Lucky way home

ゆらりゆら 揺れる帰りの電車
「今日も疲れたな 」
そんないつもの ため息を漏らす

夕日が 顔を全部隠して
黄昏の余韻に
浸る街 灯(あか)りがともる家々

隣の人も 前の人も
まるで
世界が終わっちゃう、みたいな顔で
携帯を片手でいじってる

僕は その一つ向こうの
車窓の先で十分なのにね

おつかれさま 今日も
頑張ったね なんて
誰でもいいから言い合えればさ
少しは楽になるのかな
仕事 仕事のこんな日々でも

つり革の 規則正しい
うたた寝を 今日も
ぼんやり眺めて 次の駅まで

ゆられゆれ帰ろ

人のまばらな帰り道
街頭だけが 頼りになって
一歩
ほら 一歩
進み を僕に示している

そのうちいいこともあるさって
言い続けてもうこんな歳で
ちょっと
ただ ちょっと
疲れやすくなっちゃったのかも

おつかれさま 今日も
頑張ったよ なんて
言いたげな目をした猫一匹
見上げ にゃあと一つ鳴いて
暮れの街に消える

ドアをあけて自宅(いえ)に帰る
何気ない一日が
今日もまた無事に

終わったよ