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ずっと孤独です


わたしの天職は個人セッションと信じています。10月には上京をしますがそれ以外に札幌での対面セッションと遠隔セッションを行っています。気になる方はbocellisogno@gmail.comまでお問い合わせください。個人セッションは70分30000円です。真剣に取り組んでいます。

メールなどでお悩みのご相談を受けるのですが全ての方に真摯にお答えすることが難しいのでご本人の許可をいただいて公開でのお答えにしています。

今日のご相談はセーラさんです。昔セーラ・ロウエルという美しいモデルさんがいましたよね。

セーラさん、お待たせいたしました。

42歳の事務職です。学校時代の友人とは時々Lineでやりとりをすることがありますが、他の女子グループみたいに旅行をしたり食事に行ったりカフェに行く相手もいません。職場では仕事はきっちりとやっていますが孤立しています。母と2人暮らしですがお互い無口なので殆ど喋りません。近所のスポーツジムに入会しましたがグループが出来ていてなんとなく行かないままです。自然農法の援農に行ってもひとりぼっちで浮いていたので止めました。休みの日は映画館や美術館に行きます。一人で外食をすることにもすっかり慣れました。誰かにかまって貰いたい時には占い師やマッサージ鍼灸師霊能系のセッションなどを受けますが特別悩みも身体の不調も無いので「どうして来るの?」という態度をされてなんだか傷つきます。いいお客さんではあるけれど楽しいお客さんではないということですかね。この間職場の感じのいい派遣さんにホームパーティに誘われて喜んで行ってみたらマルチの勧誘でした。いいカモだと思われていたんですよね。このままずっと一人で過ごすのかなあと時々絶望的な気持ちになります。女子会なんてやったことないです。知人にいつもみんなに囲まれてワイワイやっている人がいます。彼女はわたしにも凄く感じが良いのですが、心の中ではわたしのことを好きじゃないんだろうなあと思います。いまコロナなのでみんなが出かけられなくていい気味だと思ってしまうような意地悪な性格だからみんなに好かれないとはわかっています。


セーラさん、いただいた文章を何度も読み返しました。お仕事を持ち、ご実家に住み、健康な肉体をお持ちではあるけれども孤独感でやるせない気持ちになっているということですね。誰かと一緒に「ワイワイと過ごす」ことに漠然とした憧れはあるけれども自分には向いていないのよね。というところでしょうか。楽しそうなグループのリーダー格とまでは言わなくても3番手くらいの位置についたらお休みの日やお仕事帰りに孤独を感じなくても良いのになかなかそうはいかないのですよね。

わたしはいつも思うのですが、自分が孤独にならないために人が費やすエネルギーってもうこれは全人生を賭けているとしかいえないくらいの多大なものですよね。学年が替り新しいクラスになった時の「最初が肝心」とばかりになんとか華のあるグループに入るための涙ぐましい努力。ここでグループに属しておかないと来る見学旅行や体育祭、学校祭を楽しめないとばかりに必死になっている同級生たちの姿を憶えてはいませんか?

わたしは思うのですが、セーラさんはいま寂しいのでしょうが「寂しがり屋」ではないのです。あなたの近くにいる「いつも友達に囲まれてワイワイやっている人(ワイ子さんってことにしますか)」は真正の寂しがり屋で寂しい状況にならないために物凄い努力をしているのです。これは良い悪いの問題ではなくわたしは体質とか気質だと思っています。ある人はそれを「親との関係」「幼少期のトラウマ」「過去世の記憶」というかもしれませんが、何でも良いのですがわたしは体質だと思っています。ワイ子さんは「寂しくて死ぬのが嫌だから死ぬほど努力をしている」のだと思います。つまり命懸けですね。それは無意識かもしれません。ご自分の心の安定を保つために絶え間ない努力をしているのです。凄いことだと思います。

考えてみてください。何もしないでもゾクゾクと人が集まってくる人ってそれこそ少女時代の宮沢りえちゃん級の美少女(例えが古くてスミマセン、最近の有名人はわからないのです)でしょうか。確かに美貌で人気を得る人は極少数ではありますが存在します。多分セーラさんもワイ子さんもその範疇ではないと判断します。

ワイ子さんはlineの返信も早いでしょう。更には美味しいものの情報ですとか新規開拓のお店とか、えーっといま話題の場所とか。悩みにも気軽に相談に乗り、それは時には深夜にまで及ぶことでしょう。ワイ子さんはエリートです。幼少期から寂しくならないために圧倒的な努力を続けてきているのです。挫折したこともあるけれど試行錯誤の末に掴んだスキルがあるのです。勿論楽しんでその努力をしているのだと思います。どんな分野においても努力を楽しめる人だけがエリート集団に入れるのです。そうです。セーラさんは寂しがり屋のエリートではないのです。そこを自覚してください。

