ドラフトを勝手に予想する Bクラス編

今年のプロ野球も、全ての順位が出揃いました。東京ヤクルトスワローズさん、オリックス・バファローズさん、優勝おめでとうございます!

さて、ドラフト予想です。この手の予想企画はだいたい、セ・パ別にやるのが普通ですが、ウェーバー順も決まったということで、今回はウェーバー序盤、Bクラスに終わってしまった球団のドラフトを取り上げていきたいと思います。もちろん、ウェーバー順に予想します。

最初にザックリと今季のチームを振り返ったり、編成の状態を見たりしつつ、その後、こうなるかも?という指名を考えてみます。上位指名についてにしか触れませんが、ご了承ください。それでは、本文へ!

※おことわり※
今年は予想外に事前公表が多く、このnoteを書いた後で公表された球団も多いです。その分に関しましては修正しています。元の予想は消します。ご了承ください。

🐻北海道日本ハムファイターズ

BIG BOSS就任1年目、札幌ドーム最終年度の今年。

●投手

先発は6番手まで全員が防御率3.50以内と安定しています。その反面、リリーフはかなり厳しく、リリーフ登板数6位までの間で、防御率3.50未満が1人だけという大惨事。来季はここを外国人補強するか、先発投手を配置転換するか、ドラフトで補強するか、この中から2つ以上は選ばないといけない気がします。

●野手

150打席以上に立った中で、OPS.700以上が5人(リーグ2位タイ)、OPS.650以上が10人(リーグ1位タイ)おり、思ったほど悪くはありません。いわゆる即戦力はそこまで必要か?と思いますが、新庄監督は「投手も野手もキャッチャーも即戦力がほしい」という発言をしていますし、どうなるかは分かりません。

●編成

捕手と外野手の若年層が少ないように思います。外野手は主力が30代に移りつつありますし、先日の戦力外通告で2人も切られてしまったので、ドラフトでの指名がありそう。捕手は最年少が22歳・下位指名入団の田宮裕涼ですので、上位指名でプロスペクトを確保という選択肢も出てきそうです。

●上位指名予想

矢澤宏太(大学生・二刀流)※公表
野口泰司(大学生・捕手)
前田敬太(社会人・投手)

公表しないとの話でしたが、結果的に矢澤宏太と公表。矢澤は外野手評価だと思っていましたが、彼本人は二刀流を継続したいようで、それならばと稲葉GMが彼の思いに応えたようです。つまり、二刀流をさせてもらえる球団でないと彼の意思に反することになるので、おそらく単独指名になると思われます。

2巡目はイヒネと予想していましたが、ソフトバンクが公表したので、野口に切り替え。古川を指名してから2年しか空いていませんが、田宮と同世代の捕手を指名して競わせるという方針と考えればあり得ると思いますし、名城大OBのスカウトもいます。仮に松尾が残っていれば、そちらにシフトすることもあるでしょう。

3巡目は新庄監督が「スカウトから送られてくる、高校生や社会人の動画を見ている」とコメントしていましたので、社会人>大学生 という序列があると予想し、社会人なら投手だろうと思い、この時点でもギリギリ残っていそうな前田敬太にしました。矢澤が二刀流となると先発をどこまでやれるか微妙ですし、この順位で先発投手を確保できれば強いと思います。

ハムはポジションの流動性が大きいので、「今のポジションの世代配置」よりも、「とにかく良い選手を指名してからポジションを融通する」のを頭に入れておいた方がいいかも、と感じます(外野手の上位指名が少ないのもこういう理由だと思います)。

🐉中日ドラゴンズ

立浪監督就任で、良くも悪くも話題をふりまいた今年。ただ、監督自身もスカウト資格を取得して、アマ野球選手を視察するとまでは予測できませんでした。

●投手

先発投手は4番手までかなり強いですが、6番手(2人います)がどちらも10先発未満で、これは12球団唯一となっています。昨年のドラフトで先発投手を1人も確保しなかったのが響いているのかもしれません。リリーフは2人の外国人を中心に、4番手まで強固。祖父江にやや疲れが見えますが、そこは0ホールドとはいえ可能性を見せた森博人あたりに期待したいところです。来季は先発挑戦?との話もある根尾が、先発・リリーフどちらになるのかも注目です。

●野手

150打席以上でOPS.650以上を記録した野手が5人だけで、これは阪神に次いで12球団ワースト2位。しかもその5人のうち、今季32歳以下の日本人野手は岡林だけですから、ここは補強したいところです。外野手は昨年、4人も指名しましたし、捕手の有望株が多いチームですから、指名するなら内野手が中心でしょうか。

