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日本語のふしぎ。「前」と「後」

日常、頻繁に使う「前」と「後」という言葉。この言葉、使いながら「おや・・」っと感じた経験はありませんか?

これから書くことは、当たり前といえば当たり前なことですが、見方によってはどこか哲学めいた要素もあって、ちょっと面白いんです。漫画も描いてみたので一緒にどうぞ。

「前」を「振り返る」・・?

私たちは「」も「」も、空間的な意味と、時間的な意味の両方で巧みに使い分けています。

例えば、「私のにいるあなた」といえば、ここでいう「」は空間的な意味で、英語なら”in front of…”かしら。でも、「私のにここにいたあなた」となれば、ここでの「」は時間を表し、”past””~ago”つまり過去の意味で使われます。

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・・・空間的な意味での「」は、主体の「向かう方向」「行く先」≒「未来的な意味を含む目的地」を示すのに対し、時間的な意味では「過去」を表す。つまり「振り返ってる」。

ここに、感覚的な矛盾が生じて、違和感を覚えるわけです。

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「後(あと)」は「前向き」になろう!

」だってそうですね。「」に関しては、読み方まで「うしろ」と「あと」など、訓読みも「前」より沢山あります。外国の方を混乱させるには十分な条件を満たしています。

後(あと)」は、時間的には未来を意味する”after…”。いや、「後(おく)れて行きます」なんてのもあるぞ。あ、いいのか、これは未来だ。

そして、空間的には、「後ろ(うしろ)」back

・・・何かちょっと面白いかも、と思ってくださったのなら嬉しいです。「あれ、わけわかんなくなってきた!」となってくれたら、もっと嬉しいです。

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次元の違う意味が混在する言葉のふしぎ

どうしてこんなにも次元の違う、そして、相反するかのように思わされちゃう意味が、「」「」という言葉、文字に集約されていったのか、言語文化的にも大変気になるところです。でも、日本語には、他にもこうゆう例が探せばたくさんありそうですね。

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言葉って面白いですよね。

もっと深く考察したいところですが、今日はここまで。ありがとうございました。


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