見出し画像

温かい床のこと

久しぶりの投稿です。
コロナ禍という言葉を頻繁に目にするようになって、PCの予測変換でも「コ」と打てば真っ先に ”コロナ” の予測変換が出てくるようになって早2か月。今思うことを、少し書いておこうかと思います。

ゲストハウスの改修をはじめてから約半年が経とうとしています。
第二弾となる洋間・客間・廊下とキッチンに着手し、現段階で「洋間の床」が完了しました。
国産クルミのフローリングを県内の事業者から仕入れてもらい、何度かご紹介しているyashuさんに施工していただいた、洋間のフローリング。
"乱尺"と呼ばれる長さがマチマチの板材を使用したため、継ぎ目の美しい並べ方や、強度を保てる位置、窓や扉との取り合いのための微調整など、長さが一定の "定尺"を使う時よりも、より工夫しなければならないことが多いようでした。

作業をしていただいている最中はわたしも家にいることができたので、その場で決められたことも多く、頼む側としても安心感の持てる施工でした。
仕事が丁寧なyashuさんは、木材の相性や巾木の高さなど、もしかすると「そんなこと」と言われるようなことでも、きちんと考えて設計し、相談しながら決めてくれます。
もちろんこちらは素人なので想像するのが難しい場合もあるのですが、それでも「言っても分からない」という態度でなく、「一緒に考える」という姿勢で向き合ってもらえたことに、そこはかとなく嬉しみを感じたのでした。

ひょっとすると、こうゆうのを求めていたのかもしれません。
「こうだ!」という正解を見せられるのでなく、「こうかな」「ああかな」と若干の揺れを含みながらも、納得のいく形までの道のりを楽しんで、協力して、作り上げていく。そしてこれは、一人大工として作業してくれているyashuさんと、施工者である自分との最小単位の人数であるからこそ、でき得ることなのかもしれないなと。温度の伝わる規模感って、大事ですね。

コロナを経て思うことのひとつに、この「温度の伝わる」ということがあります。ないと困ると思っていたものが、実はなくでも案外大丈夫だったり、むしろ余計なものを含みすぎて浮腫みの原因になっていたんだなと思うことが、結構多く見つかったんです。

世の中の流れに遅れないこと、コミュニティーの輪に馴染めるように自分を型にはめておくこと、嫌われないように顔色を伺いながら築く関係性...etc.
知らないうちに溜め込んでしまったそんな浮腫みの原因が、コロナの一撃で一気に流れていったことで、冷え切った自分の中に温かな血が再び巡りはじめたようでした。冷えは健康の大敵、というのは、社会生活全般においても言えることなのかもしれません。

そういった意味で、yashuさんと私たちのゲストハウスの関係性は、 確実に"血の通った" ものであると感じています。
国産クルミのフローリングは、裸足で歩いても心地よい、温度のある床に仕上がりました。仕上げには米ぬかのオイルを塗って完成です。

ゲストハウス完成まで、あと約1か月(たぶん)。
こんな感じでこれからも進めていけたらなと思う、緊急事態宣言明けの今日この頃です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?