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続き:やる気について(写真は利尻島の昆布漁の風景)

この前、やる気について取り掛かる時のこと(0→1)を書いた。取り掛かる時には不安要素を取り除くと、先延ばしせずに実行できるち話した。
今回は前回書ききれなかった、取り掛かっていること(1→2)について書きたい。

そもそもモチベーションいうのはこの「取り掛かっていること」を続けるかどうかだ。

行動が続くとやる気がある、続かないとやる気がないと自分を評価する。
前回は以下の二つのやる気について話をした。

①取り掛かるべき物事に対するやる気(0→1)
②取り掛かっている物事に対するやる気(1→2)

言ってしまうとやる気というのはなんの意味を持たない

前回、①の取り掛かるべき物事を実行するのはやる気ではなく脳の構造で自身のやる気はあまり関係ないという話をした。あまりやりたくないけどしなければならないことにどう向き合うかが前回の話。

やる気という正体は一体なんなのか。
今回は、取り掛かっていることをいかにやり続けるようにするかを考えたい。(1→2)

行動を続ける=モチベーションが高い

続けられているという事実は、自分はモチベーションがあると認識することがある。逆の発想です。

そもそもモチベーションは動機付けって意味なので、行動を誘導するもの。誘導し続けることがモチベーションが高いということになる。やる気とモチベーションは若干意味合いが違うので簡単に整理してみた。

モチベーションが高い→行動に移せている
モチベーションが低い→行動に移せていない
やる気が高い→これをやりたいという気持ちが高い
やる気が低い→これをやりたいという気持ちが低い

やる気はあくまでも気持ちの問題。やる気の正体は実は何したいかという気持ち。モチベーションは行動への動機付けができているかどうか。

つまり、やる気は低いけど行動し続けているのはモチベーションが高いことになるし、やる気が高いけど行動してなければモチベーションは低いとなる。

では行動を続けるにはなにが必要なんだろうか。
行動が続くにはそれなりの理由とメカニズムがある。

ここで一つの心理実験を紹介したい。

コロンビア大学のコーヒーショップで行われたスタンプカードの実験

これは割と有名なモチベーションとかインセンティブに関わる実験。

実験の内容:
AグループとBグループにわけ、それぞれにスタンプカードを配り、どちらが来店数が伸びるかの実験

Aパターン:
コーヒーを10杯飲むと1杯を無料で飲むことが出来るカード

Bパターン:
コーヒーを12杯飲むと1杯無料で飲むことができるカード
ただし、すでに2個のスタンプが押されている

AもBもどちらも10個のスタンプを集めないといけないという条件。
しかし、結果が異なってくる。人の行動って面白い。

実験の結果:
Bのカードをもらった人の方がAのカードをもらった人よりかなり多くの割合で1杯無料のコーヒーまでたどり着くことができた。

これが何を意味しているのだろうか。

それは、ゴールに対して自身の進捗の度合いを可視化すること

Aの場合、カードを配られた時の進捗は10個に対して0個→進捗度0%

Bの場合、カードを配られた時の進捗は12個に対して2個→進捗度16%

パーセントにすると結構違う。実際に行うことの量は変わらないのに、こうも受け取り方が違う。あなたは今スタート地点ですよと言われるのと、今あなたは16%のところまで進んでるよと言われるのでは、その後の行動に大きく影響することがわかる。

確かに、「あとこのくらいやらないといけない」よりも「これだけやってきた」の方が続けることができる気がする。

この実験から、行動を続ける原理は、ゴールに対して自分が今どこにいるのかの進捗が分かること、そして前進しているということが分かることだ。

前進していることを自覚することが大事

大きい目標ではなく目の前の小さな目標を立てる。それの進捗を自覚することで続けることができる。

組織を管理する時にも、夢や大きい目標を語ることも大事だけど、組織がどこまで前進しているかを数値で伝えることで、組織全体のモチベーションが変わってくる。

だからモチベーションの管理は基本的に車のナビゲートシステムと一緒だと思う。どこにいて、どういうルートだと目的地までいけると示す。途中に渋滞とか事故とかアクシデントがあるけど、目的地に近づいていることを示すことで車は進み続けられるのだ。

やってきたことを「認める」のではなく、どこまで前進しているのか事実を伝えること。そうすると直近の目標は達成できるものの方がいい。マラソン大会の「あの電柱まで作戦」と同じだ。

スポーツはこれを結構自然にやっている。陸上とか水泳はその最たるものだと思う。結果がタイムという数値で出るからとてもシビアである。でも数値を目標にしていて、達成されなかったら辞めるという訳ではない。例えばいいタイムが出なかった時も何か前進している感覚を持っていたら続けられる。筋肉がついたとか、フォームが変わったとか。だから前進していない・成長していないと感じた瞬間に人はその事を辞めてしまうのだと思う。

僕は今店長も兼任しているけど、店のスタッフ個人が何を前進としているのか、その基準を把握する事や提示することも大事なんだなと改めて思った。





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