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体に、強制的に酸素を届けましょう。

 前回、体に酸素を届ける方法の内、自分で呼吸をしてもらって高濃度の酸素を、体に入れる方法を説明しました。

 今回は、呼吸をしていない、もしくは呼吸がすごく弱くても酸素を体に入れる方法を説明します。

 いわゆる、人工呼吸器です。

 大きく分けて、二つの方法が有ります。
①口もしくは鼻(気道)から、空気を押し込む方法。
 何かしらの方法で空気を肺に押し込み、吐く時は胸郭の重さだったり、膨らんだ風船が戻るみたいなもので息が自然に出て来ます。
 この方法は、陽圧呼吸と言います。
②風船の様な肺の入った壺のような胸郭を外から広げたり、狭めたりして、肺の中に空気を出し入れする方法。
 この方法は陰圧呼吸と言います。

 二つの方法があるのですが、世界中ほぼ①の陽圧呼吸です。
 ②は呼吸器内科の医者でも知らない人がいたりします。

 で、

 空気を押し込む、陽圧呼吸の方法ですが、次の2つの方法があります。
ⅰ)マスクを付けて、空気を押し込む方法。
 これには、鼻だけマスクをつける方法と、口まで塞がるマスクを着ける方法が有ります。
 鼻だけの器械は、睡眠時無呼吸症候群の治療で使われるCPAPです。
ⅱ)気管内に管を入れて、そこから空気を押し込む方法。
 気管内に管を入れることを、気管内挿管と言います。
 ただ、長くは気管内挿管は出来ないので、数週間その状態が続くのであれば、気管切開と言って、首のところから直接気管に穴を開けて、管を通して、空気の出し入れをします。
 これが、よくイメージできる人工呼吸器の状態だと思います。
 これらの方法は、投与できる酸素濃度は最大100%です。
ⅲ)最後は、体外式膜型人工肺(エクモ)です。
 これは、新型コロナ感染症で有名になったと思います。
 肺がほとんど機能しなくなって、気管挿管による人工呼吸でも十分な酸素が体に届けられなく無くなった時に、体から血液を抜いて、機械的に血液から二酸化炭素を抜いて酸素を入れるというものです。

 こんな感じの方法があるのですが、これらが、延命処置になる状況を、次から考えます。



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