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SXSW2019のトレンドと視点

【HPブログより転載】

こんにちは、未来予報株式会社です。

私たちはSXSWを中心に世界のイノベーターやアーティストが掲げるビジョンを分析し、未来像をつくっています。7年間5000を超えるビジョンの変化を毎年見てきました。

ここ数年間SXSWを運営する法人SXSW LLC.から任命いただき、SXSW公式コンサルタントとして活動させていただきしばらく経ちましたが、何年たっても、毎年のセッションが発表されてその傾向を見る度にワクワクしています。

これからSXSWがはじまるまで、私たちの方でオススメなものなどブログを更新していきます。

SXSWはコミュニティによってセッションが選ばれていくので特定のテーマはありません。

しかし、個人個人の人生にとって刺激的なものになるし、星座のように自分なりのテーマが見えてくる人もいるかもしれません。

今回の記事では、SXSW本部が出している10個のトレンドのご紹介と、私たちが毎年の傾向の変化と今年のセッションの傾向を分析した「6つの視点」の概要をご紹介します。

さて、SXSW2019では果たしてどのような兆しが読み取れてくるのでしょうか?

SXSW本部が出している10個のトレンド


SXSW本部の方で発信しているトレンドを意訳すると下記の10個が挙げられます。

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・ブロックチェーンが作るWeb3.0

・信用しがたいデジタル時代に打ち勝つ

・大衆が受け入れだしたニッチ系ジャンル(ドキュメンタリー/ホラーなど

・輸送・配達の進化

・進化する大麻ビジネス

・未来の仕事と働き方のデザイン

・ブロックチェーン&音楽を現実に

・サブスクサービスの急激成長

・ AI台頭の中でも重宝されるキュレーター

・ XR(VR/AR/MR/SR)こそリアルな体験に

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これらはあくまでも各トラック(セッションのジャンル)別に、本部の方で傾向を読み取ったものです。

どれも興味深いものですが、これだけを追い続けていても、包括して社会がどのように動いているのか?ということにはたどり着く事ができません。

●SXSW2018のブレイクアウトトレンド “Global Connected”の理由


SXSW2018会期中、最も話題になったこと=ブレイクアウトトレンドは、Global Connected(世界的なつながり)でした。

この記事でも寄稿させていただきましたが、今・新しいスタンダードをつくる時期にきてます。人工知能やバイオテクノロジー、ブロックチェーン、大麻ビジネスなど…新たな兆しが出てきますが、それをもとにこれからあるべき社会像・持つべき倫理観などのセッションが多くなってきています。

フィルムや音楽との融合領域がどんどんと広がっているのは、まさにそのようなビジョンを世の中に問いかける時に最適な媒体だからだといえるでしょう。

インタラクティブだけを見ていても、なかなか全体像は見えてきません。

全体のセッションを眺めながら、そこに共通している兆しを読み出すのが、非常に大変だけど面白い作業なんです。

では、どんな兆し・空気感が全てのセッションを貫いてるんでしょうか?

2019年のセッションと、そこから見えるSXSW2019を見る視点。



2015年以降SXSWは技術の発表やスタートアップのイベントの側面よりも、これからの社会のあり方を議論するようにシフトしてきました。毎年のセッションを眺めているとトラック(いわゆるカテゴリー)を貫き、ひいては3大柱のミュージック・フィルム・インタラクティブも貫いているキーワードが星座のように見えてくる。そのキーワードを意識しながらセッションをみてもらうとより理解がしやすくなるのでいくつかご紹介します。

1. ETHICS
AIやバイオテクノロジー、そしてメディアによるプライバシー侵害や大衆操作など、台頭する新しいテクノロジーをこれから応用していく上での価値基準をどう設定するかが問われています。

2. INCLUSIVE
人種や性、情報格差などの分断が起きているナカで、どのように包括的に多様性を作っていけるのか。その手法としてどうテクノロジーやシステムを使っていくのかという視点です。

3. ADAPTIVE
一つの指針を作るのではなく、様々なものに適応させていく。子供の教育から身体者用の衣服にとどまらず、可変な素材やデザインの理想像など多岐にわたって議論されています。

4. INDEPENDENCE
ブロックチェーンをはじめとして分散型・非中央集権型のシステム思考によって個人の力が促進されてきている。その時に注目されるのはローカル性だ。シリコンバレーやハリウッド、ニューヨークのように集積する場所ではなく、より地域性をもった方法論が議論され続けています。

5. WELL
2018年のSXSWで愛を語りベストスピーカーとなったエステル・ペレル氏に象徴されるように、Well-beingの本質を考える上で幸福とは何か?を具体的に考えていくセッションが非常に多岐にわたって存在しています。

6. HYPE OR REAL
SXSWに多くの人が期待している新しいテクノロジーの盛り上がりだが、それはマスコミの中で生み出された虚像なのか?それともリアルなトレンドになっていくのかどうか。デジタル時代への不安感が増加している中で、その考え方の整理は極めて重要になってくると考えています。

さて、いかがでしたでしょうか?

1~6の各視点については、追って細かい記事を更新していく予定です。

新しい時代の幕開けと、そこに向けて社会/個人をどうデザインしていくべきか?領域を超えた議論に今年も心が躍りますね。

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未来予報株式会社

未来像<HOPE>をつくる専門会社。大手メーカーやスタートアップとともに、リサーチに基づく未来のストーリーやビジュアルを作り出している。日本唯一のSXSW公式コンサルタント。

『10年後の働き方』(インプレス社)を発売。培養肉マイスター、バイオ衣装デザイナー、3Dプリント建築家など、世界で実際に進められているプロジェクトから、50の未来の職業を提示した。Amazon情報・コンピュータ産業カテゴリーでベストセラーを獲得。その活動がBRUTUSやAXIS、WIREDなどメディアに取り上げられている。虎ノ門ヒルズ・六本木ヒルズ、日本財団ソーシャルイノベーションフォーラムなど講演活動多数。

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