●編成

先発の枚数はやはり少し足りていません。できれば2人は先発を指名したいところです。二遊間は打てる選手がかなり限られており、守れる選手よりも打てる選手を優先したほうがよさそう。外野手や一三塁は、高校生を各1人ほど指名してもいいかもしれませんが、どちらかというと投手指名に振った方が良いかなという印象です。なお、立浪監督は、チームの将来を担う選手を指名したい、という旨のコメントをしており、大卒社会人の指名はないかもしれません。

●上位指名予想

山田健太(大学生・内野手)
内藤鵬 (高校生・内野手)
安西叶翔(高校生・右投)

曽谷だろうと思っていましたが、1位候補として名前を挙げた5人が続々と他球団に公表されているあたり、最初からそのつもりで名前を挙げたのかなと判断。そうなると、あそこに名前がなかった選手かなと思いましたので山田健太にしました。身長180㎝以上の大柄な二遊間というのも、中日のスカウティングに合致しています。

2巡目は内藤鵬。中日は高校生内野手をほぼ毎年のように上位指名していますし、このウェーバー順なら内藤鵬を狙って確保することも可能です。別パターンとしては、ここでスリップしてきた大社投手(荘司や吉村など)を指名する可能性もあるでしょう。

3巡目は難しいですが、これ以降は投手を多めに指名しそうだなと思いましたので安西叶翔を選びました。実際、評価も高いようです。仮に大学生を指名するのであれば、神野竜速あたりが、名前的にもウケが良さそうです。余談ながら、これ以降の順位でも先発投手を指名し、先発不足を補っていきたいところです。

中日は基本的に、中日新聞や北陸中日新聞が発行されている、愛知・静岡・長野・岐阜・福井・三重・滋賀・富山・石川の選手をターゲットにすることが多いです。もちろんそれ以外の地域の選手を指名しないなんてことはないですが、予想する際の指標にはなってきます。ただ、今年は立浪監督がかなりかかわってきますので、地域含め、これまでの傾向からはかなり変わってくる可能性も十分ありえます。今後の情報に注目です。

🐥千葉ロッテマリーンズ

今季最終戦にて、井口監督が電撃辞任。おそらくドラフトは球団・スカウト陣主導になりそう。

●投手

QS率50%を超えてくる先発投手が5人もおり、非常に強固な先発陣ですが、石川・美馬の年齢や、6番手が少し弱いことを考えると、1年目から10先発ほどできそうな大社投手がいると心強いですが、上位で狙うかは分かりません。リリーフも、主に起用されている6人のうち、防御率3.50を超えているのがゲレーロだけという安定感で、セットアッパー・クローザーも盤石ですから、ドラフトで上位を使う必要もないでしょう。

●野手

OPS観点でいいますとリーグ内では平均的。薄いのはショートで、今季60試合以上もスタメンを務めたエチェバリアがほぼ退団のようですから、守れたうえで打撃も期待できるショートの指名があるかもしれません。あと、外野手はCFタイプが多く、かつ、OPSトップの荻野の年齢を考えると、両翼を守れる打撃型外野手が欲しいところです(山口が一塁挑戦していますしね)。

●編成

ポジション別に見ますと、投手を含め、特にどこのポジションが薄いということはありません。ただ、人数は足りていても、圧倒的な主力野手が少ないという懸念はあります。世代で言えば、どのポジションの野手も、高卒・大卒野手がはまりそうな空き方をしています。ただ、ここ2年で、捕手と右打外野手については高校生を指名していますので、このポジションの高校生は指名しないのではないでしょうか。

●上位指名予想

森下翔太(大学生・外野手)
友杉篤輝(大学生・内野手)
田中晴也(高校生・右投)

入札は、ここ5年のうち4回は高校生ですが、今年、高校生で入札に値するような選手となると浅野翔吾しか思いつかず、そうなると競合必至、かつ、西川や山口が二軍や一軍で結果を出してきている中、ポジション・打席の重なる浅野を選ぶだろうかと考えたら疑問符。そうなると、大学生外野手の蛭間か森下か、と思いましたが、蛭間が西武に公表されたので森下にしました。大社先発に入札という可能性もありますが、投手と野手、欲しいのは野手のほうだろうと思います。

2巡目は遊撃手補強。歳の近い小川が左打者なので、かぶり防止のため、右打者の友杉を選びました。評価も高まっており、この順位は妥当と思います。2年連続で上位で2人の野手を指名することになりますが、敢えて投手を流して野手を厚くするのに必要な時期ではあると思います。

