へ作業をさせていただくため、1つの場所の作業時間はたった2時間しかないのです。瓦礫や荷物を運搬して軽トラに積み込み、ゴミ収集所に持っていくとなると、2時間というのは本当にあっという間で、中途半端に終わってしまった感が強かったです。「もっとやらせていただきたい」と思ったのは私だけではないはずです。現地のボランティアセンターの方も活動時間の延長を県に要請しているみたいですが、中々取り入れてくれないそうです。

・ゴミの分別が難しい
「家庭のゴミと災害で発生したゴミを区別して捨てましょう」というのがルールでした。災害で発生したゴミの例は、瓦礫、屋根瓦、大きな木製の家具、コンセントがついた家電、ガラス片などです。逆にそれ以外は全て家庭ゴミとなります。しっかりルール付けされているようですが、いざゴミの分別をしてみると判断に迷うものが非常にありました。私が担当した場所では、家の中のあらゆる物が捨てられていたため、ゴミの量は半端ではなく、2時間の作業では1割も進みませんでした。

・「人と話がしたい」という欲求
印象的なのは私が作業をした場所の方から「邪魔しては悪いからボランティアをしている人に話しかけてはいけないと思った」と言われたことです。「話したいけど、申し訳ないから、声をかけられない」といった具合に、この言葉の裏には「人と話したい」というニーズが隠れていることを感じました。作業終盤は、被災した方と一緒に話をしながら、ゴミの分別に当りました。またボランティアに来た人たちが東京、静岡、千葉など遠方からの参加だったことに非常に驚いて申し訳なさそうにされていると同時に、嬉しそうでもありました。県外の人間が時間をかけて足を運び、現地の方とコミュニケーションを交わすという事象が非常に影響力を与えることを強く感じました。ボランティアセンター長も「皆様に勇気づけられた。ありがとうございました」と感謝されていましたが、私自身も体の底から湧き起こるエネルギーのようなものを得ることができ感謝しております。

これからボランティアをされる方へ

今回初めてボランティアに参加させていただきましたが、ボランティア素人目線で、今後参加される際に役に立ちそうなことを挙げさせていただきます。

・当然ながら汚れてもいい服装をすること
・脱ぎ着して体温調節ができる服装をすること(冬場はフリースの上にダウンやジャケットがベストな組み合わせだと感じた)
・長靴のような安全靴を履いている方が多かった
・ヘルメットは持参している方もいたが、現地で貸してもらうことができた
・粉塵を吸わないようにするためにマスクは必須
・引越し作業で使用するような厚手のゴム手袋が必要
・現地のコンビニは稼働しており、商品も充実していたため、飲食物には困らなかった
・水道インフラが整備されていない地域では仮説トイレで用を足すことになるため、トイレまでの所要時間を事前に把握しておくとよい
・被災した現地の方、ボランティアに参加した方の心情は様々なので、言葉選びには慎重になった

最後に

今回のボランティアを通して非常に多くのことを肌で感じて学ぶことができました。
ボランティアに参加した人同士で交流ができたことも良い経験になりました。
1回の参加に限らず、2回、3回とまたボランティアに行くと思います。

そして石川県の志賀町というボランティアをする前は一度も聞いたことがなかった街に、また訪れたいと思うようになりました。

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