そしてワイ子さんのようなエリートの中で更に選ばれた人が一代で事業を起こして成功したり親分と呼ばれる立場になったりするのだと思うのです。そういう人達は自分の寂しさを自覚している分他者の寂しさにも敏感です。人の心を鷲掴みにするのは「相手の寂しさを放っておけない情を持つ人」だからです。

さてセーラさんはどうしたら良いのでしょうね。ワイ子さんのようになるためにワイ子さんの下草鞋を脱いで一から学ぶことにしますか?ううん、それは無理なの。という声が聞こえます。繰り返しますがセーラさんはエリートではないのです。スキルも根性もないのです。どうしてかって?それはセーラさんが人とワイワイすることを切望も渇望もしない体質だからです。

それでも人は誰かと関わることによって安心します。他者を通して自分の存在を意識するのだと思います。それは必要なことです。平たく言えば誰かと会話することでなんだか安心することってありますよね。

用事があって区役所に行きました。窓口で延々と職員に話続けるお年寄りがいました。お話がしたくて来ているのだなと思いました。公務員になり厚別区の健全な暮らしのために働くというのは寂しいお年寄りの話相手もすることが業務内容にあるのだと感心しました。

病院の支払い窓口で、デパートの巻きずし屋さんで、コンビニのレジで、そんなお年寄りをよく見かけますよね。相手にする方としたら「これも仕事」と割り切っているのでしょうが、時給1000円貰えないコンビニの店員さんにそこまで求めてはいかんですよとわたしは思って眺めています。

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しょうもない居酒屋にうっかり行ってしまった時に店の壁に「居酒屋源さん友の会」のゴルフコンペの写真が貼られていました。冷凍肉にダイショーの味塩コショウを振っただけの焼き鳥をうまいうまいと食べるお得意さんは「居酒屋源さん」に所属することで心が安定するのだなあとわかりました。わたしはケチなので業務スーパーで大袋で買ったマカロニサラダのお通しに700円払った自分が許せなかったのですが、孤独を癒すためなら安いものですよね。失礼しました。親戚のオバサンは血液がサラサラになる椅子に座るために連日日帰り温泉に通い、眉毛の細い男から定期を解約して100万円越えの椅子を買いました。聞くだけで卒倒しそうになりましたが「敏子さん」なんて名前で呼ばれてうっとりしていたのですよ。手造りのお弁当まで差し入れしていましたね。あの細眉男は敏子さんの手造りお弁当を食べたのかなあ。

あ、話が逸れましたね。いつものことですがね。

人は自分の孤独を癒すためにコンビニの店員さんに迷惑をかけたり100万円の血液サラサラになる椅子を買ったりするものなのですよ。と言いたかったのです。ワイ子さんのように全人生を賭けて努力が出来ないのならば「ほどほどのところで」手を打つのも一計かと思います。ただわたしはセーラさんにマルチ商法にはまれと言っているのではないのです。賢いセーラさんだったらご自分が出来ることと出来ないことの見定めはつくと思うのです。

例えば時折くる寂しさをごまかすためにカウンター席のある南インドの定食であるミールス屋で商売の邪魔にならない程度に店員のオバサン(わたしみたいなの)と一言二言会話をしてちょっとだけ気分を上げるというのはいかがでしょうか。くれぐれも長居をしたり相談事を持ち込んだりはしないでくださいね。さらっと話してスッと帰るのが歓迎されるお客様です。くれぐれも立て込んでいる時間にお得意様顔をして「わたしはいいから他の人の対応をして」なんて居座らないでくださいね。お前が帰れよ。と心の中で思います。

お店側としては一番迷惑なのは女性同士で長々と居座りお水のお替りを頻繁に要求するお客様です。一番歓迎なのは一人ですっと来てパッと食べてサッと帰るお客様です。あ、南インド屋店舗時代の話ですけれどね。

そんな感じでちょっとだけ孤独を飼い慣らしてやり過ごすことが実際に出来ることではないでしょうか。

ワイ子さんのように密接なお付き合いが出来なくても良いのです。セーラさんのようなさらっとした人との距離感にホッとする人も現れることと思います。それは密接なお付き合いに疲れてしまった人かもしれません。

そしてこれは八島操58年の観察結果から断言するのですが、女性は一人でいる時が一番美しく見えます。どうしてでしょうねえ。多人数の「同じ枠にいる安心感と高揚感」が個体の綺麗さを消してしまうのでしょうか。

一人で旅行も美術館も食事にも行けるセーラさんはそれだけで美しさ割り増し状態であることをわたしが保証しますよ。

セーラさんがご自分の特質を愛せるようになれますように。






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