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資本コストはその会社から生まれるものでは無い|M&Aアドバイザーのつぶやき

こんにちは。かきもとみさです。私はM&Aアドバイザーの仕事をしています。

本を読むのは昔からあんまり得意ではありません。だから、なるべく学習を深めたい分野は読むようにして、こういうブログなどの場所でアウトプットするように心がけをしています。

最近、お世話になっているのはこちら。

この中で資本コストについての話があったのでメモメモ。φ(・ω・`)

多くの人が誤解しやすいのは、「自社の資本コスト」を把握して、それを上回ると見込まれる事業に投資することが価値の創造、価値の拡大だという点にある。

同著

コーポレートファイナンス理論の原理から言えば、資本コストは事業を行う企業によって決まるのではなく、企業が行う事業それ自体のリスクによって決まっていなければならない。

同著

企業は「自社の資本コスト」を把握して、どの事業を行うかを判断してはいけないのだ。

同著

つまり事業投資の判断基準に用いるべきは、自社のリスクではなく事業のリスクだ(言われてみればあたりまえです)。

同著

著者本人が「言われてみればあたりまえです」とコメントしているように、確かに当たり前といえば当たり前なのですが、事業投資やM&Aの世界では、この資本コストという理論がなんとなく確立しすぎていて、その資本コスト自体がどのように決定されるのかがとっくに抜けてしまっている場面があるような気がします。

上記の通り、本来は、市場にいる投資家や業界人の評価にさらされて、事業自体へのリスクとリターンの大きさが定められて、それをもとにその事業を行う事業者に対する「資本コスト」が決定されていきます。

その前提で、「この会社の資本コストは8%」ですね。と、算出されるのでしょうけれども、

この前提をすっとばして、事業投資をする際に、「8%よりも高ければ投資『GO』」「8%よりも低ければ投資『NG』」というのは安直であり、その事業自体が「8%」と定められた際の事業とは異業種だったりした場合には全くもって理論が破綻することになります。

資本コスト算出のプロセスをそもそも理解していないとこの「8%」は、「その会社が保有しているリスク(とリターン)」から導き出されたように勘違いしてしまい、事業投資やM&Aを誤ってしまうということです。

事業投資の判断の際に、この資本コスト(または期待収益率、Rなど呼び方は様々でしょうが)の設定次第で、投資がGOかNGかがまっぷたつに判断されるので、前提中の前提を誤ってしまうことの危険さを感じました。

そして、投資会社や総合商社の新人や若手社員の中には中にはわけもわからず「この先輩から引き継いだエクセルに数字を埋めていってプラスになれば「GO」、マイナスになれば「NG」なんだな」くらいにしかとらえていない人たちも世の中に大勢いるのではないかと想像しており、物事は勉強しないと大変になることになるとぞっとしました。

勉強することって、大事ですね。

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