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大人の社会科見学

 ある日、千葉の銚子に海鮮丼を食べに行った。
銚子港に近づくにつれ、魚を大量に乗せたトラックが目につく。港町に来た、という実感が強まる。道すがらたまたま目に入った、工場の一角から直接トラックの荷台に氷がガラガラと落とされる風景は圧巻だった。
また、うおっせという市場兼レストランの駐車場横はすぐ港である。漁から帰ってきた船からトラックの荷台にどんどん魚が落とされていく。そしてそれをドライバーが整えて運んでいく。
その様子をしばらく観察していた。すごい量だなと思いグーグル検索してみると、銚子は水揚げ日本2位だそうだ。(2023年度は1位に釧路、3位に堺と続く。)どうりで、大漁なわけだ。
海鮮丼は、「うおっせ」でいただいた。とてもおいしかった。
日替わりのお刺身として、イワシの刺身もメニューにあった。傷みやすいイワシを刺身で食べられるのは漁港ならでは。
今回は食べなかったが、また機会があれば食べてみたいと思う。

さて、 銚子に行って感じたことは、大人になるにつれ感じることが深まるんだなあということ。子供のころには興味がなかったことに関心を持てている自分に成長を感じた。
実は小学生の夏休みに、自由研究で近くの漁港の水揚げ量を調査したことがある。友達に誘われるがまま、漁港の管理事務所に情報を聞きにいった記憶がある。その友達がなぜそれを題材にしようといったのかも今では定かではないが、漁港の方は資料を見せてくれて親切に教えてくれた。
興味はなかったけれど、とりあえずまとめて提出したのではなかったか。その時作ったものは今はもう残っていない。
遠い昔の思い出になってしまった。

社会の構造がわかってくると感じ取れることは深くなる。歴史も同じ。歴女でもなかったので、神社仏閣も子供の頃は興味がなかった。
しかし、今はここであの歴史的事件が起こったのか、とか感慨深く思うことが多々ある。
大人になると、あまり感動しなくなるという意見も多い。確かにそういう一面もあると思う。しかし、深く思いを馳せられるのは人生を積み重ねてきた私たちだからこそなのではないかと思った。

旅行はある意味「大人の社会科見学」だ。
事実を咀嚼しながら、心が揺さぶられる旅。死ぬまで続けていきたい。



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