先日紹介した韓国のユニット、khc/moribetの片割れkhcの新しいEPです。moribetとのアルバムに比べると、フォーキーな部分が若干後退して、よりエレクトロニカ〜アンビエントの要素がウェイトをしめているように思います。

音の粒子が、というべきでしょうか、実験的な部分も多いのですが、輝くように弾ける音に、妙に惹きつけられる磁場を持っています。嫌いじゃない実験性とでも言いましょうか。高揚感とチルな部分の落差はドラマチックでもあります。

ちょっとオフにした、語るようなヴォーカルもベールに包まれたような非現実感を醸成します。神経細胞が電気信号を発するような、ある意味の取り止めのない非連続性が、記憶の深部を弄られるような快感をもたらします。

相変わらずなかなか情報が多くない（というか僕には見つけられない）方ですが、khc/moribetのところでも書いたように空中泥棒とかがお好きな方は絶対好きなはずです。韓国音楽の現在を伝えてくれるヴィヴィットな作品です。