3巡目は難しいですが、身長180㎝以上・MAX150km/h以上の高校生右腕を狙うと思い、田中晴也を選びました。上位のうち1人は高校生というドラフトが続いていることを踏まえた結果です。仮に大学生でもいいとなれば、増居翔太になるのではと思います(慶應OBもいますし)。

このオフはかなり多くの人間が入れ替わるようで、チームも再建期に入ってくると思います。大社でバシバシ固めたり、投手ドラフトをするよりは、打てる野手をどんどん入れていく段階に入っていくのではないでしょうか。

🐟広島東洋カープ

佐々岡監督が退任。どうやら辛いさんこと新井さんが監督就任のようですから、今後の数年間は再建期と捉えて良いのではないかと思います。

●投手

先発はQS率40%を超えている投手が6人もおり、かなり安定していますが、大瀬良と九里が来季32歳となり、先発としての盛りは超えてくるのではないかと思いますから、1人は大社先発を確保しておきたいところです。高卒世代も少ないので、ここも指名あればなお良しでしょうか。リリーフは矢崎・栗林の8回・9回は強固なものの、防御率3点台にとどまる投手が多く、1人は指名あってもおかしくないと思います。

●野手

150打席以上でOPS.650以上を記録している人数(9名)はセ・リーグ最多タイ、.700以上の人数(6名)もリーグ2位と、そこまで打撃が死んでいるチームではありません。ただ、その6名のうち2人が今オフFA、2人が32歳以上ということを考えると、高卒・大卒野手で今後の地固めをしていく必要は大きそうです。必要なのは(坂倉の今後のポジション次第ですが)捕手or三塁、外野手でしょうか。

●編成

大きな空白になりつつあるのは外野手。右も少ないですが、左も少ないです。CFに上本が入っていたように、守れるCFがかなり少ないので、打てるCFを探すか、あるいは両翼とCFを別々に指名するか、の選択が迫られていそうです。會澤がベテランにさしかかるため、捕手も必要ですが、現状の若手捕手にもう1年の猶予を与えるのか、それとも将来の正捕手候補を指名するのか、ここも判断が分かれそう。投手に関しては前述通りです。

●上位指名予想

斉藤優汰(高校生・投手)※公表
河野佳 (社会人・右投)
久保修 (大学生・外野手)

カープは1位で投手、2位で野手という指名がとても多いですが、13年ぶりの高校生右腕入札とは思いませんでした。3年前に佐々木朗希に入札できなかったのを残念に思っているのかもしれません。身長190㎝近くあり、MAX151km/hですし、カープが好きそうなタイプの投手ではあります。カープが上位指名する高校生投手、なかなか成功例がないですが、例外となってほしいものです。

2巡目か3巡目のどちらかでは大社投手に行くと思うので、2巡目で河野佳。高校は広陵、現在所属している大阪ガスは、昨年指名した末包が所属していた企業と、出来すぎたシナリオが敷かれています。天理大の森浦が2巡目で指名された前年、天理大所属の石原が下位指名されていたりと、こういうフラグを立てるのがカープ流かなと思っています。

3巡目ともなると正直、誰が残ってるのかも分かりませんが、上位3枠で野手を2名以上指名することが殆どないのがカープのドラフトなので、さすがに野手を指名しそう。カープは基本的に捕手を上位指名しない(中村は言うまでもなく例外)ので、今回の補強点にかなうような指名となると、過去に何度か上位指名の前例がありますが、外野手だと思います。この順位ですとカープが好きそうな外野手はだいたい指名されており、ちょっと振り切れ気味ですが久保修が妥当かなと思いました。

ノムケン就任直後も、緒方就任直後も、ドラフトは素材型中心や、高校生中心でした。佐々岡の時は例外的だったのか、大社投手中心の上位指名でしたが、今回は若くてポテンシャルのある選手に的を絞った上位指名になるのではないかと思います。

🐦東北楽天ゴールデンイーグルス

序盤は飛ばしてたものの早々に失速し、最後はBクラス。石井一久監督は来季も続投。もちろんGM職も継続です。

●投手

100イニング以上投げている先発投手全員がQS率40%以上と、まずまずの数字を残していますが、今季32歳以上の投手が多く、高齢化が懸念。ドラフト上位を野手に多く充てている点がモロに影響している気がおり、それを踏まえてか、今年は石井監督が、入札は即戦力投手で行くという説明をしています。リリーフは殆どの投手が防御率3.00未満という安定感。特に、下位や育成のリリーフの台頭が目立ちます。おそらく今年も上位ではいかないでしょう。

