命を延ばすための点滴
前回、老衰で亡くなる過程の人に抹消点滴をしたらどうなるか?と、問題提起してみました。
実際には、このような経過だと思います。
老衰で弱っていく過程のどこかで、口からの水分・栄養の摂取ができなくなり、脱水になる。
ここで、抹消点滴を行うとどうなるか?
末梢点滴により、水分が入る事で生体としては命が延びる。
ただし、点滴を刺す痛みがあり、さらに、体が弱っていて血管が脆いと、うまく点滴が入らず、何回も刺さなければいけなかったりする。
また、定期的な刺し直しが必要。
こんな感じです。
そして、命を延ばすために水分を入れると、今度は入れすぎる危険性も出てきます。水分を入れすぎると溢水・心不全となり、苦しくなります。
もちろん、入れすぎない様に気をつけますが、命を延ばそうと思うと、ある程度の水分が必要になります。
それと、人は水分だけでは生きられないので、命を伸ばし続けるのであれば、どこかで栄養投与が必要になり、栄養投与をするには別の医療行為が必要になります。
ですが、そもそも、点滴で命を延ばす事で本人家族に良い事があるのか?いつまで続けるのか?
この事を考え・判断せずにただ続けていると、延命だけの医療行為になると思います。
重要なのは「治療継続の必要性を、考え・判断せずに治療を続けると、延命だけの医療行為になる」という事です。
これは一例ですが、ほとんど全ての医療行為に関して、この様な事を考えた方が良いと思います。
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