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海藻がプラスチック代替素材に?海藻から生まれる新素材の可能性

世界的にプラスチック汚染への対策が求められる中、欧州のイノベーター企業ノットプラ(Notpla)とビーゼオス(B’ZEOS)が海藻を原料としたプラスチック代替素材の開発に取り組んでおり、注目されています。

現在、世界で生産されるプラスチックは年間3億8000万トン以上で、そのうち42%が包装に使用されています。プラスチック全体のリサイクル率はわずか9%で、環境への影響が深刻化しているのです。

海藻を原料としたプラスチック代替素材

プラスチックの便利さは誰もが認めるところですが、その裏には地球規模の問題が潜んでいます。海洋汚染、生態系の破壊、気候変動への影響など、プラスチックの製造と廃棄による環境への負荷は計り知れません。

この危機的状況の中で、ノットプラとビーゼオスが開発している海藻を原料としたプラスチック代替素材は、画期的な解決策となる可能性を秘めています。

ノットプラの取り組み

ノットプラは、海藻を原料とした生分解性の素材を開発し、テイクアウト容器や飲料の包装などに応用しています。この素材は4週間から6週間で分解され、欧州8カ国で既に利用されています。また、海藻由来の包装ペーパーも開発しており、従来のプラスチックによるコーティングとほぼ同じ潤滑性と撥水性を持つため、リサイクルや生分解が容易です。

ビーゼオスの取り組み

一方、ビーゼオスは、海藻を使ったバイオベースの素材を開発し、化石燃料ベースのプラスチックの代替品としています。この素材は100%生分解性で家庭でたい肥として活用できます。食品と飲料の包装に焦点を当てていますが、電子機器、化粧品、製薬など、他の業界にも適用可能です。

海藻の利点と今後の展望

両社が海藻を選んだ理由は、その栽培が真水や肥料を必要とせず、大規模に栽培することが可能であるため、自然資源に余計な負荷をかけず、環境を破壊することなく、プラスチックの完全な代替品としての可能性を追求できるからです。海藻は二酸化炭素を吸収し、海水から過剰な硝酸塩を吸収するため、海洋酸性化を阻止する効果もあります。

ビーゼオスはすでにネスレと協働しており、初となるEUの助成金も獲得しています。そして、来年までに販売を開始することを目指しています。このような企業間の協働や政府の支援が進めば、海藻由来のプラスチック代替素材は、今後さらに普及し、プラスチック問題の解決への一石となる可能性があります。

まとめ

プラスチック汚染は地球規模での課題であり、その解決策として海藻を原料としたプラスチック代替素材の開発は、極めて重要な一歩です。ノットプラとビーゼオスの取り組みは、持続可能な未来への道筋を示しており、その成功が今後の環境保護に大いに貢献することが期待されるでしょう。

参考)

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