●野手

150打席以上でOPS.650以上が7人(リーグ最下位タイ)、OPS.700以上の野手が3人(リーグ最下位タイ)しかおらず、得点力不足なのを感じますが、安田や武藤などの若手が結果を出し始めており、外国人をしっかり当てればそう弱くはなさそう。今年は外国人が誰も当たらなかったのが貧打の原因と思います。ロッテもですが、外国人頼みの限界がここにあるのかもしれません。

●編成

一三塁・外野手の、24歳以下の選手がとても少ないのが現状です。特に三塁は最年少が26歳の伊藤裕季也という状況なので、誰かは加えたいところ。外野手は、右の外野手は高卒で2人、昨年指名しましたので、狙うならそれ以外ということになってくるかもしれません。楽天は近い世代や同世代に選手を固めていく傾向がありますから、例えば武藤と近い世代の左打外野手を指名するだとか、三塁を指名するとしても2人いっぺんに指名するだとか、そういう指名にしてきそうです。

●上位指名予想

吉村貢司郎(社会人・投手)
田中幹也(大学生・内野手)
澤井廉 (大学生・外野手)

石井GMは右腕に対しては高身長を重視していることが多いようです。180㎝以下も指名しないわけではありませんが、下位に置かれることが多い(例外は2019年3巡目の津留崎ぐらい)です。今年の大社先発の中で身長が高めの投手となると、菊地・荘司・吉村・青山あたり。ここから、競合しない選手を選びそうです。左腕に関しては、楽天が指名しそうな上位候補はいないかなと見ています。

2巡目は、一軍でスタメンを張れるショートが少なすぎるので田中幹也。身長170㎝未満の野手でも指名する球団は限られていますが、楽天はその中で最初ではないかと思うので、うまく確保できると思います。もし無理なら、3位か4位で奈良間を指名するのではないかと。

3巡目は、この順位まで残っていて、主軸候補になり得る野手ということで澤井。ほとんどリーグ内成績しかない野手、しかも愛知リーグという点で、多くの球団は踏込みづらいと思いますが、昨年、愛知二部の安田悠馬を指名した楽天なら、躊躇はしないと思われます。

石井GMは上位で野手を多めに指名するドラフトを続けていますが、それでもまだまだ、野手の編成には偏りが多く見られます。あと3年はかけないとダメかなといった状況です。

🐇読売ジャイアンツ

ギリギリまでAクラス争いしたものの、最後はBクラス。原監督は慰留をうけて残留。巻き返しが至上命令になりそう。

●投手

先発6番手までの中に若手や新人が3人も入ってくる、悪く言えば人員不足が深刻なローテ。QS率はほとんど40%を超えており、そこまで悪くはありませんが、今年も1人はローテ候補の指名が必要でしょう。リリーフは僅差で出てくるような面々の防御率が3.50を上回り、中には5点台もいるほどなので、ドラフトでも第二の大勢を指名したいところです。

●野手

野手に関しては150打席以上の、OPS.650以上、OPS.700以上の人数がリーグトップで、かなり盤石。強いて言えば、丸の後継者がいればいいなという印象。大城に次ぐような、強打の捕手もいればなお良しでしょうか。

●編成

目につくのは外野手の少なさ、それも、CFが守れる若手が少なすぎます。今年、1年目の岡田が二軍のCFを多く守っていたのがそれを裏付けています。ここを解消できれば、とりあえず編成は安定してきます。

●上位指名予想

浅野翔吾(高校生・外野手)※公表
荘司康誠(大学生・右投)
神野竜速(大学生・右投)

入札は浅野と公表されています。まだ他球団の動向が分かりかねる面もありますが、今年の流れから考えると単独もあるのではないか、という気がします。

2巡目は、この順位まで残ってくる大社投手となると選択肢が限られますが、ギリギリで荘司がスリップしてくる可能性を踏まえ、荘司にしてみました。荘司がもういなければ、金村かなと思います。なお、過去5年の傾向を見ると、巨人が投手を上位指名する際は、左右問わずMAX150km/h以上という条件が付くようです。反面、身長は175㎝以上であれば、特に問題はないようです。

3巡目は難しいですが、おそらくここも投手だと思います(上位のうち2枠は投手に割くのがこれまでのメソッドなので)まだ残ってそうで、巨人の基準に合ってきそうとなると、神野かなと思いました。

おそらく、今の野手の面々はあと2年は頑張ってくれるでしょうから、あと2年は投手や、ディフェンスメインの指名になってくると思います。

おつかれさまでした!

今回は、やや駆け足で、ウェーバー前半の球団についてまとめてみました。今後も情報は出てきますので、変更等はありそうですが、またドラフト直前にも上位指名予想でひとつnoteを書きますので、そこでご確認ください。次週はウェーバー後半の予想もしてみます。よろしければ、そちらもぜひ。それではまた来週!

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