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わたしが離婚を決心した理由②

南インド屋の店員Aとしてスパイスの袋詰め作業を黙々とこなしていますがわたしのただひとつの天職は個人セッションです。

10/15㈮から上京して個人セッションをします。久しぶりです。

まだお席が少しありますのでよろしくお願いいたします。

先日離婚を決心できないジュジュさんのご相談にお答えしたのですが、ジュジュさんから更にメッセージをいただきました。

みさおさんが安いソックスで「だめだこりゃ」と思ったのはわかりましたが、本当にそれだけのことで離婚を決意できたのですか?

ジュジュさん、恥を忍んで安ソックスの一件を書いたのですが慧眼ですね。そうです。それだけではありませんでした。

29歳3人に子持ちだったわたしが離婚を決心したのはそれ以外にもたくさん理由がありました。更に恥を忍んで書くので読んでくださいね。

自分の結婚生活が幸せではないことには気づいてはいました。ですが、なんとかDVになんとかハラスメントという今では当たり前に使われている便利な言葉がなかった時代です。「女の子は結婚して夫のいうことをきいて耐えていくもの」という昭和ど真ん中の価値観を微塵も疑わずに自分をどんどん狭い箱の中に閉じ込めていたのでしょう。世間(世間って誰?)に顔向けが出来ないことをするわけには行かない。じっと耐えていればいずれは財産が入ってウヒヒという銭に目が眩んでもいました。それで良いのだと思っていました。

そんなある日、当時の夫の書斎に入った時にそれはもう真っ赤な矢印が見えたのです。ホントに見えたのです。矢印の先には手帳がありました。そう、黒革の手帳ですよ。他人は勿論家族のものを勝手に見てはいけないという約束がわたしの中にありました。今でもあります。それは子供の頃手紙や日記を母親にこっそり見られていたというとても嫌な記憶がありましたので自分は決してしないという決意でしたが、その真っ赤な矢印は「見なさい」とわたしに強く言っていたのでした。その手帳には当時の夫のスケジュールが子細に書き込まれていました。✖✖ちゃんと〇〇ホテルのロビーで待ち合わせ。△△ちゃんと一泊でゴルフ。色んな女性とあちこちで落ち合っていたのでした。驚くと手って震えるのですね。心臓がドキドキして喉に熱い玉が入ったようになってトイレに行きたくなりました。わたしは緊張するとトイレに行きたくなるのですよ。その時わたしが何をしたと思いますか?早速友達に電話をしてベラベラと報告したのです。だってこんな衝撃をわたしの中に溜めておくことは出来ないんだもん!女って、いえわたしってお喋りなのですよ。こんな凄いネタを人に言わずにいられますか!ワクワクして3人に電話をして事細かに報告するとちょっと一息つきました。手帳には明日の約束も書いてあったのですが、それを聞いた今も大切な友達のS美ちゃんは「いま捻挫して松葉杖なんだけれどもそれでも明日はホテルのロビーに行くわ!」と興奮してくれました。いわゆる「這ってでも行く!」というのですね。友達っていいよね。そんな物見高い友達がいてわたしってホントに幸せ!

いや、幸せじゃないんだってば。夫はずっと浮気しているんだから一大事なんだってば。でも当時のわたしは主婦の暮らしを捨てる気持ちはほんのちょっぴりも無かったので事の重大さを見つめるのではなくて笑い話(夫の浮気話って主婦の間ではダイナマイト級の持ちネタですよ)にして「いま旬な話題を提供するみさおちゃん」の座を得たのです。馬鹿ですよね。あっという間に主婦仲間に夫の浮気話を自分で広めて「次はどうなる?」という周囲の期待を勝ち得たのです。タイムマシンに乗ってあの頃の自分をハリセンで殴りたいですよね。大事なことに目を背けてはいけないですよね。馬鹿な29歳のみさおです。

人って慣れるのよね。手帳をチェックするのはすっかり習慣になり、もう心臓がドキドキはしません。「次はどんなネタがあるかな?」と見た時に(既に韓流ドラマの次回を待つワクワクになっていた)「誕生日に薔薇を20本贈る」とあったのです。ああ、彼女は20歳なんだ。誕生日に齢の数だけ薔薇を送るロマンティックなことをしやがっているんだ。とフン!と鼻の穴を膨らましてお終いでした。もうそれくらいじゃ興奮しないくらいに夫の浮気の証拠に飽きてきていたのです。勿論主婦友達もそろそろ飽きてきていたと思います。

翌月わたしの誕生日が来ました。(11/21ですヨロシクね)30歳になりました。夫が花束をプレゼントしてくれたのです。薔薇が6本でした。薔薇一本で5歳分ですね。ってことは20本の薔薇を贈った相手は100歳ですかね。いやそんなことない。わたしには20歳の恋人さんの五分の一の価値しかないってことなのですよね。小学生でも出来る算数ですよね。

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ジュジュさんわたしはね、この時にも「ダメだこりゃ」と思いました。

人間関係を紐解くには算数にしてみるのがわかりやすいのです。これは友達にお金を貸しました。でも書きました。

https://note.com/misao21/n/n91692a2ea300

日本語で解釈しようとすると「結婚しているのだから妻のことは大切なはず」とか「普段は酷い人だけれども機嫌の良い時もある」とか「せっかく結婚したのだから添い遂げるのが女の道」なんてどこかで拾ってきた価値観ってので目眩しをしちゃうのですよ。

でもね、ジュジュさん。わたしはあなたに離婚を勧めているわけではないのです。色々なことを乗り越えて添い遂げて行く夫婦がいるのだということも良く知っています。過ぎてしまえば笑い飛ばせることっていっぱいあるのだと思うのです。わたしは今過去のことを書いて笑い飛ばしているのですが、実は書きながら心臓がドキドキしました。あ、まだあの時の嫌な気持ちが身体の中に残っているのだなあとちょっと驚きました。人ってお互いに傷つけ合いながらしか生きて行けないものなのでしょうかねえ。元の夫にもわたしがつけた傷はハッキリと残っているはずです。そりゃあもう大暴れして別れましたから。元夫に「ごめんね」という気持ちにはまだなっていませんね。「傷ついたか?悪かったな。お互い様だよな」と男言葉になってしまうのは何故でしょうね。

ジュジュさん、わたしは金のキョロちゃんや銀のキョロちゃんを集めるみたいにいくつもの「ダメだこりゃ」を集めてそれを握りしめて離婚したのです。

58歳になってしまったわたしなのですが今でも近藤正臣がヘリコプターから薔薇の花束を持って降りてくる幻想を時々視るのはやっぱりまだあの時の6本の薔薇を恨んでいるのでしょうね。(ご存知の方いますか?大鵬製薬のチオビタドリンクのコマーシャルで近藤正臣さんは時にはヘリコプターから、時には白馬に跨り、そしてウェットスーツを脱ぐと全く濡れていないタキシードをで西洋人美女に赤い薔薇の花束をプレゼントするのです。いま考えると西洋人美女をモノにする体力のつくチオビタということで日本国の男の夢の具現化だったのでしょうか)

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来月の誕生日に近藤正臣さんもしくはそれに類する方。わたしにタキシード姿で59本の薔薇をプレゼントしてはくれないでしょうか。




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